オールライダーVSダークライダー

-Justice or Dark-

第11章

 

 

 外道シンケンレッドが放つ黒い刃に、トカッチとヒカリは追い込まれていた。

「とんでもな強さだよ、あの侍・・!」

「特に速さがある。動きを止めて決定打を与えないといけないな・・」

 焦りを見せるトカッチと、打開の糸口を探るヒカリ。

「僕の攻撃に全てが掛かってるってことかな・・!」

 トカッチが言いかけて、銃「ホームトリガー」を手にした。

「そこをオレが叩く・・相手だけにチャンスは一瞬・・!」

 ヒカリが気を引き締めなおして、斧「トンネルアックス」を構える。

「それじゃ、後は任せるよ、ヒカリ!」

 トカッチが外道シンケンレッドに向かって走り出して、ホームトリガーを発射する。外道シンケンレッドがビームをかわして、トカッチを狙って近づいていく。

「こっちに来たな!接近させないよ!」

 トカッチが距離を保ちながら、ホームトリガーの射撃で外道シンケンレッドをけん制する。外道シンケンレッドは刀「シンケンマル」を振りかざして、ビームをはじいていく。

「今だ!」

 トカッチがホームトリガーから車止め標識型のエネルギーを発射する。シンケンマルではじこうとした外道シンケンレッドだが、エネルギーの効果で動きを止められる。

「よし!ここだ!」

 そこへヒカリが飛び込んで、トンネルアックスを振り下ろす。重みのあるトンネルアックスの一撃が、外道シンケンレッドに切りつけ押しつぶす。

「起き上がる前にこのまま決めるよ!」

「分かった!」

 ヒカリの呼びかけにトカッチが答える。2人がキリマスモードのトッキュウブラスターを構える。

“切りますよー。ご注意くださーい。ご注意くださーい!”

 アナウンスを発するトッキュウブラスターを振りかざすトカッチとヒカリ。放たれた光の刃が、立ち上がった外道シンケンレッドに命中した。

 切り裂かれた外道シンケンレッドが、倒れて爆発を引き起こした。

「手ごわいヤツだったが、力を合わせて何とか勝てた・・」

 ヒカリがトカッチとともに吐息をついて肩を落とす。

「ライトだったら楽勝できたのかも・・」

「そのライトと明のところへ戻ろう。ライトがまた突っ走りすぎているかもしれない・・」

 吐息をつくヒカリにトカッチが呼びかける。

「そうだね。ミオたちとも合流しよう・・」

 ヒカリが頷いて、トカッチとともにライトたちのところへ向かった。

 

 闇の力を高めている闇のトッキュウ1号に、ライトと明は悪戦苦闘していた。

「闇の力で、ここまでパワーを上げられるなんて・・!」

「ライトのイマジネーションが強い分、影である闇の力も強いってことか・・!」

 ライトと明が闇のトッキュウ1号の力を痛感して声を上げる。

「それでもオレは負けない!闇の力よりもイマジネーションのほうが、トッキュウジャーは強さを発揮できるんだ!」

 ライトが言い放つと、剣「レールスラッシャー」を構えて闇のトッキュウ1号に向かっていく。

「そりゃ!」

 ライトが振りかざしたレールスラッシャーの刀身が伸びて、エネルギーとなって闇のトッキュウ1号を縛る。そこを狙ってライトがレールスラッシャーを振りかざす。

 だが闇のトッキュウ1号もレールスラッシャーを手にしてエネルギーを切り裂いて、ライトのレールスラッシャーにぶつけて押し返す。

「ライト!」

 明が声を上げて、ユウドウブレイカーにトッキュウレッシャー「ドリルレッシャー」をセットする。

“オーライ!オーラーイ!”

