Blood –sucking impulse- File.2 吸血衝動
「眼が覚めたかい?」
葉月が眼を覚ますと、1人の青年が声をかけてきた。
彼女は周囲を見回した後、自分が裸であることに気付く。しかし意識が混乱しかかっている彼女は、自分の全裸を隠すことも忘れていた。
「あなたは、誰ですか・・・?」
「えっ?」
突然の葉月の問いかけに、青年がきょとんとなる。
「もしかして、覚えてないとか・・・?」
苦笑を浮かべる彼に、彼女も記憶を巡らせる。
「そういえば私、あなたに捕まったような・・・」
「捕まえたんだよ、オレが。かわいい君を石化させて楽しむためにね。」
「石化・・楽しむ・・・?」
青年の言葉の意味が分からず、葉月が当惑する。
「そういえば自己紹介がまだだったね。オレは八神宅真(やがみたくま)。君は?」
「えっ?わ、私は、咲野葉月です・・」
宅真と名乗った青年に、葉月は戸惑いながらも答える。
「葉月かぁ・・いい名前だね。ところで・・」
微笑んだ宅真がその笑みを消す。
「何かあったのかい?意識を保ってなくて、生きてる感じがしないほどだった。」
宅真の心配の声に葉月は沈痛の面持ちを見せる。しかし彼の笑顔と優しさを目の当たりにしたことで、彼女は思い切って答えようと思った。
アークレイヴに入れなかったこと。将来を先読みしすぎて住む家さえ失くしてしまったこと。最低限の生活をするための仕事にも就けないでいたこと。
自分をさらった誘拐犯であるにも関わらず、あまりにも気さくで明るい振る舞いを見せていたため、彼女は彼に気軽に語りかけていた。
「なるほど、そんなことがあったのか・・・君はけっこう苦労したんだね。」
「はい。それで生きるのが辛くなっちゃって。多分、そこへあなたが来たんだと思うんです・・」
頷く宅真に空元気を見せる葉月。
「でもやっぱり、あなたは世間を騒がせている誘拐犯、ブラッドっていう吸血鬼なんですか?」
葉月が問いかけると、宅真は微笑みながら彼女に自分の瞳を見せる。一瞬動揺を見せる彼女を見て、彼は笑いをこぼす。
「驚かなくてもいいよ。オレは別に君をオブジェにするつもりはない。ただ、ブラッドの特徴を見せたかっただけだよ。」
「特徴・・?」
「ブラッドの眼は、昼から夜になると紅から蒼に変わるんだ。そしてブラッドは血を媒体にしていろんな力が使える。また、ブラッドを超えるとSブラッドとなり、媒体となる血の消費が極端になり、その効果は時間さえも操れるんだ。」
宅真の説明の意味が受け取れず、葉月は突拍子さを感じて唖然となっていた。それを見て宅真が苦笑いを浮かべる。
「いきなりこんな難しいことを言っても分かんないよね?だったら・・」
そう言って宅真は右手をかざし、力を込めた。すると葉月の眼の前に、1本の剣が出現する。血のように紅い剣。まさに血で作られたものである。
「たとえばこういう力。Sブラッドであるオレは、そんなに血を媒体にしなくてすむんだけどね。」
宅真は微笑んで、紅い剣を消失させる。少しは納得してくれたものと思って、彼は葉月に視線を戻す。
すると葉月の様子がおかしいことに気付く。彼女は口を押さえて嗚咽にあえいでいた。
「ちょっと、葉月ちゃん・・?」
宅真が不安そうに葉月に呼びかけるが、彼女の異変は治まらない。
「葉月ちゃん!」
宅真が強く呼びかけて、葉月がようやく我に返る。
「あの、私・・・?」
困惑の面持ちを宅真に向ける葉月。
「ふう・・何とか落ち着いたみたいだね。」
安堵の吐息をついて笑みをこぼす宅真。葉月はその場に座り込んで呼吸を整えていた。
「とにかく、何か着ておかないとね。いつまでも裸じゃ、オレはよくても君はよくないだろ?」
「えっ!?あ、キャッ!」
今まで裸でいたことを忘れていて、自分の体を抱きしめて赤面する葉月。
