Angel’s Knight 第3章
ACT3「第二次羽咲攻防戦〜戦乱の羽咲〜」

 

 

羽咲海浜公園

 

ハーティングフォレストを展開し、10M程の空中で海上を見据える楓

ふと通信機に向けて口を開く楓

「ルイさん、海上に艦隊を目視で確認。距離2000って所ですかね?どうします

か?」

楓の言葉の後通信機から聞こえてくるルイの声

―魔術障壁を張って待機。あくまで向こうからの攻撃に迎撃するのよ。―

「了解です。」

そう言うと魔術障壁を展開する楓

「ルイさん!砲弾が来ます!」

楓がそう叫んだ直後

障壁に何かが着弾する

 

地上

 

「ルイ!」

たまらず叫ぶ雫

「雫は雪と一緒に上空から奇襲。後は入れ替えしつつ迎撃よ!楓、そっちもお願い

ね。」

―了解―

ルイの言葉の後雫の能力を生かし上空高く舞い上がる雫と雪

 

上空

 

「行くよ。」

雫の言葉に「はい。」と答える雪

それと同時に米海上艦に向けて降下を始める雫と雪

「風装!」

「フェンリル!」

それぞれ武装具を纏うと同時に船に降り立つ

「さぁ、パーティーの始めりよ。」

 

エルミナド教会付近

 

木が生い茂る斜面に点在する唯・フィーナ・セイバー

通信機を付け連絡を取り合う3人

「セイバー、フィーナ。どう?」

―まだ特に何も―

―同じです、マスター―

2人からまだ何も無いとの答えが帰って来る

「そう。フィーナ、上空見て。降下部隊が来るわよ。」

唯からの言葉に上空を確認するフィーナ

―来ましたね。どう行きます?―

「切り込み役はセイバー。フィーナは援護に回って。私は臨機応変に対応するわ。」

―了解!―

唯の言葉に2人から返事が帰って来る

 

木が生い茂る斜面を疾走するセイバーとフィーナ

「セイバー、前方に居るよ。」

「解りました。援護を頼みます。」

そう言うと降下部隊へと飛び込んでいくセイバー

それを後ろから確認するフィーナ

部隊の中へ飛び込み、降下部隊の武器のみを切り刻んでいくセイバー

 

海浜公園

 

「ルイさん、小型ボートが多数来ます!」

―上陸部隊ね。こっちで何とかするわ。―

「了解。行くよ、ハーティングフォレスト!」

RIGHTING BUSTER―

電子音声の後、魔力を射出する楓

 

楓との通信を終えると神剣E―フェルディアを構えるルイ

「魔力装填。」

その言葉に刀身に光が帯びる

「…(最短が700、最長が1000。もう少し。………ここ!)

心の中でそう言うと思いっきり振り構える

「行け!」

そう言うって剣を振ると魔力の衝撃破が海上を走る

そのまま上陸部隊の船を沈める

思わず見とれる生徒達

「負傷者は?」

ルイの言葉に我に帰る生徒達

「い、今の所誰も。」

「そう。なら今の内に回復を。直ぐ来るわよ。」

「はい!」

ルイの言葉に回復に入る生徒達

 

羽咲市北西部

 

背を預けあう風濫とライダー

「マスター。」

「解ってる。くっ。弓削・更科、皆を率いてSKA迄撤退しな!」

通信機に向けて叫ぶ風濫

その言葉に対し弓削の声が帰って来る

―撤退って、間宮先生達はどうするんですか?―

「大丈夫、必ず生きて帰るから。通信切るよ。」

そう言うと通信機を外し足元に落とすと踏み潰す風濫

「ライダー、付き合ってくれる?」

「マスターとなら何処までも。」

 

北西部部隊ベース

 

通信を受けた弓削が悲しみを押し殺しくちを開く

「間宮先生から伝令。総員撤退。SKA迄後退しろとの事。」

弓削の声にざわつく一同

「落ち着いて!!!今は間宮先生の言う事に従いましょう。」

更科の言葉に納得する一同

撤退を始めた矢先

「弓削、どうしよう。見つかった。」

更科の言葉に指摘された方向を見る弓削

そこに居たのは…

「…あれ、スワット。…更科、後、お願い。」

「弓削、まさか?」

更科の言葉に頷く弓削

その直後部隊の中心から吹っ飛ぶスワット

その光景に驚く弓削と更科

その直後声が聞こえる

「シル姉に呼ばれて来てみたけど…、大変みたいだね。」

言い終わると姿を現す少女

「貴女は?」

弓削が口を開く

「私?ルナ。月夜瑠那。シル姉に言われてお手伝いに来たの。」

そう言うとスワットの方を見るルナ

「全く。ナイト・オブ・ムーン、アーマードモード起動。」

Aramer SET UP

電子音声と共に神装具を模した鎧に身を包むルナ

そのまま剣を後ろ向きに構えると口を開く

「行け!月衝天牙(げっしょうてんが)!!!