 アナウンスの発するユウドウブレイカーからドリル型のビームを発射する明。だが闇のトッキュウ1号はレールスラッシャーを振りかざして、ビームをはじき飛ばした。

「この攻撃も効かないのか・・!」

 あらゆる攻撃を跳ね返す闇のトッキュウ1号に、明が危機感をふくらませる。

「だったらハイパーになって立ち向かえばいい!」

 ライトがトッキュウチェンジャーに金のトッキュウレッシャー「ハイパーレッシャー」をセットする。

“ハイパートッキュウ1号。”

 すると金の機関車型のアーマーが彼に装着される。強化形態「ハイパートッキュウジャー」である。

「みんなのイマジネーションを集めて、お前を倒して闇を払う!」

 ライトが言い放って、闇のトッキュウ1号に向かっていく。

 闇のトッキュウ1号がレールスラッシャーを振りかざすが、ライトが発揮する光の力にはじき返されていく。

 ライトが両手を握りしめて、闇のトッキュウ1号に連続でパンチを叩き込んでいく。闇のトッキュウ1号が押されて、大きく突き飛ばされる。

 闇のトッキュウ1号が闇の力を宿したレールスラッシャーを振りかざす。ライトが右のパンチを出して、放たれた黒い光の刃を打ち砕いた。

「闇の力よりもイマジネーションで戦うのが、トッキュウジャーのホントの強さなんだ!」

 自分たちの強い意思を示すライト。

「ライト!」

 そこへトカッチ、ミオ、ヒカリ、カグラが戻ってきた。

「ライトがまだやっているとは・・・!」

「それだけ強力な相手なんだね・・!」

 ヒカリとトカッチが闇のトッキュウ1号を見て声を上げる。

「でも形勢逆転したよ!これで決める!」

 ライトが答えて、銃砲「ダイカイテンキャノン」を手にして構える。彼とトカッチたちはダイカイテンキャノンにそれぞれの変身用のトッキュウレッシャーをセットする。

“ハイパーレッシャー、本日の最終レッシャーになりまーす。1連結、2連結、3連結、4連結、5連結、6連結。”

 アナウンスが流れる中、ライトがダイカイテンキャノンのレバーを操作して、1周分回転させる。

「ハイパー6連結クラッシュ!」

“6連結ショット、発射!”

 トカッチたちとともに構えて、ライトがダイカイテンキャノンからエネルギー弾を発射する。闇のトッキュウ1号がレールスラッシャーを振りかざして、エネルギー弾をはじこうとする。

 しかし逆にレールスラッシャーがはじき飛ばされて、闇のトッキュウ1号がエネルギー弾の直撃を受ける。強力な光があふれ出して、闇のトッキュウ1号から闇が霧のようにあふれ出てくる。

 闇のトッキュウ1号が倒れて、完全に消滅した。

「よーし!やったー!」

「これで自分自身の闇に打ち勝ったってことだね!」

 トカッチとライトが勝利を喜ぶ。

「後は紘汰たちに任せよう。オレたちはオレたちの町に戻らないと・・」

 ライトが声をかけて、トカッチたちが頷く。

「紘汰たちもすっかり変わってしまったけど・・みんなもきっと大丈夫だ・・・」

「あぁ。オレたちは戻ることにしよう。オレたちの帰るべき街へ・・・」

 紘汰たちへの信頼を胸に、ライトと明が言いかける。彼らは自分たちの街や駅に戻っていった。

 