「アハハ。でも男モノしかないけど、一時しのぎだから勘弁して。」
宅真が笑みをこぼして葉月に上着をかけ、彼女を抱えて意識を集中する。2人は出入り口のないこの部屋から姿を消した。
アークレイヴ本部前。隊長、仁科を初めとした隊員たちの前に、新たに加わった新隊員たちが整列していた。その中にはミサの姿もあった。
「新入隊員諸君、特殊部隊、アークレイヴにようこそ。」
ライアンが新隊員たちに挨拶を送る。
「我々は快く君たちを歓迎する。だが、心しておくように。君たちの戦いはここから始まるのだ。」
「はいっ!」
彼の激励に新隊員たちが返事をする。
各々の挨拶も終わり、任務に就く者、待機をする者と分かれていく。その中で、ミサは仁科に駆け寄った。
「あの、隊長。」
「ん?確か君は、上条ミサくんだったね?」
ミサに呼び止められた仁科が振り返り、気さくな態度で返事をする。
「あの・・ひとつ、聞きたいことがあるんですが・・・?」
「いいよ、いいよ。何事も興味を持つことから始めないとね。」
問いかける彼女に、仁科はあくまで気さくな態度を見せる。
「今回入隊試験を受験した、咲野葉月についてなんですけど・・・どうして、不合格になったんでしょうか・・・?」
「咲野葉月?・・あぁ、確か模擬試験はいつも上位の成績だったそうじゃないか。オレも彼女の面接の教官となったんだ。」
仁科が葉月を思い出して頷いてみせる。しかし今まで見せていた笑みを消す。
「けど、オレはあえて彼女を不合格にした。彼女には悪いと思ったんだけどね。」
「どうしてですか!?葉月はあたしなんかより、ずっとここに来れる成績なのに・・!」
ミサが抗議の声を上げると、仁科は困った表情を浮かべる。
「確かに君の言うとおりだよ。彼女は成績もいいしそれなりの度胸もある。成績だけで言えば彼女ほど有力な人材はそうはいないだろうな。けど、彼女は優しすぎるんだよ。」
「それが、あの子を不合格にした理由ですか・・・?」
仁科の言葉にミサは呆然となる。
「確かに優しさは必要だよ。人間にとって必要なことだからね。けど、過剰な優しさは逆に自分や周囲を危険に晒しかねないことにつながるんだ。弱いものを助ける優しさと敵を躊躇なく叩く非情さ。オレたちのような軍人や組織人は、それらが必要不可欠なんだよ。」
普段の気さくな態度とは違った真剣な態度で語る仁科。彼の姿にミサは強い圧力に押されているような圧迫感を覚えていた。
呆然となっている彼女を見て、仁科が苦笑を浮かべた。
「腑に落ちないのだったら、君が代わりに彼女にコッソリ教えてくれないかな?こういうのは自分で気付いたほうがいいと思うから。」
「そうですか・・・ありがとうございます、隊長。」
仁科に一礼するミサ。仁科も彼女に笑みを送る。
「すみません、いろいろと。何だか隊長、気さくで明るく話しやすいので、つい・・・」
「アッハハ、気にしないでくれ。オレもいろいろ話が聞けてよかったよ。」
照れ笑いを見せるミサに、仁科が気さくな笑みを浮かべて振り返って立ち去っていく。
「若い連中の話はね。」
宅真と葉月が移動してきたのは、何の変哲もない一軒家だった。彼は自室にあるタンスを開けて、彼女に合う私服を探していた。
「んん〜・・コレなんかいいんじゃないかな?」
宅真は未だにそわそわした面持ちを見せている葉月に、1着のTシャツとジーンズを見せた。彼のお古で、着るのがきつくなったのでしまっておいたものであるが、虫に食われたといった損傷はなかった。
「ちょっと試着してみようか。着られなかったらまた出すけど。」
彼に促されて彼女はその服を試着してみた。男モノだからぶかぶかだろうと思ったが、すんなりと入ったのだった。
「うん。何とか入ったみたいだね。まぁ、気に入らなくても、新しいものを買うまでの辛抱だね。」
