オールライダーVSダークライダー

-Justice or Dark-

第8章

 

 

 オールライダーとダークライダーの決戦が始まった。

 1号、2号、クウガ、アギトがエターナルに向かっていく。クウガとアギトのパンチとキックを対して、エターナルは回避と防御をしていく。

「誰が何人相手になろうと、オレを倒せるものか!」

 エターナルが言い放って、キックでクウガとアギトを突き飛ばす。さらにエターナルは光の球を飛ばして、1号と2号を吹き飛ばす。

「それでも負けるわけにはいかない!邪悪な野望を打ち砕くために!」

 1号が使命を言い放って、2号とともに立ち向かう。

「ライダーパンチ!」

 1号が先行して、エターナルにライダーパンチを繰り出す。エターナルもパンチで迎え撃って踏みとどまるが、その瞬間に2号がジャンプして、自身に横回転を加える。

「ライダー卍キック!」

 2号は回転しながらエターナルにキックを叩き込む。

「その程度か!」

 しかしエターナルには通じず、2号が押し返される。

「エターナル、手ごわい・・!」

「だけどオレたちはみんなを守る。そのための力が、オレたちにはある。」

 クウガが声を上げて、アギトが笑みをこぼして頷く。

「今がその力を発揮するときだ!」

 クウガが言い放って、アギトとともに意識を集中する。殻がはがれるように2人の体に変化が起こる。

 クウガは黒と金、アギトは銀の体になる。2人はそれぞれ最強形態「アルティメットフォーム」、「シャイニングフォーム」となった。

「大切なみんなを守るために、あなたたちを止めます!」

 アギトが言い放って、エターナルに向かっていく。2人がパンチをぶつけ合い、互角の戦いを繰り広げる。

 アギトが剣「シャイニングカリバー」を手にして、分離して構える。その立て続けの攻撃で、エターナルが次々に切りつけられていく。

「アギト、どくんだ!」

 クウガが呼びかけて、右手を握りしめる。その手から赤い炎が灯る。

 アギトが1度エターナルから離れて、意識を集中する。彼の眼前に数枚の光のエネルギーが現れた。

 クウガがエターナルに向かって飛び込んで、炎のパンチを叩き込む。突き飛ばされたエターナルに向かって、アギトがジャンプして、エネルギーをくぐってキックを繰り出す。

 アギトの勢いを乗せたキックを受けて、エターナルが突き飛ばされる。

「おのれ・・おのれ、仮面ライダー!」

Etarnal,maximum drive.

 エターナルが力を振り絞って立ち上がり、光の球を作り出す。

「こっちだ、エターナル!」

 そこへ1号と2号が駆けつけて、同時に大きくジャンプする。

「ダブルライダーキック!」

 キックを繰り出す2人のライダーに向かって、エターナルが光の球を放つ。1号と2号のライダーキックは、光の球を打ち破って、そのままエターナルに命中した。

 決定打を受けたエターナルが、ダメージが大きくなったことで体から火花が散る。

「オレは・・オレは倒れはしない・・オレの地獄を・・与えるまでは・・・!」

 声を振り絞るエターナルが倒れて、爆発を引き起こした。

「うん。やりましたね、みなさん。」

 アギトが声をかけて、1号たちが頷く。

「みんなも戦いを続けている。援護に向かうぞ。」

 1号が呼びかけて、2号、クウガ、アギトとともに他のライダーの援護に向かった。

 

 放たれる砲撃とビームをV3、ライダーマン、龍騎、巧がかいくぐっていく。彼らの前に怪魔ロボット・シュバリアン、怪魔妖族・スカル魔、怪魔異星獣・キュルキュルテンが立ちはだかった。

「仮面ライダー、ここをお前たちの墓場にしてくれる!」

 シュバリアンが巧たちに言い放って、さらに砲撃を続ける。

「このままではらちが明かないぞ!」

「別れて倒していくぞ!」

 ライダーマンが声を上げて、V3が指示を出す。

「そうしたほうがいいみたいだな・・!」

 巧が頷いて、トランクボックス「ファイズブラスター」を取り出す。龍騎もカード「サバイブカード」を取り出して、召喚機「ドラグバイザー」にセットする。

Awekening.

Survive.