 ガイナニンポーたちを倒した天晴たち。彼らの戦いを遠くから見ている1人の人物がいた。

 牙鬼軍団の小姓、十六夜(いざよい)九衛門(きゅうえもん)である。

「ニンニンジャーの動向をうかがっていたら、面白いものをお目にかかれたね・・」

 天晴たちと戦ったガイナニンポーたちを見て、九衛門は笑みをこぼしていた。

「アイツらか、忍ばない忍者、ニンニンジャーっていうのは・・」

 九衛門の隣に1人の男が出てきて、声をかけてきた。

「邪悪な亡霊たちが次々によみがえっているようですが、あなたのような方も現世に舞い戻っていたのですね。元「外道衆」、腑破(ふわ)十臓(じゅうぞう)どの・・」

 九衛門が笑みをこぼしながら、男、十臓に言葉を返していく。

「昔のことはどうでもいい。オレは斬り合いをしたいだけだ。特にあの赤い忍者は6人の中で1番強そうだ。」

「アカニンジャーを・・誰かさんに似ているね、あなた・・」

 天晴に目を付ける十臓に、九衛門が笑みをこぼす。彼の口にした言葉を、十臓は気に留めていなかった。

「オレはアイツと一騎打ちをする。お前は他のヤツを足止めしとけ。」

「そうさせてもらいますよ。ニンニンジャーを倒すのが、僕の目的ですからね・・」

 十臓の呼びかけを九衛門は聞き入れることにした。

「今、ニンニンジャーは面白いのと相手をしていましたからね。彼らの力を借りることにしましょう。」

 九衛門は笑みをこぼすと、小槌を取り出して、邪悪な力を宿した「妖シュリケン」をセットする。

「妖術・肥大(ひだい)蕃息(はんそく)の術。」

 九衛門が小槌を振ると、倒されたはずのガイナニンポー、タイガーロイド、サトリがよみがえり、さらに巨大化を果たした。

 

「おわっ!アイツらもでっかくなったぞ!」

 天晴が復活、巨大化したガイナニンポーたちを見て驚きの声を上げる。

「まさか、ここにも牙鬼が・・!」

 八雲がこの近くに牙鬼軍団の存在を推測する。

「お前との勝負を申し込むぞ、赤い忍者。」

 そこへ十臓が現れて、天晴たちに声をかけてきた。

「何者ですか?牙鬼軍団の妖怪ですか?」

「牙鬼?オレはアイツらとは違う。」

 霞が声をかけると、十臓がため息まじりに答える。

「オレが相手をしたいのは赤い忍者、お前だけだ。他のヤツは引っ込んでいろ。」

「なめてくれるな。たか兄以外は眼中にないとは・・」

 鋭く言いかける十臓に、八雲が不満を見せる。

「みんな、アイツの相手は任せてくれ!みんなはでっかくなったヤツらをブッ倒してくれ!」

 天晴が十臓に目を向けたまま、八雲に呼びかける。

「まったく、たか兄は・・そいつは任せるが、遊んでないで早く済ませろよ・・」

「おう!これぐらいやれなくちゃ、ラストニンジャは務まらないからな!」

 八雲が聞き入れて、天晴が意気込んで答える。

「オレたちはあっちを片付けるぞ!」

「“オトモ忍”の出番ッスね!」

 八雲の呼びかけにキンジが気さくに叫ぶ。

「シュリケン忍法・召喚の術!」

“ザ・召喚!”

“ザ・カモン!”

“だれじゃ、だれじゃ!だ〜れだれじゃ!”

 天晴たちが忍者一番刀とスターバーガーを使って、オトモ忍を呼び出す。

“シノビマル!”

“ドラゴマル!”

“ダンプマル!

“ワンマル!”

“ビュンマル!”

“ロデオマル!”

 6体のオトモ忍が駆けつけて、八雲たちが彼らの上に乗った。

「これでアンタの望みどおり、勝負ができるな・・!」

「気を遣ったつもりでいるのだろうが、礼は言わんぞ・・・」

 声をかけてきた天晴に十臓が言葉を返す。2人が忍者一番刀と刀「裏正」を構える。

「お前を倒すことで、オレは新たな高みへと登れる・・!」

「その大勝負、オレ様も混ぜてもらうぜ!」

 戦意を見せる十臓に声をかけたのは天晴ではなかった。天晴の腕に装備されている腕輪「超絶勝負チェンジャー」に宿っている、オトモ忍「ライオンハオー」の精霊、獅子王の声だった。

「おぉっ!おっさんもやる気満々だな!」

「アイツはとんでもねぇ強さを備えてる!大暴れできそうだ!」

 天晴が喜びを見せて、獅子王が意気込みを込めて答える。

「よっしゃー!超絶いけいけドンドンだ!」

 天晴が意気込みを見せると、超絶勝負チェンジャーのボタンを押す。

“ザ・超絶!N・I・N・I・ニンニニン!・・”

 超絶勝負チェンジャーから音声が発する。

「超絶変化!」

 天晴が超絶勝負チェンジャーの手裏剣部分を回す。

“チョーゼーツ!ニンジャー!エーイ!エーイ!エイエイエーイ!”

