Eternity Lovers 中編「秘められし物」

 

 

楓を拾って来てから1ヶ月

何事も無く凄し、日常会話をマスターしてきた楓

そんな2人に、非現実的な日常は、迫っていた

 

学校が休みの日に2人で商店街に出て買い物をしていた時であった

「あら楓ちゃん、すっかり話せるようになったみたいね。」

「えぇ。お陰様で。」

「それは良かったわ。ほら、これ持っていきなさい。」

そう言って魚屋の女将は刺身が入った袋を手渡す

「えっ?えっ?」

それに困惑する楓

たまらず聖の方を見る

「…ったく。こう言う時は素直に貰って“ありがとう”って言うんだ。」

聖の言葉に袋を受け取る楓

「あ、ありがとう。」

「また来てね〜。」

その言葉を聞くとそこから歩いて去って行く2人

「今日は刺身の盛り合わせかな?」

「そうだな。」

そう言って歩いている二人の前に1人の女性が立ちはだかる

「見つけた。エタニティーナンバー。」

その言葉にすくむ楓

「楓?くっ!」

そう言うと楓を抱えて逃げる聖

「…捕らえなさい。一緒に居る人間の生死は問わないわ。」

「「はい。」」

女性の言葉の後に返事が聞こえ2つの人影が聖と楓に向って迫る

「追いつかれる〜〜〜。」

そんな聖の前に金属バットを持った一人の女性が立っていた

「増援かぁぁぁ!!!」

「避けて。」

その言葉に一瞬戸惑うが横に避ける聖

聖が避けたのを確認すると思いっきり金属バットをフルスイングする女性

スイングに当り吹っ飛ぶ2つの人影

「あ、貴女は?」

「う〜ん、君の味方だって事は言っておくわ。ほら、早く逃げた。」

「あっ、はい。楓、走れるか?」

聖の問いに頷く楓

「良し、行くぞ。」

そう言うとそこから走り去る聖と楓

「何者かしら?貴女は?」

「人に名を尋ねるのなら先ず自分からよ。」

「これは失礼。人類能力開発研究所のフェイト=ヴェルヘインドよ。」

「…水月唯よ。」

 

商店街を疾走し、海の見える丘の公園迄出て来る聖と楓

呼吸を整えると、口を開く楓

「…聖。」

「ん?どうした?」

「話さなければ、いけない事があるの。」

その言葉に楓の方を向く聖

「話さなければ、いけない事?」

「うん。…記憶が、戻ったの。…そして、あの人達が私を追う理由も。」

楓の言葉に黙る事しか出来ない聖

「その理由は、私がクローンで有り、不老不死の肉体だからなの。」

「なっ!」

…驚く事しか、出来なかった

「そんな私が、行方不明になってたから。研究所は、私を必死で探したの。そして

…。」

「嘘だ!!!そんな事、嘘だ。信じたく、ない。」

「…本当の事なの。信じて。」

楓のその言葉の後、口を開く聖

「一緒に、逃げよう。何処か遠くに。」

「でも、何処に?」

「何処でも良い。せめて、俺の気持ちの整理ぐらいさせてくれ。」

「…うん。」

そう言うと一緒に部屋迄行き、バイクのキーを取り、バイクを吹かす

「頭に嵌めて。」

そう言うとヘルメットを渡す聖

ヘルメットを受け取り頭に嵌めると後ろに乗る楓

「行くぜ。」

そう言うとエンジン音と共にバイクを走らせる聖

そして2人は何処かへと消えていった

 

後編へ続く

 

楓の事を知りながらも、楓と共に姿を消した聖

心と気持ちの整理がついた時、彼は決断をする

Eternity Lovers

後編「出会いと別れ」

 

 

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