Angel’s Knight
ACT10「聖杯戦争終結〜アーチャー対アーチャー〜」

 

 

空洞内最深部

 

大聖杯の前で男女が共に白と黒の双剣を持ち、衝突しあっていた

 

間を空け距離を詰め鍔迫り合い状態に入るとエミヤが口を開く

「中々やるな。同じクラスとしてほめてやる。」

それに対し口を開く英霊フィーナ

「貴方もね。けど、貴方の本質はアーチャーでは無く、マジシャンではないのかし

ら?」

英霊フィーナの言葉の後互いに剣を弾き距離を置く

「不思議ね。何故マジシャンがアーチャーと言うクラスに居るのかが。」

英霊フィーナの疑問に口を開くエミヤ

「簡単な事だ。生前の私は弓道部に所属していた。アーチャーと言うクラスに該当し

たのはそれ故だ。」

そう言うと白と黒の双剣から弓と螺旋剣を持つエミヤ

そのまま螺旋剣を打ち出すエミヤ

それを軽く交わすと口を開く英霊フィーナ

「エミヤ。このままちまちま小出ししていたは決着が付きません。ならば一撃で決め

はしませんか?」

英霊フィーナの言葉に白と黒の双剣を投影したエミヤが口を開く

「…確かに。それも一理有るな。だがどうやって決着を付ける気だ?」

「織天覆う七つの円環。エミヤ、貴方はこの魔術を用いて、私の魔術を防ぎれば良

い。それだけよ。」

「…その物言い。余程自身が有るのだな。」

「えぇ。生涯で1桁の数程しか使用してない最強の魔術よ。」

そう言うと一気に英霊フィーナの魔力が高まる

それを感じ取り口を開くエミヤ

「面白い。トレース、オン!」

それを聞き詠唱へと入る英霊フィーナ

―――古えより伝わりし十二の神具よ。我と血による契約の元に我が前に姿を現せ

 その姿、竜となりて敵を滅ぼさん―――

織天覆う七つの円環―ロー・アイアス―

英霊フィーナの発動前にロー・アイアスを発動させるエミヤ

そして英霊フィーナの前には五芒星が現れる

「…行くよ。」

そう言うと左手を開いて突き出し、右手は握りこぶしを作り後ろに引く

そのまま右手を突き出すと同時に口を開く英霊フィーナ

雷神の鉄槌―トール・ハンマー―

そう叫ぶと同時に竜がエミヤを襲う

英霊フィーナの竜とエミヤと七枚の羽が衝突しあう

衝突しあうと同時に七枚のうち3枚が消失する

「…ほぅ、中々の威力だな。だが、何処まで来れる!」

「…私のトールハンマーをなめないで欲しい!!!

エミヤの言葉に叫ぶ英霊フィーナ

その直後更に2枚が消失する

それを見て渋い表情をするエミヤ

「そのまま突き破れ―――!!!

英霊フィーナの叫びと共に残り2枚の羽も消失し、エミヤを飲み込んだ

エミヤを飲み込むとその場から消える竜

それを見て口を開く英霊フィーナ

「エミヤ!」

たまらずその名を叫ぶ英霊フィーナ

それに気付き口を開くエミヤ

「…お前の勝ちだ。行け。」

エミヤの言葉に大聖杯へと向かって走る英霊フィーナ

「…見事だ。」

そう言うと静かにその場から消失するエミヤ

 

一方大聖杯の前迄やってきた英霊フィーナ

そのまま大聖杯を見上げると静かに口を開く英霊フィーナ

 

―投影開始―トレース・オン

 

そう言うと右手に剣が現れる

その剣はセイバーの剣そのものだった

それを握ると剣先を後ろに向け構える

構えると同時に剣から光と風が発生する

それと同時に少しよろける英霊フィーナ

(くっ、全力で放つだけの魔力が足りない。)

