Angel’s Knight
ACT3「大聖杯復活〜羽咲聖杯戦争再び〜」

 

 

寄宿舎職員棟屋上

 

―――私の正体。それと大聖杯復活についてですよ

紫亜のその言葉に口を開くライダー

「どう言う事ですか?如月紫亜。」

「言葉の通りよ。先ずは大聖杯の復活について話すわ。」

そう言うと空を見上げ、視線をライダーへと移すと背を向ける紫亜

 

―今回の大聖杯の復活。今回のこの現象には英霊アンリ・マユが絡んでいるわ

―アンリ・マユが?

―えぇ。そもそも2年前のあの時に大聖杯は完全に壊れていなかったとしたら、どう

する?

 

紫亜の言葉に驚くライダー

「紫亜、それはどう言う事ですか?」

「少し考えれば解る簡単な事。アンリ・マユの願いが大聖杯を修復させたとしたら?

それに何人か大聖杯復活に関わってるみたいですし。」

大聖杯復活に関して説明する紫亜に対し疑問を抱くライダー

「如月紫亜、貴女一体何者ですか?」

ライダーの言葉にライダーの方を見る紫亜

「私はただのお節介なSKAの生徒ですよ。」

その言葉の直後何かを感じるライダーと紫亜

その瞬間ありとあらゆる所から魔獣が現れる

「魔獣!召喚主は何処に?」

「ここまでやるなんて、流石ね。」

そう言うと腕を身体の前で交差させると口を開く紫亜

―――投影・開始(トレース・オン)

そう言うと手に円形の武器が現れる

―飛べ!

そう言うと腕を広げ円形の武器を飛ばす紫亜

そのまま数体の魔獣を傷つけると紫亜の元へ戻ってくる円形の武器

「チャクラムじゃ駄目みたいね。アウト。」

そう言うと紫亜の手から消えるチャクラム

(今のは投影魔術。…まさか。)」

ライダーがそう思った直後

強大な気質が辺りを支配する

「な、何?この気は?」

驚愕するライダー

そんな中冷静に口を開く紫亜

「今回は貴女がランサーですか?朱悠秋華。」

紫亜の言葉に姿を表す秋華

 

同時刻

 

寄宿舎内

 

楓の部屋

 

楓を落ち着かせる八重と灰音

ふとドアをノックする音が聞こえる

「教員の睦月です。よろしいかしら?」

その言葉にドアを開ける八重

「白里さん。水代さんはどう?風濫に言われて来たんだけど・・・。」

「先程から比べれば安定して来ています。ですがまだ怯えています。」

「そう。お邪魔、していい?」

青葉の言葉に頷く八重

「水代さん、大丈夫?」

部屋に入り楓に声を駆ける青葉

「睦月、先生。」

青葉に気付き口を開く楓

「左腕、見せて貰って良いかしら?」

「えっ?別に構いませんけど…。」

青葉の言葉に戸惑いながら左腕を青葉に見せる楓

楓の左腕を見て何かを確信する青葉

「やっぱりね。水代さん。羽咲聖杯戦争は、知っているかしら?」

「は、はい。一応は。」

楓の返答に一呼吸置き、口を開く青葉

「水代楓。貴女はマスターに選ばれたわ。そしてその令呪の形は、ランサーのサー

ヴァント。

先程感じた魔力、職員棟の屋上。」

「私が、マスター。」

聖杯戦争のマスターになった事に戸惑いを隠せない楓

「水代さん、来る?」

青葉の言葉に頷く楓

 

寄宿舎職員棟屋上

 