 巧のまとうファイズの装甲に金のラインが入り、龍騎の体を炎が包み込んで新たな装甲に変える。最強形態「ブラスターフォーム」と「龍騎サバイブ」である。

「オレが突っ込む!その間に一気に攻撃を!」

 呼びかける龍騎の頭上に、龍「ドラグレッダー」が下りてきた。

Final vent.

 龍騎が新たなカードをドラグバイザーにセットする。ドラグレッダーがバイク「ドラグランザー」に変化して、龍騎が乗って前進する。

 ドラグランザーが口から炎の球を連射する。飛び込んできた炎の球をシュバリアンとスカル魔は回避したが、キュルキュルテンは球の直撃を受けて、さらにドラグランザーの突撃を受けて吹き飛ばされた。

「おのれ、ライダー・・そんなもので我らがやられるものか!」

 スカル魔が龍騎を見て毒づく。

「お前の相手はオレたちだ!」

 そこへV3とライダーマンが駆けつけて、スカル魔にキックを繰り出す。スカル魔が鎌を構えて、キックを防ぐ。

 スカル魔が鎌を振りかざして、V3とライダーマンが回避する。

「くらえ、ライダー!」

 スカル魔が鎌から光を放つ。光に絡め取られたV3が動きを封じられる。

「しまった・・動きが・・・!」

 V3がもがいて、スカル魔の光から抜け出そうとする。

「ロープアーム!」

 ライダーマンが右腕のアタッチメント「カセットアーム」の1つ「ロープアーム」を伸ばして、スカル魔の鎌を捕まえて引き離す。光が消えて、V3が自由を取り戻す。

「すまん、ライダーマン・・助かった・・!」

V3、一気に決めるぞ!」

 V3とライダーマンが声を掛け合う。うろたえるスカル魔に対して、2人が大きくジャンプする。

「ダブルライダーキック!」

 V3とライダーマンが同時にスカル魔にキックを叩き込む。V3はそこからさらにジャンプして、体を反転させる。

V3反転キック!」

 V3が立て続けにスカル魔にキックを叩き込む。スカル魔が突き飛ばされて壁に叩きつけられる。

「我らは不滅・・我らの野望は不滅・・・!」

 スカル魔が声を振り絞ると、倒れて爆発を引き起こした。

 そしてシュバリアンは巧に向けてビームを発射する。巧は素早く動いてビームをかわしていく。

「いつまでもバンバン撃ってきて・・・!」

Blaster mode.

 巧が文句を言いながら、ファイズブラスターを「フォトンバスターモード」にして、構えて「ENTER」を押す。

Exceed charge.

 エネルギーが集中するファイズブラスターから光弾「フォトンバスター」が放たれる。フォトンバスターはシュバリアンのビームを撃ち破って、彼の眼前に飛び込んで爆発を巻き起こす。

「ぐおっ!」

 シュバリアンが爆発に押されてうめく。

Blade mode.

 巧がファイズブラスターを「フォトンブレイカーモード」にして、先端から光の刃を発する。シュバリアンが放ったビームを、巧は飛行してかわす。

Exceed charge.

 巧がシュバリアンに向かって飛び込んで、光の刃にエネルギーを集めたファイズブラスターを振りかざす。胴体を切り裂かれて、シュバリアンが爆発を引き起こした。

「巧くん、大丈夫か!?

 巧のところへV3がライダーマン、龍騎とともに駆けつけてきた。

「あぁ。このぐらい何でもない・・」

 巧が落ち着きを見せて答える。彼らは他の仮面ライダーたちが戦っているほうへ振り向く。

「みんなも戦っている・・みんなを援護するぞ・・!」

「はい!分かりました!」

 ライダーマンが呼びかけて、龍騎が答える。他のライダーたちの援護のため、巧たちは別れて動き出した。

 

 ショッカーライダー、ライオトルーパー、黒影トルーパー、スカルライダーたちをエックス、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、一真、始、朔也、睦月が立ち向かう。