そう言うと同時に剣を振るうと衝撃破がスワットを飲み込み

「これで大丈夫。貴女達はシル姉の言う通りにして。」

そう言うと風濫の方へ去っていくルナ

「…嵐みたいな人。…撤退するわよ!」

 

エルミナド教会

 

礼拝堂

 

両腕を組み合わせる紫亜

「如月さん、どうしたの?」

ふと同級生に声を掛けられる

「えっ?…大丈夫、何でも、無い。」

 

エルミナド東部の斜面

 

―フィーナ、10時から2時の間に掛けて来てるわ。注意して!―

「了解です。」

唯からの通信を受けて一旦リロードするフィーナ

その直後生い茂る木を利用し、ナイフを持って飛び出して来る米軍兵

「しまった!」

「フィーナさん!!!

目視し、たまらず叫ぶセイバー

フィーナの心臓にナイフが刺さる瞬間

米兵は吹き飛ばされ、木に叩き付けれていた

刺されていない事に気付き恐る恐る眼を開けるフィーナ

眼を開け、目の前に居たのは…

「私はランサーのサーヴァント。召喚に従いマスターの元に馳せた。マスター、命

を。」

その言葉に口を開くフィーナ

「母様、いえランサー。やっちゃって。」

「御意。」

そう言うと米軍兵の中へ突っ込んで行くランサー

「フィーナ!」

そう言いながらフィーナに駆け寄る唯

「唯姉。今のは一体。」

「聖杯は消えたのに、何故サーヴァントが?しかもあれは、イシュ。」

悩む唯

「羽咲と言う土地が聖杯となって現れたサーヴァント。それが彼女。」

ふと突然声が聞こえる

「アーチャー。それって、貴女みたいな?」

フィーナの問いに頷く紫亜

「2年前の私やセフィ姉。それにラムダにセイナが良い例よ。」

「ちょっと待ってよ!2年前は聖杯が有ったから召喚出来たけど、今回は聖杯が無い

のよ!なのに何で?」

少し混乱する唯

「唯姉、サーヴァントの召喚に必要なのは聖杯。その聖杯は無い。

けど、先程も言った通り羽咲市は市内全体が聖杯としての役割を持っている。ここま

で言えば解るでしょう?」

紫亜の言葉に頷く唯

「更に言うなら今までSKが関わってきた土地全てが特殊な場所。まぁ、長野の一軒

は除きますけど。」

「…紫聖と夢乃宮もそうだって言いたいの?紫亜。」

唯の言葉に頷く紫亜

「まぁ、羽咲が一番特殊な場所みたいね。…海山から増援も来てるみたいだし。」

紫亜の言葉に疑問に思う一同

「さて、私は礼拝堂へ戻ります。」

「アーチャー、会わなくて良いの?」

戻ろうとして、フィーナに問いかけられる紫亜

「…時期が来れば、会いますよ。」

そう言うとその場から去っていく紫亜

それと同時に戻って来るランサー

「イシュ。」

唯からの声に気付き唯を見るランサー

「…長野以来になるわね、姉さん。」

「…そうね。あれから2年ちょっとよ。」

「そう。そんなに経つんだ。」

唯の言葉に呟くランサー

「母様。」

フィーナに気付くイシュ

「フィーナ。姉さんの事、恨んでないのね。」

「…はい。」

フィーナの返答を聞きフィーナの頭に手を載せるイシュタル

「それなら、良いわ。姉さん、私は何をすれば良いの?」

「イシュ、貴女のマスターは私では無く、娘のフィーナよ。」

唯の言葉にフィーナを見るイシュ

その行動に左手の甲をイシュに見せるフィーナ

そこには令呪が現れていた

「成る程。フィーナ、安心して。以前の通りに接するから。その方が気楽でしょ?」

イシュの言葉に素直に頷くフィーナ

「とりあえずこっちは全て片付いたけど、どうする?」

「フィーナはエルミナドに。セイバーは私と一緒にお空のお掃除。」

そう言うと神装器を纏う唯

唯の言葉に頷く一同

「それじゃ、行こうか。」

そう言うとセイバーを掴み空へと登る唯

それを見送ると口を開くフィーナ

「行きましょうか?」

 

羽咲北西部

 

壁を背にし、もたれかかり、血を流している風濫

(やばいわね、私。雪・青葉・ライダー、ゴメンね。)

そう言いきった直後

「ムーンスクレイバー!!!

少女の声と同時に米兵を飲み込む三日月

その様子に撤退していく米兵

「誰?」

疑問の声を出す風濫

「お久し振りです、シル姉。」

少女の声に、とある名前を口にする風濫

「…海山の一件以来ね。久し振り、月夜瑠那。」

「はい。所で、立てますか?」

ルナの言葉に壁に手をつきながら立ち上がる風濫

「マスター!」

そこに駆けつけるライダー

ルナを見て身構えるライダー

「ライダー、安心して。顔見知りだから。…とりあえず、SKA迄、良い?」

そう言うと倒れ込む風濫

「シル姉!」

「マスター!」

 

海浜公園

 

公園沖で煙を上げる艦隊

しばらくすると戻って来るルイと雪

「沈黙させて来たから、SKAに戻るわよ。」

ルイの言葉にSKAに帰還する海浜公園部隊

 

続く

 

次回予告

攻防戦に競り勝ったSKとSKA

SkとSKAは反撃に出る

次回ACT4「守るべき地と民の為に」

 

 

 

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