ランサーの呼び出した魔獣相手に奮戦するライダーと紫亜

「ほらほらどうしたの〜?まだまだ出るわよ!」

ランサーがそう言うと更に出てくる魔獣

そんな中で口を開くライダー

「ランサー。貴女のマスターはどうしたのですか?」

「マスター?私はそのマスターを探しに来た。そこでサーヴァントに出会ったから倒

すだけ!」

そう言うと灼熱色の槍を構えライダーに向かって突っ込むランサー

それに対し身構えるライダー

その直後ライダーとランサーの間を銀色の閃光が走る

「ライダー・ランサー、そこまでです。」

そう言うと銀色の鎧を纏った青葉と、楓が姿を現す

青葉と楓を見て口を開くランサー

「レイピアか。何しに来たのかしら。」

「貴女のマスターを連れて来たのよ。ランサー。」

ランサーの問いに答える青葉

それと同時にランサーに対し令呪を見せる楓

楓が見せた令呪を見て召喚した魔獣を還すランサー

「マスター、名は?」

「えっ?楓。水代楓。」

ランサーに問われ、答える楓

楓の名を聞き口を開くランサー

「私はランサーのサーヴァント。汝水代楓をマスターと認めます。」

そう言うと楓に対し膝まづき、忠誠を示すランサー

その行為に戸惑う楓

それを見て口を開く青葉

「水代。一言だけ”良い”と言いなさい。」

青葉の言葉に頷きランサーを見据えると口を開く楓

―良い―

「確認しました。我が真名は秋華。炎槍ヴォルケスを持つ者。以後よろしく。」

「こちらこそ。」

そう言うと握手を交わす楓とランサー

それを見ながら口を開く紫亜

「睦月先生。お話が、有ります。」

「…私もよ。」

 

寄宿舎談話室

 

そこには青葉と紫亜の2人だけの姿が有った

沈黙の中口を開く青葉

「さて、何から話せば良いのかしら。如月紫亜。いえ、アーチャーのサーヴァント、

英霊フィーナ。」

青葉の言葉に諦めた顔をし、口を開く紫亜

「…お久し振りです。マスター青葉。」

その言葉に顔を真面目にし、口を開く青葉

「アーチャー。貴女何故復活してるの?それと、新たなるサーヴァントの出現。全て

教えて。」

青葉の言葉に大聖杯の復活。アンリ・マユの存在。新たな聖杯戦争の勃発を話すアー

チャー

アーチャーの言葉に驚く青葉

「アーチャー。それは風濫は知っているの?」

「ライダーには話しました。ですが令呪の命以外では話さないでと言っております。

アーチャーの言葉に考える青葉

「マスター、どうしました?」

その様子にたまらず口を開くアーチャー

「えっ?いえ今何体のサーヴァントが召喚されてるか気になって。」

「フィーリアさんをアサシンと言うなら残っているのはバーサーカーのみです。」

アーチャーの言葉に考える青葉

その様子を見て再度口を開くアーチャー

「ですが、既にバーサーカーの気を感じます。マスター、気をつけて下さい。」

「アーチャー。えぇ、解ったわ。それと、普段は如月紫亜で良いわ。その方が私も気

が楽だから。」

「はい。睦月先生。」

 

楓・八重・灰音の部屋

 

部屋の中に楓・八重・灰音・玖我聖にライダーとランサーが居た

 

「未だに信じられない、私がマスターになっただなんて。」

楓が呟く

「水代さん。戸惑っては駄目。マスターならマスターらしく振舞いなさい。我がマス

ターもそう言うでしょう。」

「ライダー先生。…はい!ランサー、偵察を頼めるかしら?」

楓の言葉に頷くランサー

「それならキャスターに関する情報が欲しいわ。お願いね。それと、ちゃんと帰って

来てね。」

「はい、マスター。」

そう言うと部屋から出て行くランサー

それと同時に一人の女性が入って来る

「氷那先生。」

その女性を見て口を開く八重

「ライダー、それと楓。風濫が呼んでるわ。職員棟談話室で待ってるって。」

それだけ言うと去っていく雪

「何だろう?ちょっと行ってくるね。」

そう言うと部屋を出て行く楓とライダー

 

職員棟談話室

 

そこには風濫と柊聖の姿が有った

そこに入って来る楓とライダー

「間宮先生。何でしょう?」

「左腕、見せて。」

楓の言葉にそう答える風濫

その風濫の言葉に左腕を風濫に見せる楓

「…やっぱり。先程の魔力量と言い楓の令呪と言い。ライダー、貴女いつ知った?」

「……つい、先程です。マスター。」

「そう。」

そう言うと席を立つ風濫

「マスター、どうなされました?」

「ライダー、出るわよ。聖、楓を部屋迄送ったら私達に合流して。」

風濫の言葉に頷くライダーと聖

それを見ると窓を開け、外に飛び出す風濫とライダー

「では、戻りましょうか。」

聖の言葉に頷く楓

 

楓・八重・灰音の部屋の前

 

「それでは。」

そう言うとドアを閉める柊聖

「さてと、行きますか。」

そう言うと部屋の前から去っていく柊聖

 

羽咲中央駅前のとあるビルの駅前

 

