Angel’s Knight 第2章
ACT1「新たな敵」

 

 

第2次羽咲聖杯戦争終結から1ヶ月

 

羽咲市内

 

羽咲中央公園

 

そこには楓と八重、それにランサーの姿が有った

 

「ねぇ楓。これどうかな?」

露天に並ぶ洋服を手に取る八重

「結構似合うんじゃないの?八重結構可愛いから。」

「またまた〜。」

楓の言葉に謙遜する八重

ふと、楓の視線に一つのネックレスが入る

そのネックレスを手に取る楓

「…不思議な宝石。」

「マスター、若干ながら魔力を感じます。」

後方から口を挟むランサー

「魔力を?」

そう言いながらランサーに問う楓

その言葉に対し頷くランサー

それを見ていた店主が口を開く

「嬢ちゃん。嬢ちゃんからは不思議な感じがする。持っていきな。」

「あっ、すみません。ありがとうございます。」

お礼を言うとネックレスを見据える楓

「…何だろう?何か文字が彫って有る。…ハーティング、フォレスト?」

そう言いながら疑問に思う楓

「マスター。アカデミーに戻りましたら風濫に聞いてみればどうでしょう?何か知っ

ているでしょう。」

「ランサー。解った。ありがとう。」

そう言うとアカデミーへと戻って行く楓・八重・ランサー

それを遠くから見つめる女性の姿に気付きもせず…

 

SKA教員室

 

アカデミーに戻ってきて風濫に買ってきた宝石を見せる楓

宝石を見終わると、口を開く楓

「間宮先生、この宝石は一体何なんですか?」

楓の疑問に対し口を開く風濫

「驚きね。私のルーティアと同じオールラウンド型のデバイスよ。

封印は解いといたから、いつでも使用出来るわよ。」

「…これは貴女のよ。水代楓。」

そう言うと宝玉を手渡す風濫

宝玉を受け取ると教員室から去っていく楓

それを見送ると一人呟く風濫

「何か来ているわね。」

 

SKA学生寮談話室

 

談話室で一人宝石、ハーティングフォレストを見つめる楓

「…間宮先生と同じオールラウンドデバイス。どうすれば良いの?」

そう呟く楓

「楓?」

ふと女性の声が聞こえる

声の聞こえた方向を見る楓

そこに居たのは…

「如月さん。何か、用?」

「うん。何か悩んでるみたいだったから。何か相談に乗れる事が有ったら、相談に乗

るわよ。」

紫亜の言葉に少し間を空けて口を開く楓

「大丈夫。何でもない。だから、心配しないで。ねっ。」

明らかに無理しているのがわかる紫亜

「…解ったわ。けど、助けが欲しかったら言って。私や、八重。それに灰音は同じ仲

間なのだから。」

「…ありがとう、如月さん。」

そう言うと談話室から去っていく楓

 

羽咲市警

 

受付に2人の女性が姿を現す

一人は長髪でポニーテール

それに刀と二つ持っていた

もう一人は短髪で刀と一つ持っていた

長髪の女性が受付の女性に声を掛ける

「済みません、SK及び水月唯の関係者はおりますでしょうか?」

「SK…ですか。少々お待ち下さい。」

そう言うと何処かへ電話をかける受付の女性

しばらく話をすると電話を置き、口を開く受付の女性

「しばらくそちらの椅子でお待ち下さい。署長が参りますので。」

受付の女性に言われ返答をすると側に有った椅子に座る二人の女性

椅子に座りしばらく待つと署長の女性がやって来た

「お待たせしまし……。」

言いながら二人の女性を見ると、途中で言葉が止まる署長の女性

「…貴女達も帰って来たのね。羽咲市警現署長の神月雫です。」

2人の女性にそう名乗る雫

 

 

羽咲中央駅前のとあるビルの屋上

 

そこには楓とランサー、それに風濫とライダーの姿が有った

その中で最初に口を開く楓

「済みません、間宮先生。付きあわせてもらって。」

「良いのよ。試してみたいんでしょう?ハーティングフォレストを。」

風濫の言葉に頷く楓

それを見て口を開く風濫

「それじゃ、行くわよ。ルーティア!」

RadySet Up―

ルーティアの言葉と共に魔術法衣を纏う風濫

「さぁ、楓の番よ。」

風濫の言葉にカスタマイズした待機状態のハーティングフォレストに問いかける楓

「行くよ、ハーティングフォレスト。」

Wake Up RadySet Up―

ハーティングフォレストの声と共に魔術法衣を纏う楓

その手には杖状のハーティングフォレストが握られていた

「…凄い。ハーティングフォレスト。私の名前は水代楓。よろしくね。」

YESMASTER―

ハーティングフォレストがそう答えた直後、口を開くライダー

「マスター、何かが来ます。」

ライダーがそう言った直後

「見つけた。」

その言葉と共に目の前に姿を現す女の子

その姿を見て咄嗟に飛び出し女の子を掴むとそのまま落下して行くライダー

「楓!ランサー!今の内に広い所へ!ルーティア、飛ぶよ!」

Wing Mode―

その言葉に杖の各所から光の翼が展開する

「マスター、失礼します。」

一方楓はその言葉のあとランサーに抱かれ、その場から飛び立った

 