 天晴の体を炎が包み込んで、鎧となった。強化形態「アカニンジャー超絶」である。

「うおー!ちょー熱いぜー!」

「オトモなれども、暴れるぜ!」

 天晴と獅子王が叫び声をあげて、十臓に向かっていく。彼らの覇気が炎となって、体からあふれ出す。

 十臓が天晴に向かって裏正を振りかざす。天晴は裏正をかわして、十臓の体に右のパンチを叩き込む。

 十臓が打撃の衝撃に押されて大きく突き飛ばされる、超絶となった天晴は、パワーもスピードも格段に上がっていた。

「くっ!・・これほどまでに力を発揮してくるか・・・!」

「どうした!おめぇも本気出してかかってこいや!まだまだ暴れ足りねぇぞ!」

 毒づく十臓に獅子王が言い放つ。すると十臓が不敵な笑みを浮かべてきた。

「いいぞ・・勝負とはこうでないとな・・!」

 十臓が天晴に向かって飛びかかり、裏正を振りかざす。放たれる赤い光の刃を、天晴はかわして、さらにパンチで打ち破る。

 天晴は超絶勝負チェンジャーの手裏剣部分を外して、忍者一番刀にセットする。

“ザ・勝負!N・I・N・I・・”

 忍者一番刀と超絶勝負チェンジャーを合わせた「忍者一番勝負刀」を構える天晴。彼が飛びかかり、十臓が振りかざす裏正と忍者一番勝負刀をぶつけ合う。

 さらに力を増した天晴の剣技に押されて、十臓が追い込まれていく。

「これで終わりにさせてもらうぞ!」

 天晴が言い放つと、超絶勝負チェンジャーを回す。

“N・I・N・I・ニンニニン!・・”

 忍者一番勝負刀に赤い炎のような力が込められる。

「超絶手裏剣斬!」

“一番勝負!”

 天晴が体を回転させて突っ込む。十臓も向かっていって、2人が忍者一番勝負刀と裏正をぶつけ合った。

 刀を振り抜いた体勢で、2人とも一瞬動きを止めていた。次の瞬間、十臓が胸に手を当てて、苦しみながらその場に膝をついた。

「くっ・・侍も忍者も、赤いのは強いということか・・・!」

 十臓が声を振り絞って、振り向いた天晴に言いかける。

「この先、お前のような強いヤツが、また現れないことを願うぞ・・・!」

 十臓は天晴に言いかけると、倒れて消滅していった。

「アンタはマジで強かった・・ちょっとでも気を抜いてたら、やられてたのはオレたちのほうだった・・・!」

「オレも久々に骨のある相手と暴れられたぞ!」

 呟きかける天晴に、獅子王が喜びを口にする。

「さーて。八雲たちのとこへ戻るぞ!」

 天晴が超絶勝負チェンジャーを忍者一番刀から外して、オトモ忍シュリケンをセットする。

「召喚の術!」

“ザ・召喚!ライオンハオージョウ!”

 獅子王の本体である天空のオトモ忍「ライオンハオージョウ」が駆けつけてきた。天晴がライオンハオージョウの上に乗り、八雲たちのところへ向かった。

 

「シュリケン合体!」

“ドラゴ!ドラゴ!ワッショイ!・・シュリケンジン・ドラゴ!”