「数で押し切ろうとしてもムダだ!」

「大勢の相手、オレたちは何度も潜り抜けてきた!」

「たとえ何千、何万で押し寄せてきても!」

「オレたちは何度でも立ち向かう!」

 エックス、ストロンガー、睦月、一真がショッカーライダーたちを撃退しながら言い放つ。

「たとえ戦いが長く険しく、疲れ果てたとしても・・!」

「オレたちは何度でも立ち上がる!世界を、地球を守るために!」

「それが人間・・それが、仮面ライダーだ!」

 朔也、スカイライダー、始も言い放つ。彼らの強い意思と猛攻で、ショッカーライダーたちは数による攻撃をはねのけられていた。

「情けないことだ。あの2人をまずオレが葬り去るぞ。」

 後ずさりするショッカーライダーたちに、邪武がやってきて声をかけてきた。邪武は一真と始に目を向けて、大橙丸と無双セイバーを手にして構える。

「ヤツの狙いはオレと剣崎か・・!」

「ブレイド、カリス、ヤツを倒すんだ!他のライダーたちはオレたちが相手をする!」

 構える始と一真に、ストロンガーが呼びかける。

「分かりました!始、行くぞ!」

 一真が答えて、始とともにカードを取り出した。

Absorb queen.Evolution king.

Evolution.

 一真がキングフォームに、始がワイルドカリスに変身する。2人はそれぞれキングラウザー、ワイルドスラッシャーを手にして、邪武に向かっていく。

「ライドルスティック!」

 エックスが万能武器「ライドル」を棒形態「ライドルスティック」にして振りかざして、黒影トルーパーを叩いていく。スカイライダーがセイリンジャンプで飛行して、ライオトルーパーの注意を引く。

「エレクトロファイヤー!」

 そこへストロンガーが電気エネルギーを放つ。電撃は地面をはうように進んで、ライオトルーパーに命中して爆発を起こした。

 睦月もレンゲルラウザーを振りかざして、スカルライダーたちをなぎ払う。

「大切断!」

 アマゾンが腕のカッターでショッカーライダーたちを切りつけていく。

「みんな、オレが一掃する!」

 朔也がエックスたちに呼びかけて、カードを取り出してラウズアブソーバーにセットする。

Absorb queen.Fusion jack.

 朔也はジャックフォームに変身して、ギャレンラウザーを構えて射撃する。放たれる炎の弾丸がショッカーライダーたちに命中していく。

Bullet,rabid,fire.Burning shot.

 朔也が飛翔して炎の球を連射する。炎の球が次々に命中して、ショッカーライダーたちを一掃した。

「よし!このまま押し切るぞ!」

 エックスが呼びかけて、アマゾンたちが頷く。彼らは大きくジャンプする。

「エックスキック!」

「アマゾンキック!」

「ストロンガー電キック!」

「スカイキック!」

Burning smash.

Blizzard crush.

 エックスたちが同時にキックを繰り出す。彼らのキックを受けて、ショッカーライダーたちが全滅に陥った。

「やったぞ!」

 ショッカーライダーたちを打ち倒したことを喜ぶアマゾン。

「あとは、剣崎さんと相川さんですね・・!」

 睦月が呟いて、エックスたちとともに一真たちに目を向ける。一真と始の猛攻に邪武が押されていく。

「剣崎、ここで終わらせるぞ!」

「あぁっ!」

 始の声に一真が答える。始がカード「ワイルドカード」をワイルドスラッシャーに通す。

Wild.

 エネルギーが集まるワイルドスラッシャーを弓矢のように構える始。

“ダークネススパーキング!”

 邪武が黒い光の球を作り出して放つ。始が光の矢を放って、光の球を撃ち抜いて粉砕した。

Royal straight flush.

 一真がエネルギーを集めたキングラウザーを振りかざして、光の刃を放つ。光の刃に直撃されて、邪武が爆発を引き起こして、黒い霧のように消えていった。

「やったな、ブレイド、カリス。」

 エックスがアマゾンたちとやってきて、一真と始に声をかける。

「みんなは大丈夫だろうか・・・?」

「何があろうと倒れはしない。諦めることは絶対にない。仮面ライダーとはそういうものだ。」

 心配を口にする睦月に、ストロンガーが励ましの言葉を送る。

「そうだ。君たちもオレたちも、ドライブもマッハもチェイサーも。」

 エックスも続いて言いかけて、一真たちは頷いた。

 

 ベルデの襲撃を迎え撃つスーパー1、ゼクロス、響鬼、京介。彼らの力と技にベルデは歯が立たないでいた。

「なぜだ・・なぜ私の力が通じないのだ・・!?