羽咲市上空

 

ビルから飛び立ち、後ろから楓とランサーが来ているのを確認すると口を開く風濫

「アーリィ。アカデミーへ飛んで柊聖を呼んできて。中央公園に居るから。」

「はい、マスター。」

そう言うと風濫から離れるアーリィ

それを見送るとそのまま中央公園に降り立つ風濫

楓とランサーも続いて降りて来た

降り立つと口を開く楓

「間宮先生。彼女は一体何なんですか?いきなり現れて。」

「楓。それに関してはこっちが知りたい程よ。」

楓の問いに対して答えを返す風濫

「けど、そう言うのは本人に聞きましょうか?」

風濫の言葉と共に姿を現す少女

その姿を確認して口を開く風濫

「さて、貴女は何者?私達に何の用かしら?」

風濫の問いに口を開く少女

「私はセレナ。お姉ちゃんに貴女を連れて来るよう言われたの。間宮風濫さん。」

セレナの言葉に疑問に思う風濫

「お姉ちゃん、ね〜。誰なのかしら?教えてくれる?」

険しい表情は崩さずに、優しく語り掛ける風濫

風濫の問いに笑顔を浮かべると口を開くセレナ

「え〜、知ってる筈だよ〜。だって私のお姉ちゃんはセシリアって言うんだから。」

”セシリア”

その言葉に動揺を見せる風濫

「あはは、驚いてる。貴女の事だって教えて貰ったんだよ。漆黒の騎士シルヴィー。

たまらずルーティアをセレナに向ける風濫

「セレナ。貴女は私達の事を何処まで知っているの?」

「何処まで?お姉ちゃんに教えて貰った所は全てだよ。」

セレナの言葉に戸惑い、考え込む風濫

考えが纏まると口を開く

「セレナ、って言ったわね?」

「うん、そうだよ。」

「セシリアに伝えて。誘いたいのなら自分で来なさいと。」

強気に出る風濫

「解った。お姉ちゃんにそう伝えておくね。行こう、エクスレンス。」

Warp―

エクスレンスの声と共にそこから消えるセレナ

セレナが消えた直後、口を開く楓

「間宮先生。」

「…楓、この事は誰にも喋らないで。ランサー、貴女も。」

風濫の言葉に頷く楓とランサー

 

SKA教員寮

 

談話室

 

窓際の椅子に座り夜空を見上げる風濫

(セシリア。長野に居た時一度だけ会った人物。そう、シルヴィーとして。

その彼女が再び私を、シルヴィーを必要としている。…私は、どうすれば良いの?

)

ふと談話室に人が入って来る

それに気付き口を開く風濫

「どなた?」

「セイバーです。風濫。」

そう告げると風濫の横に来る

「座らないの?」

「直ぐ行きますので。」

「そう。」

そう言うと再び夜空を見上げる風濫

それを確認してか口を開くセイバー

「何か、悩み事でもしているのですか?」

「…解るの?」

「はい。」

風濫の言葉にそう答えるセイバー

「風濫。後先になって後悔するのは非常に悔しいです。

ですが、同じ後悔ならしない後悔よりする後悔の方がマシです。私自身、それを良く

解ってますから。」

セイバーの言葉を聞き立ち上がると口を開く風濫

「説得力が有るわね、セイバー。」

「楽な事では有りませんでしたから。王と言うのは。」

セイバーのその言葉を聞くと談話室を出て行く風濫

 

羽咲中央公園

 

中央広場

 

そこには漆黒の鎧を纏った風濫が居た

ふと何かに気付き口を開く風濫

「来ましたね、セシリア。」

「久し振りね、シルヴィー。」

セシリアの言葉に振り向く風濫

「セシリア、何故生きているの?長野で死んだ筈なのに…。」

「別に。何でも無いわ。そうね、強いて言うのなら生まれ変わり、って所かしら?」

セシリアの言葉に軽く笑う風濫

「成る程。私は漆黒の薔薇騎士シルヴィー。汝セシリア様にお仕えする者。」

 

続く

 

翌朝になり、風濫が帰って来ていない事に疑問を持つ雪と青葉

そんな中、SKAにとある人物が訪れる

その人物とは?

次回ACT2「守護する者」

 

 

 

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