Angel’s Knight 第4章
ACT5「二振りの炎槍」

 

 

SKA中庭

 

炎装を纏ったフェルミナと、フェンリルを纏った雪が攻防を繰り広げる

紫亜が展開した魔術障壁の中でそれを見守る風濫と青葉

「凄い。衝突する度に小規模な爆発が起きてる。」

二人の戦いを見て言葉を漏らす青葉

「エレメンタルが対極に位置する二人ですから。今は均衡が取れていますが、

この均衡が破れた時には…。」

そこ迄言うと黙り込む紫亜

ほぼ同時に間を明け立ちすくむ二人

「中々やりますね。この私と対等に戦うなんて。」

「魔界を束ねる王をなめないで欲しいわね。」

そう言うと突きの態勢でヴォルケスを構えるフェルミナ

「ならばこちらも相応の歓迎を致しませんとね。」

そう言うと構える雪

その構えを見て口を開く風濫

「あの構え。雪、駄目ぇ!」

そう叫ぶと飛び出そうとする風濫

その風濫を抑える青葉

「風濫、危ないよ!」

「離して!雪が!雪が!!!

風濫の叫びを無視するかの如く駆け出す二人

そんな二人がぶつかりあう瞬間

「浄化の炎(メキドフレア)!!!

その言葉と共に雪を白い炎が包み、その場に崩れ落ちる雪

その光景に驚く一同

「どうやら、間に合ったみたいですね。マスター。」

「そうみたいね、ランサー。」

そう言って姿を見せたのは楓とランサーだった

「レナス・シルメリア。」

その状況でも二人の戦女神の名を口にするクリス

それと同時に現れる二人の戦女神

それと同時に中庭を囲むように多数の神兵も姿を現す

「囲まれてる!」

そんな状況で一人冷静に口を開く紫亜

「マスター。神兵をある程度一掃させます。

その後私はシルメリアを相手にします。よろしいですか?」

「構わないわ。やっちゃって。」

青葉の言葉に頷くと静かに口を開く紫亜

「魔術障壁解除。…刻印解除(ルーンロックアウト)

イカヅチよ。我が敵達を撃つ剣と成れ。サンダー、ストーム!!!

紫亜の言葉に無数のイカヅチの剣が降り注ぎ神兵を消失させていく

「投影開始(トレース・オン)、来なさい。」

神兵の消失と共にそう呟くと紫亜の両手に白と黒の剣が握られていた

「行きますよ、シルメリア。」

そう言うと同時にシルメリアに突っ込む紫亜

それを見て口を開く風濫

「青葉は雪を。楓とランサー。それとフェルミナさんはレナスを!」

風濫の言葉に頷く一同

それを確認してクリスを見る風濫

「真っ向勝負よ!」

 

突っ込んで来た紫亜の斬撃を防御するシルメリア

「単調ですね。そんな攻撃では私を倒せませんよ。」

「そんな事重々承知!」

そう言うと剣を弾き間を置くと白と黒の剣を地面に突き刺す紫亜

「剣を降ろすなんて、降服ですか?」

シルメリアの言葉に鼻で笑い飛ばす紫亜

「まさか。私の戦闘スタイルは貴女が一番知っている筈よ。」

そう言うと魔力を開放する紫亜

「…行きますよ。」

そう言うと一気に間を詰める紫亜

咄嗟にガードした腕を弾きイカヅチを叩き込む

「ぐっ!」

シルメリアがひるんだ隙に背後に回り込むイカヅチの弓矢を形成する

「ライトニングバスター。」

そう言って矢の部分から手を話すとシルメリアにイカヅチが襲いかかる

「くっ!人間如きが!」

そう叫びながら剣を振るうが簡単に避けられる

避けて間を開けると目の前に魔方陣を展開する紫亜

「耐えれるものなら、耐えてみなさい!」

そう叫ぶと左手を前に出し右手後ろに引き握りこぶしを作る紫亜

―トール・ハンマー―

そう言うと同時に右手を突き出す

それと同時に巨大な竜がシルメリアを飲み込む

巨大な竜が飲み込み、立ち尽くすシルメリア

相当効いた様子で膝を付くシルメリア

それを見て銀十字の剣を構える紫亜

「もう終わりなの?」

紫亜の言葉に立ちあがり剣を構えるシルメリア

「戦女神たる私が、人間如きに!」

そう言うと紫亜に斬りかかるシルメリア

「魔力装填。」

紫亜の言葉に銀色に光る剣

その直後シルメリアをすれ違い背中を向けあう

「フィーナ=ラス=レイピアは、返して貰います。」

そう言って剣を振ると同時に銀の光に包まれ鎧が消え去り、フィーナの姿が現れ倒れ

込む

 

紫亜がシルメリアと戦い始めたのと同じ時刻

 

ランサーとフェルミナが巧みな連係を用いてレナスを責める

「ハァァァァァァ!!!

雄叫びを上げながらレナスに突っ込むランサー

ランサーの槍を受け止めるレナス

「甘い!!!

そう言うと槍に力を込め、レナスを上空へと放り出すランサー

「たかだか上空に上げただけで…。」

レナスがそう呟いた直後

「バーニングスラッシュ!!!

その声と共に炎の宿った剣で斬られ地面へと落下するレナス

レナスが地面に着く寸前に剣でレナスを貫く楓

「嘘。…そん……な………。」

そう言うとその場から消え去るレナス

「残り後一人!」

そう言うと風濫とクリスの方を見る楓・ランサー・フェルミナ

 

互いに剣を抜き、鎧を纏い、睨みあいをしていた

 

続く

 

次回予告

神族による羽咲侵攻戦に決着が付かれる

勝つのは人か?神族か?

次回ACT6「黒き薔薇と聖騎士」

 

 

 

TOP

inserted by FC2 system