「お前の鍛え方が足りないってことだな。そのカードの力と仲間の怪物の力に溺れているからそうなる。」

 いら立ちを見せるベルデに、響鬼が気さくに答える。

「体も心も鍛えて、過酷な戦いや試練に耐え抜いて初めて、本当の強さを手に入れられるんだ!」

「その通りだ!響鬼くんと京介くんは望んで鍛えて力を得たが、オレたちの力は改造によって得られたものだ!」

「だがオレたちはこの力の使い方と制御する強さもある!体と心の力こそが、本当の強さだ!」

 京介、スーパー1、ゼクロスも続けて言いかける。彼らは強さの本当の意味を理解していた。

「そんなことで、私がお前たちより劣るなど!」

 激高したベルデがスーパー1たちに向かっていく。

Clear vent.

 彼はスーパー1たちの前から姿を消した。

「力を使って姿を消したか・・!」

「だがそんな小細工、オレたちには通じはしない・・!」

 ゼクロスと京介が声を上げる。彼らは感覚を研ぎ澄ませて、周辺に注意を向ける。

「そこ!」

 響鬼が音撃棒「烈火」を振りかざす。その先に迫っていたベルデが叩かれて、音撃に押されて突き飛ばされる。

「バカな!?姿を消した私の居場所をどうやって!?

「姿を消しても、音や風の流れで居場所は分かる。お前の気配は、オレには色濃く感じられる。」

 声を荒げるベルデに響鬼が答える。彼はアームドセイバーを手にして構える。

「響鬼・装甲!」

 炎と多くの「ディスクアニマル」を身にまとって、響鬼は装甲響鬼となった。

「京介くん、援護してくれ!」

「あぁっ!」

 スーパー1の声に京介が答える。スーパー1とゼクロスが目を合わせて頷き合う。

 ベルデは響鬼の後ろを取ろうと素早く動き回る。

「響鬼さん!」

 そのとき、京介が逆にベルデの後ろを取った。京介は右手を握りしめてパンチを繰り出して、スーパー1とゼクロスのいるほうにベルデを飛ばす。

「今だ!」

「よし!」

 ゼクロスとスーパー1が声を掛け合って、同時にジャンプする。

「スーパーライダー月面キック!」

「ゼクロスキック!」

 2人が繰り出したキックを受けて、ベルデが大きく突き飛ばされた。

「今だ、響鬼!」

「鬼神覚声!」

 スーパー1が呼びかけて、響鬼がアームドセイバーに声を吹き込む。彼はベルデに向かってアームドセイバーを振りかざして、音撃の刃を放つ。

「私は・・私はまだぁー・・!」

 ベルデが断末魔を上げて、倒れて爆発を引き起こした。

「やりましたね、響鬼さん。」

 京介が響鬼に駆け寄ってきて声をかける。

「あぁ、お前のサポートのおかげだ。それと、あなたたちにも助けられました。

 響鬼が京介に答えて、スーパー1とゼクロスに振り向く。

「いや、助けられたのはこちらだ。さすがは鬼というところか。」

「どうも。鍛えてますから。」

 スーパー1が称賛すると、響鬼が答えて独特のポーズを取る。

「さ、他のみんなのサポートに行くとしますか。」

「そうだな。みんな、引き続き頼むぞ。」

 響鬼とゼクロスが声を掛け合う。彼らは別れて、他のライダーたちの援護に向かった。

 

 カブト、G、モモタロス、侑斗の前にオーディンが立ちふさがる。

「さぁ、戦え。仮面ライダー同士、お前たちで戦い、生き残るのだ。」

「勝手なことをぬかしてんじゃねぇ!ブッ倒されるのはおめぇのほうだ!」

 戦いを求めるオーディンに、モモタロスが怒鳴り声を上げる。

「おばあちゃんが言っていた。王が人を導くのは力ではなく、心。心のない王に誰も付いていこうとはしない。」

「強さと心のマリアージュ、存分に堪能するといい。」

 カブトとGがオーディンに向かって言いかける。

「相変わらずキザだな、この2人は・・」

 侑斗がカブトとGに対して呆れる。

「何だかよく分かんねぇが、やってやる!オレは、オレたちは最初から最後までクライマックスだぜ!」

 モモタロスが言い放って、ソードモードのデンガッシャーを構える。

「行くぜ、行くぜ、行くぜー!」

 彼が走り出して、オーディンにデンガッシャーを振りかざす。オーディンは瞬間移動でデンガッシャーをかわす。

「くそっ!またふざけたマネをしてきやがって!」

 攻撃を当てられず、モモタロスが不満を見せる。

「オレのスピードは一瞬ほどの速さにまで迫れる。」

Clock up.