そう思った直後目の前に銀十字が現れ、英霊フィーナの魔力が回復する

「マスター?いえ、これは銀十字の意思。…感謝しなければいけませんね。」

そう呟くと同時に一層激しさを増す光と風

「…これで、全てが終わる。」

そう、一言呟くと、大聖杯を見据える英霊フィーナ

 

―約束された―エクス

 

その言葉に最高潮まで高まる光と風

 

―勝利の剣―カリバー

 

その言葉と共に剣を振り下ろす

それと同時に光が大聖杯を飲み込む

 

光が消え、英霊フィーナの手元から剣と銀十字が消える

それと同時に崩壊を起こし、崩れ去る大聖杯

「…終わった。全てが。」

そう言うとその場に倒れ込む英霊フィーナ

そのまま天井を見上げながら口を開く

「…マスター青葉。いえ、私の次に銀十字を受け継いだ者。もう、戻れそうにありま

せん。」

そう呟くとふと女性の声が聞こえる

「らしくないですね、アーチャー。貴女がそんな弱音を言うなどとは。」

ふと声を聞こえた方向を見るアーチャー

そこに居たのは…

「ライダー。それにセイバー迄。どうしたここに?」

疑問に思うアーチャー

「あれこれ言ってる暇は有りません。今は脱出するのが最優先です。セイバー。」

そう言うとセイバーを見るライダー

それに対し頷くと天井を目掛け剣を構えるセイバー

その剣からは光と風が発生していた

それと同時にライダーも眼帯を外していた

「…今更宝具を使用してどうなるのよ。」

「黙って見ていなさい。セイバー、良いですよ。」

ライダーの言葉に口を開くセイバー

その言葉は…

―約束された勝利の剣―エクスカリバー

その言葉と共に光が天井を貫く

光が止み空が見えた瞬間

―騎英の手綱―ベルレフォーン

アーチャーとセイバーを掴み自身の宝具で上空へと舞い上がるライダー

 

 

外からそれを確認する風濫と青葉

光が止み、飛び出してくる何かを確認する風濫と青葉

「風濫、あれ!」

「どうやら、うまく行ったみたいね。」

青葉の言葉に、そう呟く風濫

しばらく経つと自由落下で風濫達の下に着地するセイバー・アーチャー・ライダー

着地後、青葉の姿を見て口を開くアーチャー

「…マスター。只今戻りました。」

「えぇ、お帰り。アーチャー。」

アーチャーの言葉に笑顔で答える青葉

ふと風濫達に朝日が差し掛かる

「朝か。帰りますか?私達の場所へ。」

風濫の言葉に頷く一同

 

SKA寄宿舎前

 

風濫達が帰って来るとそこには楓・八重・灰音の姿が有った

その姿を見て口を開くアーチャー

「楓・八重・灰音。存在自体が不安定で、尚且つ生前はSK。こんな私でも、仲間っ

て認めてくれる?」

アーチャー、紫亜の言葉に口を開く楓

「何言ってるのよ。私達は同じ時期にここに来た仲間よ。

例え貴女がどんな存在だろうとそれは変わらないわ。だからさ、一緒に頑張ろう、紫

亜。」

そう言うと紫亜に対し手を差し伸べる楓

それを見て口を開く青葉

「良かったわね。英霊になってからも、信じあえる仲間が出来て。」

「…はい。」

そう言うと楓の手を掴む紫亜

 

 

 

羽咲市警察署所長神月雫様へ

 

突如発生したサーヴァントの召喚

それは英霊アンリ・マユと大聖杯が原因と判明

私達はこれを持って制圧・破壊

一部サーヴァントが現界し、留まる

なおこの事件、いえ第2次羽咲聖杯戦争においてフィーリアさんが消失

戦力としては手痛いが、大事な何かを貰えました

 

尚、残ったままのサーヴァントに関してはSKAにて処置を決めさせて頂きます

何か不服が有りましたらSKA迄

 

以上で報告を終わります

 

SKA教員SK所属 間宮風濫

 

 

 

2章へ続く

 

 

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