 5体のオトモ忍が合体して、「シュリケンジン・ドラゴ」となった。シュリケンジンの前にガイナニンポーたちが立ちふさがる。

「こいつはいい!何が起こったかは分からんが、力があふれてくるぞ!」

 巨大化したことで、ガイナニンポーの力も自信も大きくなっていた。

「うわぁ・・すっかり天狗になっちゃってるね・・」

「だったらその鼻っ柱をへし折るだけだ。」

 凪が苦笑いをこぼして、八雲が強気に言う。タイガーロイドが大砲を発射して、シュリケンジンが飛び上がってかわす。

「シュリケンジン・ドラゴバースト!」

 シュリケンジンが口から青い光を発射する。タイガーロイドが光を受けて吹き飛ばされて、空中で爆発した。

「みなさん、やりますねー!あっしも負けてられませんねー!」

 キンジも意気込みを見せて、ロデオマルが「バイソンキングバギー」に乗って、ガイナニンポーたちに向かっていく。

「バイソンチェンジ!」

“イーハー!バイソン!・・”

 ロデオマルとバイソンキングバギーが変形、合体を果たして、「バイソンキング」となる。

“バイソンキング!”

 バイソンキングがポーズを決めて、銃「バイソンライフル」を手にする。ガイナニンポーが棒からビームを放つが、バイソンキングは怯まずに前進する。

「バイソン荒くれバスター!」

 バイソンキングがバイソンライフルを連射する。ガイナニンポーが棒ではじこうとするが回避しきれず、撃たれて吹き飛ばされる。

「ぐぎゃぁー!」

 決定打を受けたガイナニンポーが、倒れて爆発を起こした。

「ヒーハー!このままフィニッシュといきやすぜー!」

 キンジが喜びの声を上げて、バイソンキングがシュリケンジンとともにサトリに振り返る。

「このまま一気に終わらせてしまいましょう。」

「でないとお兄ちゃんに全部持ってかれちゃうからね。」

 霞と風花が声をかけ合って、シュリケンジンとバイソンキングがサトリに向かっていく。

 そのとき、シュリケンジンとバイソンキングの前に爆発が起こる。足を止めた2体の前に、1体の巨人が現れた。

「な、何だ!?

 凪が声を上げて、八雲たちが目を凝らす。

「妖怪ではないようですね・・」

「だがただの巨人ではない・・巨大怪人だな。」

 霞と八雲が巨人について分析する。

「お前たちはこのキングダークが始末してくれる・・」

 巨人、キングダークが声を出すと、シュリケンジンとバイソンキングに向けてビームを放つ。

「うわっ!」

「ぐあっ!」

 2体がビームを受けて火花を散らして、八雲たちとキンジが声を上げる。

「アイツ、他の怪人たちより強いよ!」

「確かに・・だがオレたちも強い・・!」

 声を上げる風花に八雲が言いかける。

「あぁ!その通りだ!」

 そこへ天晴がライオンハオージョウに乗って駆けつけてきた。

「お兄ちゃん!」

「みんな、待たせたな!ここからはもーっと暴れるぜ!」

 風花が声を上げて、天晴が意気込みを見せる。

「ライオン変化!」

“ライオンハオー!ライオンハオー!・・ライオンハオー!”