そこには風濫とライダーの姿が有った

「…ライダー、どう?何か感じる?」

「…今の所何も。…待ってください。…この感じは、アーチャー?」

ライダーの言葉に周囲を警戒する風濫

その直後声が聞こえる

「そんなに構えないで。貴女達と戦う気は無いわ。間宮風濫。」

そう言うと風濫達の前に姿を現すアーチャー

「風濫・ライダー。海浜公園近辺にバーサーカーを確認したわ。…行く?」

アーチャーの言葉に口を開く風濫

「…当たり前よ。アーリィ!」

「はい。」

風濫の言葉に答えると風濫の左耳の漆黒のピアスに口付けするアーリィ

「行くよ!マテリアライズ!!!」

そう言うと漆黒の神装器を纏う風濫

黒神装を纏うとそこから飛び出す風濫・ライダー・アーチャー

 

同時刻

 

エルミナド教会

 

そこにはランサーの姿が有った

「さて、来たのは良いけど、どうしよう?」

一人考え込むランサー

それと同時に大量のスケルトンが現れる

それを見て口を開くランサー

「やれやれ。来い!ヴォルケス!!!」

そう言うとランサーの右手に灼熱色の槍が握られる

「なめられたものね。私も。」

そう言うとヴォルケスを地面に突き刺すランサー

それと同時に炎がスケルトンを一瞬にして灰に帰す

「キャスター、出てきなさい!」

そう言うと教会に向け槍を構えるランサー

その直後魔法陣が現れ、そこからキャスターが姿を現す

構えを解くと口を開くランサー

「現れたね、キャスター。」

「えぇ。そちらは、ランサーかしら?」

「さぁ、どうでしょう?」

そう言うと同時にキャスターに向かい突撃するランサー

ランサーの突撃に対し多数の魔術砲弾を放つキャスター

たまらずそれを避けるランサー

「甘い。」

避ける事を読んでいたキャスターの魔術砲弾がランサーを襲う

(避けられない!)」

ランサーがそう思った直後

全砲弾がランサーから逸れる

「なっ!」

その光景に驚くキャスター

「間に合ったみたいね。」

その言葉と同時に煙が晴れると、そこにはフィーリアの姿が有った

「久し振り。大丈夫だった?秋華。」

フィーリアの言葉に戸惑いを見せるランサー

「貴女、誰?」

キャスターが問う

「フィーリア。またの名を黒月カイ。」

フィーリアの口から出た名前にピンと来るランサー

「さてと、キャスター。覚悟は出来ていて?」

そう言うと剣を抜き、構えるフィーリア

「覚悟?それは貴女の方よ!」

そう言うと同時に大量の魔術砲弾を放つキャスター

咄嗟に魔術障壁を張るフィーリア

「秋華。いえ、ランサーと言うべきかしら?宝具は、有るのでしょうね?」

「えっ?えぇ一応は。」

フィーリアの問いに答えるランサー

それを聞き再度口を開くフィーリア

「ならば放てる状態にして。私が隙を作るから。」

「隙って、この状態でどう作るのよ!」

ランサーの言葉に口を開くフィーリア

「良いから。見てなさい。」

そう言うと剣先を後ろにし、構えるフィーリア

「切り裂け!漆黒の刃よ!」

そう言うと剣を思いっきり下からスイングするように振り上げるフィーリア

振り上げられて剣先からは漆黒の刃が数本現れ、

キャスターの魔術砲弾を弾きながらキャスターへと向かう

その刃をたまらず避けるキャスター

「ランサー!!!」

フィーリアのその言葉にヴォルケスを振り、キャスターへと向ける

「燃え尽きろ!ファラフレイム!!!」

その言葉と同時にキャスターを襲う炎

そのまま炎に飲まれ焼失するキャスター

ヴォルケスを戻すと口を開くランサー

「やれやれ。偵察のつもりがサーヴァント一体倒しちゃった。マスターに何て言お

う。」

「良いんじゃないの?そちらからすれば好都合でしょ?」

「…そうね。」

 

羽咲海浜公園

 

中央広場

 

そこには黒神装を纏った風濫とライダー・アーチャーの姿が有った

「居ないわね。」

最初に口を開く風濫

それに対し口を開くライダー

「何処かで待ち伏せしている。と言う可能性はどうでしょう?」

「…それは有りえるわね。ライダー・アーチャー、周りに注意して。」

風濫の言葉に頷くライダーとアーチャー

その直後少女の声が聞こえる

「こんばんは。私とバーサーカーを探して来たの?」

その言葉と共に姿を現す少女とバーサーカーのサーヴァント

「初めまして。私はセレナ。セレナード・フォン・アインツベルン。」

 

続く

 

遂に姿を現したバーサーカーとそのマスターセレナ

羽咲海浜公園を舞台に死闘が繰り広げられる

次回ACT4「アインツベルン」

 

 

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