笑みをこぼして、衣服を身にまとった葉月を見る宅真。屈託のない様子の彼を見て、彼女も小さく微笑んだ。
「さて、とりあえず買い物しよう。君の新しい仕事場はそれから向かうことにしよう。」
部屋のドアを開けた宅真に、葉月は頷いて後に続いた。
とりあえずひと通りの衣服を取り揃えた葉月は、宅真に連れられて街中の道を歩いていた。彼女が今着ているのは、Tシャツに上着を羽織り、スカートをはいている。もちろん下着も着用していた。
彼に促されてやってきたのは、少し年期の入った喫茶店だった。
「ここは・・?」
「オレがよく行ってる喫茶店さ。ここなら君を雇ってくれると思うよ。ここの店主のおばちゃん、けっこう気前いいから。」
葉月が問いかけると、宅真が気さくな笑みを浮かべて答える。
「さて、とりあえず挨拶しに行こうか。ここで立ち話もなんだから。」
明るく振舞いながら、彼は店のドアを開ける。
「おばちゃん、いるかい?」
「おっ、たっくんかい。いらっしゃい。」
宅真が声をかけると、テーブル席にいた中老の女性が明るく答える。
「おや?どうしたんだい、その子は?あ、もしかしてたっくんのコレかい?」
葉月の姿に気付いた女性が、宅真に突き立てた小指を見せる。
「違うよ。ただちょっとワケありでな。しばらく働かせてくれないかな?」
「えっ?」
照れ笑いを見せる宅真に女性が一瞬唖然となる。
「何でも、金がなくて仕事も見つけられずに困ってるみたいなんだ。おばちゃん、いいかな?」
頭の後ろをかいて、宅真が頼み込む。すると女性は満面の笑みを見せる。
「なるほどね。分かったよ。明日から頼むね。」
「えっ?それじゃ、いいんですか?私がここにいても・・」
あまりにも突拍子な了承に、葉月は呆然となる。
「アッハハハハ。いいんだよ。あたいはにぎやかなのが大好きだからねぇ。」
不安の面持ちを見せる彼女に、女性は高らかと笑う。
「あたいはここの店主のマリンさ。よろしくね。えっと・・」
「葉月です。咲野葉月。」
気さくな笑みを崩さない女性、梶木(かじき)マリンに自己紹介する葉月。
「さて、今日は葉月ちゃんの新しい門出を祝って、オレが葉月ちゃんにおごっちゃう。」
「えっ?でも、私・・」
宅真の提案に葉月が戸惑う。
「いいよ、たっくん。今回はあたいがアンタたちにまかなっちゃうから。」
「えっ?いいの、おばちゃん?ありがとうね。」
「ただし、あたいの自信作のオムライスをアンタは食べんだよ。」
「えっ!?もしかしてオレに毒見させようってんじゃ・・」
「おいおい、あたいの料理が絶品なのはアンタはよく分かってるはずだろ?試食っていってほしいね。」
驚きを見せる宅真に、マリンが挑発的な笑みを浮かべる。そして呆然としている葉月に視線を移して、
「アンタは好きなもんでいいよ。何がいいんだい?」
「えっ?あ、私もそのオムライスでいいですよ。」
「そうかい?じゃ、オムライス2つね。」
戸惑いを見せる葉月に、マリンが高らかと笑いを向けながら厨房に向かった。
そして数分後、マリンが皿に盛ったオムライスを2つ持って出てきた。
「あい、おまちどう。ケチャップは自由に使っていいよ。」
「ありがとね、おばちゃん。試してみますか、おばちゃんの自信作を。」
そういって宅真は差し出されたケチャップをオムライスの上にかける。そして葉月にもケチャップを手渡す。
「ほら、使うかい?」
その声を受けて、彼女はケチャップを見つめていた。ケチャップの赤。
血のような赤。
「うっ!」
そのとき、葉月は口を押さえてうめき出した。
「ど、どうしたんだ、葉月ちゃん!?」
宅真が血相を変えて葉月に手を伸ばす。
彼女は宅真にさらわれる直前に起こった嗚咽を感じていた。それも先程よりも激しい発作である。理性という歯止めが利かなくなるような、本能的な発作。
(何なの、この感覚!?・・・ダメ!耐えられない!)