 ライオンハオージョウが変形して、「ライオンハオー」となった。

「お前も粉々にしてくれる・・」

「おもしれぇ!やれるもんならやってみな!」

 言いかけるキングダークに、ライオンハオーが言い放つ。ライオンハオーが大シュリケンを手にして、キングダークに詰め寄って切りつける。

「ぐっ!」

 キングダークが突き飛ばされて押される。追撃を狙うライオンハオーに、サトリが飛び込んできた。

「大シュリケンクラッシュ!」

 ライオンハオーが大シュリケンを投げつけて、サトリぶつけて地面に叩き落とす。ライオンハオーがライオンハオージョウとなって、天晴が忍者一番勝負刀を構える。

「ライオン超絶斬り!」

 天晴が忍者一番勝負刀を振りかざして、サトリを切り裂いた。サトリが倒れて爆発を起こして消滅した。

「残ってるのはお前だけだ!」

「ここはみんなでフィニッシュを決めやすよー!」

 言い放つ天晴とキンジ。

「覇王シュリケン合体!」

 シュリケンジン、バイソンキング、ライオンハオーが合体を果たして、「覇王シュリケンジン」となった。

「何をしてこようとムダだ・・まとめて葬り去る・・・」

 キングダークがビームを発射する。覇王シュリケンジンはビームの直撃を受けてもものともせず、キングダークに向かって前進する。

 覇王シュリケンジンがパンチを繰り出して、キングダークを攻め立てる。

「なんという力・・押される・・・」

「おっしゃ!これでとどめだ!」

 声を上げるキングダークに対して意気込む天晴。覇王シュリケンジンが両手の大筒にエネルギーを集める。

「覇王アッパレバスター!」

 覇王シュリケンジンが大筒から閃光を放つ。キングダークがビームの直撃を受けて、体から火花を散らす。

「我々は・・何度でもよみがえる・・何度でも・・・!」

 キングダークが断末魔の叫びをあげて、倒れて爆発を引き起こした。

「やったー!」

「ヒーハー!」

「今回も、忍ばずー、ワッショーイ!」

 風花、キンジ、天晴が勝利を喜ぶ。

「世界はまだまだ奥が深いということですね。」

「それもラストニンジャへの道・・じいさんやたか兄ならそう言いだすな・・」

 霞と八雲が呟いて、自分たちが今体感したことを受け入れていた。

「進之介、お前たちならやれる!オレたちもお前たちも強くなってるからな。」

 進之介たちを信じて、天晴たちは去っていった。ラストニンジャを目指して、自分たちの戦いと修行の場へ。

 

 人気のない荒野の真ん中に、士は立っていた。彼の前に進之介、剛、チェイスが駆けつけた。

「来たか・・ここでケリをつけるとするか・・・」

「お前の悪事は、オレたちがここで止める・・・!」

 笑みをこぼす士に進之介が言いかける。彼の言葉を受けて、士があざ笑ってきた。

「お前たちが正義などではない。仮面ライダーの正義は、オレがこれから作り変えていく。」

「人間を守るのが仮面ライダーの使命であり正義・・お前が示す正義に、その使命はない・・」

 士が口にする言葉に、チェイスが言い返す。

「お前のようなヤツに、世界もみんなもいいようにされてたまるかよ!」

 剛も士に向かって言い放つ。

「人間は誰もが間違いをしてこなかったわけじゃない。アンタたちもオレたちも、絶対に正しいというわけじゃない・・それでも誰かの罪を止めて、悲劇を終わらせることはできる!」

 進之介が自分たちの思いを士に向けて言い放つ。

「オレたちは戦う・・お前たちのしている過ちを止めるために!」

「ならお前たちを倒して、オレが正義を示すだけだ・・」

 決意を言い放つ進之介に、士も意思を告げる。彼はソードモードのライドブッカーを構えて、進之介たちに向かう。

 進之介と剛がハンドル剣とゼンリンシューターを手にして迎え撃つ。だが士が速く振りかざすライドブッカーに攻撃を防がれ、切りつけられる。

 士はライドブッカーをガンモードにして、剛のゼンリンシューターとの撃ち合いに持ち込む。

attack ride,illusion.”

 士が分身を作り出して、剛の射撃をかわす。剛が命中したのは分身で、本物の士に狙撃される。

「ぐっ!」

「剛!」

 うめく剛に進之介が声を上げる。進之介は左手にドア銃を手にして、士に向かって射撃しながら近づく。

 進之介が振りかざしてきたハンドル剣を、士はソードモードにしたライドブッカーで受け止める。彼は進之介を切りつけて、同時に飛び込んできたチェイスをキックで突き飛ばす。

「なんという強さだ!3人の仮面ライダーでも歯が立たんとは!」

 ドライブドライバーが士の強さを痛感して声を上げる。

「だからといって諦めるわけにはいかない!」

「オレたちの本気はこれからだ!」

 進之介と剛が言い放って、シフトフォーミュラとシフトデッドヒートを手にして、シフトブレスととマッハドライバー炎にセットする。

Drive!Type formula!”

