Angel’s Knight 第4章
ACT2「Silver Saver」

 

 

羽咲ヶ丘公園

 

公園内の一番高い丘の木の下

そこに、銀十字を握りしめた青葉の姿が有った

 

右手を前に出し、その右手首から銀十字が垂れ下がる

「…応えて、銀十字。」

そう言うと目を閉じる

 

―――我は告げる。この地に留まりし英霊に

―――我は告げる。汝銀の剣を振るいし者

―――我は告げる。我が声に応えん事を

 

我が声に応えれば今姿を表さん

 

そこ迄言い切ると木が発光する

光が止むとそこには銀の剣を持ち、銀の鎧を纏った女性が居た

ふと目を明け、青葉を見ると口を開く女性

「我が名はセイバーのサーヴァント。召喚に応じ参上した。」

 

―問おう、汝が我のマスターか?―

 

女性、セイバーのサーヴァントがそこ迄言うと口を開く青葉

「えぇ。私は睦月青葉。現在の銀十字の所持者よ。」

そう言うと銀十字を見せる青葉

それを見ると納得した表情をし、口を開くセイバー

「さて、わざわざ銀十字と土地の魔力迄使って私を呼び出した理由は何?」

「銀十字について、詳しく教えて下さい。」

 

銀装のセイバーから銀十字について聞いた青葉

「…成る程。人の作りし神具と呼ばれるだけありますね。」

「えぇ。それ故に使用者を選ぶわ。…さてマスター、来ましたよ。」

セイバーの言葉の後姿を見せたのはシルメリアと複数の神兵だった

「銀装の彼女、勇者の魂(エインフェリア)ね。私に従いなさい。」

「従わなければ?」

セイバーの返答に構える神兵達

それを見て口を開くセイバー

「マスター、どう致しますか?」

セイバーの言葉に一息付くと口を開く青葉

「彼女と話がしたいけど、回りが邪魔ね。頼める?」

「御意。」

青葉の言葉に答えると一瞬で神兵を蹴散らすセイバー

「如何ですか?マスター。」

「ありがとう。さて、シルメリアって言ったわね?貴女達の目的は何かしら?」

戦乙女シルメリアへと問い掛ける青葉

「聖神の告げに従い、人を滅ぼす。つまりラグナロクよ。」

シルメリアの言葉に口を開く青葉

「用は神様の都合で人を、いえ人の住む世界を滅ぼすって事でしょ?」

青葉の言葉に黙り込むシルメリア

「図星か。シルメリア、明後日の昼に来なさい。人の力を見せてあげるわ。」

「そう言われて引き下がると思うのですか?」

「思わないね。」

ふと青葉とは別方向から声が聞こえる

シルメリアを囲むようにシルヴィー・ライダー・イシュタルに紫亜、

それとアルトリアの姿が有った

「風濫。」

「シルメリア、今ここでやるの?そちらも軽傷じゃ済まされないわよ。」

風濫の言葉にそこから消え去るシルメリア

「懸命な判断ね。…青葉、事情はSKAに帰ってからね。」

風濫の言葉に頷く青葉

 

SKA講堂

 

講堂内にはSKAの生徒が全て集まっていた

 

舞台袖

 

そこに風濫・雪・青葉にライダー・紫亜に二人のセイバーが居た

 

そんな中で最初に口を開く雪

「風濫、これからどうするの?」

「出来るのならこちらに残ってる戦力を万全にしたいわ。」

そう言うと紫亜を見る風濫

「紫亜、貴女イカヅチは使えないの?」

「無理、ですね。英霊になった時点で投影魔術しか残らなかったようです。」

紫亜の言葉に考え込む風濫

ふと銀のセイバーが外を見る

「セイバー、どうしたの?」

それに気付き口を開く青葉

「お客さんです。それも大勢で。…どうしますか?マスター。」

青葉に問いかける銀のセイバー

「アーチャー、セイバー、行くよ!」

そう言うと外へと駆け出す青葉・アーチャー・銀のセイバー

それを見て口を開く風濫

「セイバーと雪は講堂を。ライダー、校内を見回るわよ!」

風濫の言葉に頷くライダー

それを確認すると講堂から出て行く風濫とライダー

 

校門

 

そこには大量の神兵とアーリィの姿が有った

「さぁ、行け。」

アーリィの言葉に前進を開始する神兵達

そんな神兵達を真横から銀の閃光が飲み込む

「何者だ?」

アーリィが問いかける

「銀装妖精レイピア。」

「銀装のセイバー。」

「雷撃のアーチャー。」

そう言って姿を現す青葉達

「ここから先は行かせませんよ、黒装の戦乙女。」

そう言って槍を構える青葉

剣を構えるセイバー

黒と白の双剣を構えるアーチャー

 

ほぼ同時刻

 

講堂内

 

待機状態のハーティングフォレストを眺める楓

「楓、どうしたの?」

ふと声を掛ける八重

「八重。講堂に来てからハーティングフォレストが紅く光ってるの。」

「間宮先生達には、言ったの?」

八重の問い掛けに首を横に振る楓

「ランサーはなんて?」

「解らないって。」

楓の答えに悩む八重

「水代楓、見せて貰っても良いかしら?」

ふと声が聞こえる

声が聞こえ顔を上げる楓と八重

そこに居たのは…

「イシュタルさん。」

「楓、見せてみて。解ると、思うから。」

イシュタルの言葉に待機状態のハーティングフォレストを手渡す楓

手渡されたハーティングフォレストをじっくりと見て、口を開くイシュタル

「やっぱり。これは真紅の神装具、神殺しの武装具よ。」

イシュタルの言葉に驚く楓と八重

「秋華の話じゃ露店に有ったみたいだから、きっと相応しい持ち主を探していたの

ね。」

そう言うと楓にハーティングフォレストを返すイシュタル

「コードヴァルキリー、ウェイクアップ。それで起動する筈よ。」

そう言うと楓達から去って行くイシュタル

去ったのを確認してハーティングフォレストを見つめる楓

その目は、何かを決意していた

 

続く

 

次回予告

神殺しとされる真紅の神装具

ハーティングフォレストと言う名で継がれていた

そして今、放たれる

ハーティングフォレストの、本当の力が…

次回ACT3「真紅の戦女神」

 

 

 

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