胸の奥から湧き上がる不快感に耐え切れなくなり、ついに口元を押さえていた手を離す葉月。うずくまり、うなだれるように呼吸を荒くする。
「葉月ちゃん!しっかりするんだ、葉月ちゃん!」
宅真が必死に葉月に呼びかける。マリンもただその場に立ち尽くして、どうしたらいいのか考えあぐねていた。
大きく何度か息をついた後、心配する宅真にすがりつく葉月。
「葉月ちゃん・・・?」
彼女の落ち着いたと思われる様子に、宅真は戸惑いをあらわにする。
そのとき、彼女が首筋に犬歯を立てようとするのを彼は気付き眼を見開く。
「葉月ちゃん!」
宅真は危機感を覚え、たまらず葉月を突き飛ばした。その拍子で彼女は我に返り、彼も息を荒くしていた。
「私、何を・・・!?」
葉月が唖然と宅真を見つめる。
(まさか、彼女・・・!?)
宅真は彼女に対し、ある衝動的な症状を思い出していた。
「ち、ちょっと、葉月ちゃん、大丈夫なのかい・・!?」
マリンが困惑しながら葉月に声をかける。葉月はただ呆然となりながら無言で頷いた。
「と、とりあえず部屋を借りるよ。葉月ちゃんを落ち着かせないと・・」
宅真は作り笑顔を見せて葉月の手を取る。そして彼女を連れて奥の部屋に入っていった。彼女の身に起こったことに対しての一抹の不安を抱えながら。
「・・ここは・・・?」
眠りについていた葉月が眼を覚まし、横たわっていたベットから起き上がる。部屋の時計に視線を移すと、店に入ってから1時間辺りが経過していた。
「たっくん、ホットドック2つ、お願いね!」
「了解、おばちゃん!」
マリンの言葉に宅真が元気よく返事する。
葉月は少しだけ部屋のドアを開けてみる。その先の店内では客がやってきていた。少し立て込んでいる様子で、宅間もマリンを手伝っていた。
「そうか・・・私、いつの間にか気絶しちゃってたのか・・・」
先程の記憶を確かめて、葉月が小さく笑みを作る。そしてさらに記憶を巡らせる。
突然襲ってきた不快感。何かを本能的に追い求める衝動。
思い出したくないものだと実感して、葉月はまた口に手を当てた。
「あっ、眼が覚めたみたいだね。」
仕事の合間を縫って様子を見に来た宅間が声をかけてきた。
「よかったぁ。一時はどうなることかと心配しちゃったところだったんだよ。でも客はやってくるし、仕方なく葉月ちゃんの様子をうかがいながら仕事をしてたわけだよ。おばちゃんには世話になってるし、あと時間つぶしと。」
安堵の笑みを浮かべて、宅真が頷いてみせる。彼の様子を見て、彼女も笑みをこぼす。
「おばちゃん、ちょっと時間いいかな?」
「あいよ!すまなかったね、たっくん!」
宅真の呼びかけに、マリンの元気な返事が返ってくる。それを受けて頷いて、彼は葉月のいるこの部屋に入ってドアを閉めた。
「ホントに大丈夫かい?少しは落ち着いたかい?」
「え、あ、はい。何とか・・・宅真さんが、解放してくれたんですよね・・・?」
「あ、いいよ、いいよ。そんなに気を遣われると、オレのほうが気を遣わなくちゃなんなくなるから。宅真か、おばちゃんみたいにたっくんって呼んでくれたほうが好きだな。」