Signal bike,shift car!Rider!Dead heat!”

 2人がタイプフォーミュラ、タイプデッドヒートに変身して、士に向かっていく。

「面白い・・!」

Final kamen ride,Decade.”

 士が笑みをこぼして、コンプリートフォームとなった。

Kabuto,kamen ride hyper.”

 彼はカブト・ハイパーフォームの力を宿して、一気に加速した。その動きはドライブ・タイプフォーミュラをも上回っていた。

「フォーミュラでも追いつけないか・・!」

「それでも一気に終わらせてやる!」

 焦りを口にする進之介と、いきり立つ剛。

“マッテローヨ!”

 チェイスがシンゴウアックスを手にして、エネルギーを集める。

「こっちもやるぞ!」

 進之介がトレーラー型のバズーカ砲「トレーラー砲」を手にして、シフトカーを装てんする。

“フルフルー!フォーミュラー!タイホー!”

 トレーラー砲の砲門にエネルギーが集まる。

「ならオレもこれで迎え撃つ。」

Faiz,kamen ride blaster.”

 士もガンモードのライドブッカーを構えて、エネルギーを集める。同時に放たれたビームがぶつかり合って、激しい衝撃を巻き起こす。

“イッテイーヨ!”

 そこへチェイスがシンゴウアックスを構えて、士に飛び込んできた。

「こしゃくなマネを・・!」

 士が毒づくと、ライドブッカーにさらに力を込める。砲撃を押し切られて、進之介が吹き飛ばされる。

Blade,kamen ride king.”

 士がブレイド・キングフォームの力を宿して、ソードモードにしたライドブッカーを振りかざす。

“ヒッサツ!Fullthrottle!Chaser!”

 シンゴウアックスを押し返して、士がチェイスを切りつけて突き飛ばす。

「くっ!・・調子に乗ってくれて・・!」

 剛が士に対して感情をむき出しにする。

「だったら同時攻撃で行くぞ!」

 進之介が声をかけて、剛とチェイスが頷く。

“ヒッサーツ!Fullthrottle!formula!”

“ヒッサツ!Fullthrottle!Dead heat!”

“ヒッサツ!Fullthrottle!Chaser!”

 3人がエネルギーを集めて、同時にジャンプしてキックを繰り出す。

「面白い・・・!」

Final attack ride decade.”

 士もジャンプして、光のカードをくぐってキックを繰り出す。彼が進之介たちとキックをぶつけ合う。

「ぐあっ!」

 士のパワーに押されて、進之介たちが地面に叩き落とされる。

「泊さん!剛!チェイス!」

 そばで戦いを見守っていた霧子が声を上げる。起き上がる進之介に、士が近づいてくる。

「3人同時でも通じないのか・・・!」

「ならばタイプトライドロンで行こう!世界や人々のため、私も全力を尽くそう!」

 焦りを口にする進之介にドライブドライバーが呼びかける。

「分かった!力を合わせよう、ベルトさん!」

 進之介が答えて、シフトカー「シフトトライドロン」を取り出した。

Fire,all engine.”

 彼がシフトブレスにシフトトライドロンをセットする。

Drive,type tridoron.”

 進之介がシフトブレスのレバーを引き倒すと、近くに止まっていたトライドロンが分解されて彼の体に装着された。

 ドライブの最強形態「タイプトライドロン」である。

「門矢士、ディケイド、オレたちと、ひとっ走り付き合えよ!」

 士に向けて言い放つ進之介。光と闇、両者のライダーの決戦も、終局に向かって拍車をかけていた。

 

 

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