 カブトが前に出て、高速でオーディンに飛び込む。スピードに乗ったカブトのパンチも、オーディンは瞬間移動でかわす。

 だがカブトにはオーディンの移動先を察知していた。移動したオーディンに一気に詰め寄って、カブトが回し蹴りを叩き込んだ。

 押されたオーディンだが、ダメージはほとんど受けていない。

Clock over.

 足を止めたカブトがオーディンに目を向ける。

「力はあるようだ。オレも全力を出す必要があるな。」

 カブトは呟いて、カブトムシ型コア「ハイパーゼクター」を手にしてベルトにセットする。

「ハイパーキャストオフ。」

Hyper cast off.Change hyper beetle.

 彼は最強形態「ハイパーフォーム」への変身を果たした。

「よーし!オレもやってやるぜー!」

Momo,ura,kin,ryu,climax form.

 モモタロスも意気込みを見せて、クライマックスフォームとなる。

「デネブ、オレたちも続くぞ!」

“分かった、侑斗!”

 声を上げる侑斗にデネブが答える。侑斗は新たにゼロノスカードを取り出して、ベルトにセットする。

Charge and up.

 侑斗は赤い姿「ゼロフォーム」となった。デネブは姿かたちを変えて、ガトリングガン「デネビックバスター」となった。

「君たちのような高級のワインは出せないが、オレも十分満足させられるよ。」

 Gも穏やかな振る舞いを見せて、カブト、モモタロス、侑斗と並び立つ。

「強さを見せようと、戦わなければ生き残れない。お前たちに残されているのは破滅のみ。」

 オーディンが呟いて、背中に黄金の光の翼を生やす。

「オレたちがヤツを押さえる!その隙に一気に決めろ!」

 侑斗がモモタロスに呼びかけて、ベルトのバックルのスイッチを押す。

Full charge.

 デネビックバスターの銃口にエネルギーが集まる。

Final vent.

 オーディンが黄金の光をまとって突っ込んできた。侑斗がデネビックバスターからビーム「バスターノヴァ」を発射して、オーディンの突撃とパワーを押さえる。

「今だ!」

 侑斗が呼びかけてカブト、モモタロス、Gが頷いた。

「ハイパーキック。」

Hyper kick.

「行くぜ、オレたちの必殺技!」

Full charge.

 カブト、モモタロス、そしてGが足に力を集中させる。

「スワリングライダーキック!」

 Gが叫んでカブト、モモタロスと一緒に飛び上がる。3人が繰り出したキックが、オーディンに命中した。

「そうだ・・このまま、戦い続けろ・・・」

 決定打を受けたオーディンが、金の煙のように消えていった。

「ケッ!倒したのかどうか、手応えのねぇヤローだぜ!」

「何度出てこようと倒すだけだ。オレに挑んでくるなら。」

 文句を口にするモモタロスと、強気な態度を崩さないカブト。

「何だかものたりねぇなー!他の悪いライダーたちの相手をしてくるぜ!」

「オレも食後酒を堪能しないとね。」

 駆け出していくモモタロスと、落ち着いた振る舞いを見せて続くG。

「侑斗、オレたちも行こう!」

「うるさいぞ、デネブ!」

 呼びかけるデネブに言い返して、侑斗がカブトとともに続いた。

 

 シン、キバ、イクサ、光輝は雅人の前に立ちはだかった。光輝たちを見て雅人がため息をつく。

「怪物の力を使う、怪物に味方する・・神や正義が聞いて呆れる・・」

「確かに僕の中にはファンガイアの血が流れている・・でもこの力を、僕はみんなを守るために使っている・・」

 言いかける雅人にキバが自分の考えを口にする。

「君は人間のようだが、心のほうは悪に染まっている。その罪、私たちが償わせる・・」

「お前が自分の目的で行動するなら、オレは命を守るためにお前を倒す・・・!」

 イクサとシンも言いかけると、雅人が再びため息をつく。

「どいつもこいつも・・オレのことを好きにならないヤツは邪魔なんだよ・・・!」

「自分の目的のために、仮面ライダーの力を使うなんて・・・そのあなたを、オレたちが全力で止める!」

 いら立ちを見せる雅人に光輝も言い放つ。彼が先行して雅人に向かっていく。

 そこへサイドバッシャーが駆けつけて、光輝と雅人の間に割って入ってきた。雅人はサイドバッシャーに乗って操作する。

Battle mode.