かしこまる葉月に、宅真が気さくな笑みを浮かべて彼女の気持ちを和らげようとする。
「それじゃ、たっくん・・・」
葉月が気持ちを楽にして声をかけると、宅真は満面の笑みを浮かべて頷く。しかしすぐに真剣な面持ちを見せる。
「さっきのアレ・・今回が初めてじゃないよね?」
その問いかけに、葉月は戸惑いながらも小さく頷く。
「それって、何かきっかけがあるんじゃないのかい?例えば、嫌なことを思い出したり、何かを見て起こったりとか・・」
「・・そういえば確か・・紅いものを見たら・・・うっ!」
思い返した葉月に、またも嗚咽が押し寄せてくる。しかし先程より強くなかったので、彼女はすぐに落ち着きを取り戻した。
「もしかしたら・・吸血衝動かもしれない・・・」
「吸血、衝動・・・?」
宅真が口にした言葉に、葉月が疑問符を浮かべる。
「何なの、その吸血衝動っていうのは?・・・吸血って、吸血鬼がすることだよね・・・?」
「うん。普通ならオレみたいなブラッドや吸血鬼に起こる衝動なんだ。血が足りなくなったりってね。けど普通の人間には起こらないといったら、そうでもないんだ。」
真剣に語りかける宅真に、葉月は困惑を隠せなかった。
「ごくたまに、ホントにごくたまにだけど、人間の中にも吸血衝動が起きることがあるんだ。紅いものを見るととてつもなく血がほしくなる。別に何のご利益もないんだけど、それでも本能的に血を求めたくなり、無意識に首に噛み付いたりすることもあるんだ。」
彼の言葉を受けて、葉月が再び口に手を当てる。
「それじゃ、私が血を見て気分が悪くなったのは・・・」
「多分、吸血衝動のせいで血を求めてたんだよ・・・」
全身を駆け巡り、紅い血を本能的に求めさせる吸血衝動。彼女を蝕むその症状に、宅真も動揺を隠せなかった。
「今日はご苦労だったね、たっくん。助かったよ。」
ひと通りの波が穏やかになり、つかの間の休憩を取っていたマリンが宅真に感謝の言葉を送る。
「いいよ、おばちゃん。オムライスご馳走になったのもあるしさ。それにいろいろあったからね。」
彼はマリンに笑顔を見せて答える。
「ところで葉月ちゃん、ホントに大丈夫かい?」
「えっ?あ、はい、おかげさまで・・」
マリンの心配の声に、葉月は小さく頭を下げる。
「もう大丈夫です。明日からよろしくお願いします。」
葉月はマリンに小さく一礼して、宅真に連れられて部屋を出て行く。
これが2人の新しい日々の始まりであり、血塗られた運命の幕開けでもあった。
「これから、また誰かをさらいに行くの・・?」
店からしばらく離れたところで、葉月が宅真に声をかけた。宅真は振り返って笑みをこぼして頷く。
「女性を連れ去って、裸にして石にして、その反応をうかがって心を満たそうとするの?」
「それがオレの楽しみだからね。」
「私じゃダメなの・・私を弄べばいいと思うんだけど・・・?」
「それは君が元気になってからね。そのときには、いい反応を見せてもらうからね。」
困惑を見せる葉月に満面の笑顔を見せた宅真の姿が変わる。夜を騒がせているブラッドの姿。黒い衣服に白い髪の青年の姿に。
そして新たな美女と快楽を得るために、彼は夜の街に繰り出した。