Angel’s Knight 第4章
ACT4「人と神と」

 

 

羽咲署上空

 

真紅の鎧を纏った楓と青い鎧を纏ったレナスが空中戦を繰り広げる

 

互いに剣を持ちヒット&アウェイを繰り返す

一旦距離を開ける2人

「中々やりますわね。ですが、これが交わせますか?」

そう言うと巨大な槍を持つレナス

それを見て剣を仕舞うと詠唱を始める楓

楓が詠唱をしている間にレナスの槍に気が溜まる

「さぁ、来なさい。」

楓の言葉に口を開くレナス

「その身に刻め!神技!ニーベルンヴァレスティ!!!

そう叫ぶと同時に槍を投げつけるレナス

「ケルス・レンセード!!!

そう言うと同時に楓の前で止まるレナスの槍

「なっ!」

その光景に驚くレナス

そのまま消失する槍

「貰った!」

そう言うと同時に楓から64本の魔術の矢が射出される

レナスに命中する直前障壁に阻まれ消失する魔術の矢

「レナス、遊び過ぎよ。」

大気が震える程の声で女性が姿を表す

「マスタークリス。」

クリスと呼ばれた女性が楓を見る

「…神殺しの武装具。もう少し強くなったら来なさい。レナス、帰るわよ。」

そう言うと同時にそこから消えるクリスとレナス

「逃げた?違う、見逃してくれた。」

そう呟くと地上へと降りる楓

 

羽咲市警

 

そこに雫・聖・カヤキスに仁科とランサーの姿が会った

「ランサー、大丈夫?」

そう言いながら着地する楓

「マスター、えぇ。大丈夫です。」

ランサーの言葉を聞くと口を開く聖

「さてと、俺とカヤキスは行くぞ。」

聖の言葉に疑問に思う雫

「聖さん、一体何処へ行く気なのですか?」

「探し物だ。」

そう言うと羽咲市警から去っていく聖とカヤキス

聖とカヤキスが去って行ったのを見て口を開く雫

「楓、これからどうするの?」

声を掛けられ気付き、口を開く楓

「一旦SKAに戻ります。神族相手にどう出るのか知りたいので。」

「解った。こっちは私と仁科で何とかするって伝えといて。」

雫の言葉に頷く楓

 

SKA

 

羽咲市警からこちらに集まったSK一同

メンバーは風濫・雪・青葉・ルイ・アインス・フィーア・ルナに

ライダー・紫亜・楓にセイバーが二人とランサーが二人

 

各々から事情を聞き口を開く風濫

「成る程ね。残りはレナスとシルメリア、それと聖神クリス。」

風濫の言葉に頷く一同

「現状向こうは何処に陣を取り、また何所から攻めて来るのか解らない。

嫌ね、後手に回るって。ライダー、羽咲市内のめぼしい所を見回ってきてくれる?」

 

風濫の言葉に頷くライダー

「私も付いて行くわ。地理に詳しいし。」

口を開くランサー、イシュタル

「ではお願いします。」

そう言うと外へと出て行くライダーとイシュ

それを確認すると口を開く風濫

「さて、これから襲撃に備えて休息を取るけど、3シフトにするけど、異議は?」

誰も口を開かないのを見て再度口を開く風濫

「1班、私・雪・青葉にアルトリア。2班ルイさん・アインス・フィーアに紫亜。

3班は残りルナ・楓・セフィリアさんに秋華さんで。」

風濫の言葉に頷く一同

「最初は1班が待機で他は休憩でお願いします。解散。」

解散し、一人溜息をつく風濫

「風濫。」

そんな風濫に声を掛ける一人の女性

「ルイさん。」

「中々様になっているわね。次のSKの隊長は風濫かしら。」

そう言うとクスクスと笑うルイ

「ルイさん。私はそんな器では無いですよ。それでわ。」

そう言うと去って行く風濫

 

SKA中庭

 

そこに漆黒の鎧を纏い、レヴィキスを持ち佇む風濫の姿が有った

ふと気配を感じ、口を開く風濫

「どなたですか?」

「…ルタ。精霊神ルタ。」

人物の名に驚く事も無く振り返る風濫

「漆黒の薔薇騎士シルヴィーです。それで、何用ですか?」

風濫の問い掛けに口を開くルタ

「…お願いが、有ります。」

 

