Angel’s Knight
ACT9「黒き力の師弟」

 

 

空洞内

 

大聖杯を前に魔術法衣を纏い剣を振るう風濫と、

漆黒の鎧を纏い剣を振るうフィーリア

黒き力を持ちし師弟がぶつかり合う

 

鍔迫り合いから間を開くと口を開くフィーリア

「どうしたの風濫。本気で来なければ私は倒せないわよ。」

フィーリアの言葉に構えを解き、天井を見上げると口開く風濫

「それも、そうですね。ルーティア、バスターモード。」

―OK。Buster・Mode―

ルーティアがそう発言すると剣から杖へと戻るルーティア

若干形状が違っているが…

「フィーリアさん。全力で放ちます。……防ぎきれば、貴女の勝ちです。」

そう言うとルーティアを両手で持つ風濫

それを見て口を開くフィーリア

「それなら、私も最高の技でもって、迎えてあげるわ。」

「…感謝します。ルーティア、魔力装填。」

―Magic Loading―

その言葉と共にルーティアの先端に莫大な魔力が溜まっていく

それと同時にフィーリアの剣にも巨大な気が溜まる

 

手前空洞の入り口近くでそれを感じ取る青葉とライダー

双方の気を感じ口を開く青葉

「何?この巨大な魔力と気は?」

そんな青葉の横で口を開くライダー

「マスター!」

そう言うと駆け出そうとするが、青葉に制される

「ライダー、駄目!風濫は、自身で決着をつける気よ。貴女が、立ち入れる場では、

無いわ。」

「青葉、しかし!」

ライダーがそう言うと入り口の方から声が聞こえる

「止めときなさい。彼女は、フィーリアはケジメをつけるつもりなのよ。風濫が幼き

頃のね。」

そう言って姿を現したのは、アーチャー。英霊フィーナだった

「アーチャー。……そうか。知っててもおかしくないですもんね、中学生の頃の風濫

を。」

そう言うと風濫の方へ視線を移す青葉

それと同時に空洞内へ入って来るセイバー

それに気付くライダー

「セイバー。」

「ライダー。一体これは何が起きているのですか?」

疑問に思うセイバーに対し口を開く青葉

「風濫とフィーリアさんよ。見ていなさい、共に最高同士のぶつかりあいよ。」

青葉の言葉に視線を移すセイバー・ライダー・アーチャー

 

風濫はルーティアの先端に魔力を

フィーリアは剣に気を極限迄溜めたまま、向き合っていた

その中でふと口を開く風濫

「フィーリアさん。」

その一言に返答をするフィーリア

「何?風濫。」

その返答を聞き、再度口を開く風濫

「何故、何故あの時、私の所に来たんですか?あれは、偶然だったのですか?それと

も必然だったのですか?」

風濫の言葉に一瞬疑問に思うが、直ぐに風濫が中学2年の頃の時と思い出すフィーリ

「あぁ、あれね。あれは必然で有り、偶然よ。ただ、ルーティアに惹かれただけよ。

そしたら、そこに貴女が居たのよ、風濫。」

フィーリアの言葉に笑みをこぼす風濫

「…そう、でしたか。それならルーティアには感謝しなくてはいけませんね。」

「そうね。けどそれは、終わってからにしましょう。」

「…はい。」

風濫の言葉に再度沈黙が訪れる

どのくらいだろうか?

沈黙の時が流れたあと、風濫が口を開いた

「ルーティア、アーク・バスター。」

―Ark Buster―

その言葉と共に先端の魔力が凝縮されると口を開く風濫

「……行きます。」

その言葉と共にルーティアから巨大な魔力が放たれる

「砕く!九頭龍牙!!!」

そう言うと同時に剣を突き出すと同時に9頭の龍がルーティアから放たれた巨大な魔

力にぶち当たる

風濫の魔力とフィーリアの気がぶつかりあい、風が起きる

それを見て口を開くアーチャー

「マスター、私の後ろに!」

そう言いながら前に出て手を差し出しながら口を開く

―織天覆う七つの円環―ロー・アイアス―

そう言いながら七つの羽が展開し、突風を防ぐ

一方ぶつかりあい均衡する魔力と気は巨大な塊と成り、一気に拡散する

それを見て口を開くアーチャー

「くっ、持たない!トレース・オフ。来たれ、全を弾く楯―エル・イージス―。」

そう言うと3枚迄減った羽を消し、大きな楯を投影するアーチャー

その楯は衝撃波を防ぎきった

衝撃波が消え去った後に、立ち尽くす風濫とフィーリアの姿が有った

「…流石だね、風濫。」

最初に口を開くフィーリア

それに対し風濫も口を開く

「フィーリアさんもです。」

「そうね。けど、この勝負は、風濫、貴女の勝ちよ。」

そう言うと立ち尽くしたまま天井を仰ぐフィーリア

そのままふと何かを思うと風濫を見て、左耳のピアスを外す

「風濫、私からの最後の送り物。受け取って。」

そう言うとそのピアスを投げるフィーリア

そのピアスを受け取ると口を開く風濫

「薔薇の、ピアス?」

「黒薔薇の騎士。漆黒の姫君セシリアに仕えて私の、通り名の武装具。それを、貴女

に託すわ。風濫。」

「フィーリアさん、それって…。」

風濫の言葉の後再度天井を仰ぐフィーリア

「今迄で、一番充実した人生だったな〜。…フィー、今そっちに逝くね。」

そう言うとそのまま消失するフィーリア

―風濫、強く、強く生きてね―

最後に聞こえたフィーリアの言葉に静かに頷く風濫

その直後倒れ込む風濫

それを見て駆け寄る一堂

「青葉、マスターは一体?魔力の供給が微弱なのですが?」

青葉に対し疑問をぶつけるライダー

「…大丈夫、魔力の使い過ぎで倒れただけ。しばらくすれば起きるわ。」

そう言うと立ち上がる青葉

「さて、セイバー・アーチャー。貴女達のどちらが、締めるのかしら?」

青葉の問いに返答するセイバー

「青葉、それに関しては決まっています。今回の聖杯戦争を締めるのは、アーチャー

です。私では有りません。」

セイバーの答えに納得すると口を開く青葉

「アーチャー、死なないでね。」

「はい、マスター。」

アーチャーの返答を聞くと風濫をライダーが抱え、外へと去っていく一堂

そこにはアーチャーだけが残った

青葉達を見送ると口を開くアーチャー

「紅きアーチャー、いえ、英霊エミヤ。貴方が今回の守護者ですか。」

英霊フィーナの言葉と共にその場に姿を現す英霊エミヤ

「あぁ、何故かな。…では、始めようか?」

「えぇ。」

そう言う二人の手には黒と白の双剣が握られていた

 

続く

 

次回予告

聳え立つ大聖杯

その大聖杯の前に立つ2人のアーチャー

英霊フィーナと英霊エミヤ

終結への戦いが始まる

次回ACT10「聖杯戦争終結〜アーチャー対アーチャー〜」

 

 

いただきものに戻る

 

TOPに戻る

inserted by FC2 system