 サイドバッシャーが変形して、光輝たちの前に立ちはだかる。

Jet sliger come closer.

 さらに雅人がカイザフォンに「3821」と入力する。するともう1台、大型のマシンが駆けつけてきた。

「ジェットスライガーまで!?

 声を上げる光輝が、雅人が動かすジェットスライガーの突進をかわす。

「くっ!・・2台の大型マシンを動かして、攻め立ててくるとは・・!」

「だがそんなことで屈するわけにはいかない・・!」

 シンとイクサが声を上げて、サイドバッシャーに立ち向かう。

「うっ!」

「うわっ!」

 ジェットスライガーの突撃を受けて、キバと光輝が突き飛ばされる。

「パワーもあるし動きも速い・・!」

「隙を突くだけじゃダメだよ・・僕たちも力を出し切らないと!」

 声を上げる光輝にキバが呼びかける。

 光輝がスピリットカリバーを手にして、オメガクリスタルをセットする。彼がスピリットフォームになって、スピリットカリバーを構える。

「さぁ、行きますよ。」

 キバは黄金龍「タツロット」の力を受けて、最強形態「エンペラーフォーム」となった。彼は剣「ザンバットソード」を手にして構える。

 雅人が操作するジェットスライガーから大量のミサイルが発射される。光輝とキバがジャンプしてミサイルをかわす。

「よけてばかりではダメだ!2人の力を同時に放つんだ!」

「うんっ!」

「分かった!」

 キバのベルトに付いていたキバットの呼びかけに、キバと光輝が答える。

「ウェイクアップ!」

 キバットの掛け声とともに、キバがザンバッドソードに力を込める。光輝も精神エネルギーをスピリットカリバーに込める。

 キバと光輝が同時にザンバッドソードとスピリットカリバーを振りかざす。2つの光の刃が、前進してきたジェットスライガーに命中する。

「ぐっ!」

 ジェットスライガーが切り裂かれて爆発を起こす。雅人はジャンプして爆発から逃れる。

「くっ!・・コイツ、ふざけたマネを・・・!」

 着地した雅人が光輝とキバに鋭い視線を向ける。

「オレたちも片づけるぞ・・!」

「そのつもりです・・!」

 シンの呼びかけにイクサが答える。イクサが強化武器「イクサライザー」のボタンを押していく。

“ラ・イ・ジ・ン・グ”

 イクサの装甲が青に変わり、金のラインが入る。彼は強化形態「ライジングイクサ」になった。

「同じライダーのマシンだが、罪を繰り返させるわけにはいかない。オレの手で葬り去る・・」

 イクサがイクサライザーを構えて、サイドバッシャーに狙いを定める。彼は集中させたエネルギーをイクサライザーから発射した。

 胴体をビームで貫かれて、サイドバッシャーは崩れるように倒れて爆発を起こした。

「後はヤツだけだ・・・!」

 シンが言いかけて、イクサ、そして光輝、キバと一緒に雅人に振り返る。

「本当に・・どいつもこいつも・・いい気になって!」

 感情をあらわにした雅人が光輝たちに突っ込んでくる。

Exceed charge.

 彼はジャンプして、突き出した両足から円錐状の黄色の光を放って狙いを定める。

「引き返さずに突っ込んでくるか・・ならば!」

 シンが爪「ハイバイブネイル」を振りかざす。彼の爪が、雅人が繰り出した両足のキックを相殺した。

「今だ、お前たち!」

 シンが呼びかけて、光輝とキバが頷く。踏みとどまった雅人に向かって、2人が高くジャンプする。

「スピリットライダーキック!」

 光輝の「スピリットスマッシャー」とキバの「エンペラームーンブレイク」が雅人に叩き込まれた。カイザドライバーが外れて、雅人からカイザの変身が解ける。

「ぐっ!・・オレは・・オレは・・・!」

 致命傷を受けても抵抗しようとする雅人だが、力尽きて、カイザギアとともに消滅していった。

「執念深いヤツだ・・だがそれを誤った方向に持っていってはならない・・・」

 シンが雅人に歯がゆさを感じていく。彼はいかなる理由でも命が弄ばれることが許せなかった。

「それを止めるのが、オレたちの使命ですね・・・!」

「そうだ・・オレたちの戦いは、まだ終わらない・・・」

 光輝とイクサが声を掛け合って、互いに檄を飛ばす。光輝たちも他のライダーたちの援護に向かった。

 

 

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