Angel’s Knight 第4章
ACT7「それぞれの道〜フィーナ〜」

 

 

4月

 

SKA教員室

 

「フィーナさん、お手紙来てますよ〜。」

雪に言われその手紙を受け取り中身を見るフィーナ

その内容を見て呟くフィーナ

「来た、か。」

 

放課後

 

屋上

 

そこにはフィーナ・イシュタルと風濫の姿が有った

「フィーナさん、いきなりどうしたんですか?」

風濫に問われ手紙を見せるフィーナ

それを見て確信するイシュタル

「教会本部から?」

イシュタルの言葉に頷くフィーナ

「どんな、内容だったんですか?」

問いかける風濫

「2度に渡る聖杯戦争と此度の事件について説明の為出頭せよとの事。」

「行くん、ですか?」

風濫の言葉に頷くフィーナ

「お母様、御同行願いますか?」

「構わないわ。それと紫亜はどうする気なの?」

イシュタルに問われ少し間を明け口を開くフィーナ

「置いて行きます。此度の事情は今ここに居るメンバーしか知りませんから。」

「…そう。いつ出るの?」

「今日の夜には、出ます。」

フィーナの言葉にただ「そう」とだけ答えるイシュタル

 

翌日

 

「マスター!」

廊下で青葉を呼び止める紫亜

「紫亜、いえアーチャー、何?」

「フィーナを、知りませんか?」

紫亜の言葉に考え込むと口を開く

「そう言えば、急に出張に行くって風濫が言ってたわ。場所はヨーロッパだって。」

その言葉に驚く紫亜

「紫亜、どうしたの?」

「フィーナが、危ない。」

 

ヨーロッパ

 

教会本部入口

 

「名を。」

警備の為の人間に問われ口を開くフィーナ

「代行者フィーナ=ラス=レイピア。命に応じ出頭した。」

「…お通りを。第3礼拝堂です。」

 

第3礼拝堂

 

礼拝堂の中に入ると幹部クラスの人間が勢ぞろいしていた

「フィーナ=ラス=レイピア、出頭致しました。」

そう言うと声が聞こえる

―ご苦労。楽にしてくれたまえ。―

―さて、此度の出頭、意味は解っているな?―

「2度の聖杯戦争と此度の神族侵攻事件でしょうか?」

―ふむ、解っているようだな。―

―では問おう。2度に渡る聖杯戦争、監督の任を任せた筈だが、なぜ任を放棄し

た?―

「放棄とは失礼。すべき事はちゃんとしておりましたよ。

各々のサーヴァントとマスターの報告等。」

―ならば此度の神族侵攻。何故関与した?―

「…何故?不思議な事をおっしゃるのですね。」

―当然だ。我ら教会は信仰している神族のすべき事に関わる等前代未聞だ!―

幹部達の言葉に溜息をつくフィーナ

「お言葉ですが、私は代行者である前に羽咲SK、人です。

守るべき土地を侵攻されたので守った迄です。」

―惜しいな。君は優秀な人材だったのにな。よもや異端者であったとは。―

「…私を、消すおつもりですか?」

―異端者である以上それ以外に何があると?―

その言葉に再度溜息を吐くフィーナ

「やれやれ、対魔法結界迄張って何かと思ったけど、無意味ね。」

そう言うと同時に無数の雷が礼拝堂に降り注ぐ

―なっ!何をやっているか解っているのか?―

「こちとらうんざりなのよ。消えなさい!」

その直後崩壊する第3礼拝堂

 

崩壊した礼拝堂の回りに人が集まる

瓦礫の中から姿を表すフィーナ

その姿にざわつく代行者候補生達

そんな彼らを見て口を開くフィーナ

「私はフィーナ。異端者よ。死を恐れぬなら、かかって来なさい。」

そう言うと両手にイカヅチを発生させるとそのまま移動を開始するフィーナ

 

結局敷地を出るまで誰もフィーナを攻撃する者は居なかった

 

数日後

 

羽咲市内

 

エルミナド教会礼拝堂

 

礼拝堂に入るフィーナ

そこには紫亜の姿が有った

「紫亜。」

「…教会本部へ、行っていたのですね。フィーナ=ラス=レイピア。」

「えぇ。」

そう答えると2人同時に干将・獏耶を構える

「行くよ、フィーナ。」

「全力で来なさい、アーチャー!」

その言葉と共に駆け出し、全力で剣を振るうフィーナと紫亜

独特の金属音が響くと剣を降ろす紫亜

「紫亜!」

「迷いは、無いみたいね。それじゃ明日、学校で。」

そう言うと礼拝堂を出て行く紫亜

 

礼拝堂外

 

礼拝堂から出てくる紫亜

そこには青葉の姿が有った

青葉に気づき口を開く紫亜

「マスター。」

「気は、済んだ?」

「…はい。」

 

礼拝堂内

 

手に教会聖武具の十字架の剣を持ち佇むフィーナ

「…(私のした事は正しかったのか?代行者である私が教会に逆らうなんて。

…私はこのままSKとして生きていけば良いの?)

「悩み事か?」

ふと後から男性の声が聞こえる

振り返るとそこに居たのは…

「聖さん。えぇ、ちょっと。」

「そうか。迷ったんなら自分が信じる事を成せ!昔唯に言われた言葉だ。んじゃな。

そう言うと礼拝堂から出て行く聖

「…自分が信じる事を成せ、か。」

そう言うと屋根を見上げるフィーナ

「…なら私は。」

 

続く

 

次回予告

彼女は歩く

それが闇に染まりし道だろうと

それが、彼女の選んだ道なのだから

次回ACT8「それぞれの道〜漆黒の薔薇騎士シルヴィー〜」

 

 

 

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