同時刻

 

廊下

 

準備の為部屋に戻る雪

そんな雪の前に一人の女性が立ちはだかる

その女性を見て構える雪

「無駄よ。」

そう言うと雪の背後に回り込む女性

「なっ!」

雪の両腕を攫むと耳元で囁く女性

「さぁ、漆黒の薔薇騎士と裏切り者の精霊神を殺してきなさい。」

「…はい、マスター。」

虚ろな目で答え中庭へと移動する雪

 

中庭

 

「仕組まれた事?」

風濫の言葉に頷くルタ

「神界にも神界の事情が有り、我が主神を悪く思う神々が居ます。

戦女神の主神もそのうちの一人です。」

ルタの言葉に考え込む風濫

「要は神界のゴタゴタに巻き込まれただけ、か。」

「申し訳ないけど、その通りです。」

そう言うと俯くルタ

「風濫、こんな所に居たんだ。」

ふと聞きなれた声が聞こえる

「雪。ゴメンね。ちょっと精神統一を……雪、止まって。」

急に真剣な目付きで雪に対しレヴィキスを向ける風濫

「風濫、どうしたの?」

「雪、ここに来た目的は、何かしら?」

風濫の言葉に戸惑いながらも口を開く雪

「えっ?何って、風濫を迎えに…「嘘だ!!!

風濫の声に驚く雪

「レヴィキス、マジックブリッドチャージ。」

風濫の言葉にレヴィキスから薬莢が排出される

「風濫、本気?」

「えぇ。雪が操られていてもね。」

そう言うとレヴィキスを下げ後ろ向きに構える風濫

「風濫。……いつから気付いていたの?」

「…最初。駆けよ、黒き疾風!」

―ブローネスウインド―

電子音声が言い終わると同時にレヴィキスを振り上げる風濫

それと同時に黒き疾風の刃が雪の真横を通り抜け後方の壁に当たる

「いつまでも隠れてないで出てきたらどうですか?」

風濫の言葉に姿を表す女性

その女性を見て口を開くルタ

「…クリス。」

「ルタ。貴女人に協力する気なの?」

クリスの言葉に口を開くルタ

「えぇ。我が主神は人に絶望していない。むしろ希望を持っている。

ならばその主神に仕える私も絶望しない!」

ルタの言葉の直後クリスの気が一気に高まる

「大丈夫よ、ルタ。貴女は、私が守る。」

「一人で、守れ切れるかしら?」

クリスの言葉に苦い表情をする風濫

その直後銀槍が中庭に突き刺さる

「安心して。貴女は一人じゃない。」

その言葉と共に姿を現したのは…

「青葉。それに紫亜。」

「お待たせ。」

それを見て口を開くクリス

「何人来ても一緒。雪。いえ、フェンリル。やってしまいなさい。」

クリスの言葉に頷くと辺りの気温が急激に低下する

「レヴィキス、マジックブリッドチャージ!」

風濫の言葉に薬莢を排するレヴィキス

「吹き荒べ。」

「来る!!!

「ブリザーストーム。」

雪がそう言うと風濫達をブリザードが襲う

(間に合わない!)

風濫が心の中でそう思った直後

「フレイムウォール!!!

女性の声と同時に炎の壁がブリザードを遮る

「炎の壁。ランサー?違う。貴女は…。」

風濫がそこまで言うと目の前に現れた女性が口を開く

「久しぶりね、風濫。彼女、洗脳されてるけど、解けば良いの?」

「…はい。」

風濫の返答を聞くと口を開く女性

「OK。炎槍ヴォルケスを継ぎし者秋華が彼女を、氷那雪を助けるわ!」

そう言うとヴォルケスの力でブリザードを解き放つ秋華

ブリザードが晴れ、視界が回復した時、炎装を纏った秋華の姿が、そこには有った

「さぁ、来なさい!」

 

続く

 

次回予告

 

SKAに現れた聖神クリス

それに炎槍を継ぐ者フェルミナ

戦いは、熾烈を極める

次回ACT5「二振りの炎槍

 

 

 

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