Silver Fairy 〜クロスオーバーエディション〜
For 月姫×空の境界×アージュ
第10話「永久に思う永遠」

 

 

館内を奥へと進むフィーナ・フェルミナ・フィーリアの3人

そして3人はとある扉の前に着く

「…この扉の向こう、ですかね?」

扉を見ながら口を開くフィーナ

「そうでしょうね。…行くわよ。」

フィーリアの言葉に扉を開け中に入る3人

部屋の中には一人の女性が立っていた

「随分と、遅かったわね。」

そう言うと振り返る女性

その顔を見て驚くフィーナとフェルミナ

「まさか、貴女が今回の黒幕だったんですか?」

「えぇ、全て私が仕組んだ事。」

「…そぅ、ならば、貴女の魔を、浄化する!」

そう言うと同時に銀装を纏うフィーナ

それに合わせてヴォルケスを手に取り構えるフェルミナと

黒神装を纏うフィーリア

「一つだけ、聞きたい。何故、何故こんな事をしたのですか?涼宮遙!」

「…なら問い返すわ。貴女達は何故戦うの?」

「えっ?そ、それは…。」

「即答も出来ない。…まぁ、戦うのに理由なんて要らないし。」

そう言うと詠唱を始める遙

「私が、戦う理由。」

「フィーナ!しっかり!」

フェルミナが側で声を掛ける

「吹き飛びなさい!」

そう言うと魔法を放つ遙

もろに直撃を食らう3人

魔法が消え去った後には倒れこむ3人の姿があった

「…呆気無いわね。」

そう言って倒れている3人を見下す遙

「もう少し楽しめると思ったのに。」

「遙?」

その瞬間ふと聞こえる声

声のした方を振り向く遙

「遙なんでしょう?」

「…水月。」

そう言うと顔を背ける遙

「遙?」

「帰って!ここには貴女の知ってる涼宮遙なんて居ないから、帰って!」

その言葉の後、後ろから手を掛ける水月

「あっ。」

「どんなになっても、遙は遙だよ。」

「…水月。けど、もう遅いよ。私はもう、戻れない所迄、来ちゃったから。」

良く見ると身体の一部が黒く変色している遙

「…水月、私の全身が黒く染まる前に、ここから去って。でないと、水月を傷付け

ちゃう。」

確かめるように強く遙を抱く水月

「水月。」

「大丈夫遙。私も、一緒に行くから。」

そう言うと手の先から黒く染まる水月

「水月。駄目貴女だけでも。」

「その必要は、無い!」

ふと聞こえる声

その声は、倒れていたフィーナだった

「諦めなければ、希望は有る!」

そう言うと槍を構えようとするが、ふらつくフィーナ

「くっ!これしきの事で!」

「良いわよフィーナ。私がやるから。」

ふと聞こえる声

「…唯姉。」

「ゆっくり、休んでいなさい。」

唯の言葉にフィーナの銀装が解けそのまま唯に銀装が装着される

「さてと、必ず元に戻れる。そう、願いなさい。強く。限りなく強く。」

そう言うと槍を構える唯

「大丈夫、私を信じて。闇を貫き浄化したまえ。シルバードストライク!」

その言葉と共に銀色の光が遙と水月を貫く

「闇よ、散れ。」

そう言うと遙と水月の黒く変色した部分が元の色に戻っていく

それと同時に黒いのが空へと昇っていく

そしてそのまま床に倒れこむ遙と水月

「…マスターが倒れた。私達は、どうすれば良いの?」

ふと声が聞こえる

「アメリア。それにセリユも。」

そう言うと二人に近づく唯

「フェイト、私達はどうすれば良い?教えて頂戴!」

「…この地に束縛されし魂よ。聖神クリスの名に於いて清らかな眠りに付き給え。」

唯がそう言うと笑顔のままこの場所から消え去るアメリアとセリユ

「…彼女達もまた、被害者だったのね。」

「終わったんだよね?唯姉。」

「えぇ、全て、終わったのよ。」

 

それから一週間後

 

柊町の駅前

 

「へぇ〜、それじゃ遠野とシエルは三咲町に戻るんだ。」

「えぇ。」

「寂しくなるな〜。けど、頑張ってね。」

「はい。それでは。」

そう言うとホームに消えていく遠野兄弟・シエルに翡翠と琥珀。それにアルクも

「フィーナさん達は、どうするんですか?」

茜が口を開く

「とりあえず貴女のお姉さんと速瀬さんが意識を取り戻す迄は居るつもりだけど。」

「えっ?そうなの?」

「あら、フィーナ達は先に戻ってても良いわよ。」

唯の言葉に悩むフィーナ

「悩む事?とりあえず先に羽咲に帰ってて。お願い。」

「…解りました。その代わり、今日一日だけ居させて下さい。ここに。」

「…解った。私はこのまま欅町の病院に行くけど、どうする?」

「う〜ん、茜と遊んで行く。」

「そう。解ったわ。」

そう言うとホームへと消えていく唯

「行こう、茜。」

「えぇ。」

そう言うとゲームセンターへと入っていく茜とフィーナ

「嬉しそうね、彼女。」

ふと口を開くフェルミナ

「そうでしょ?同年代な筈だし。フィーナと彼女は。」

それに答えるフィーリア

「フェルミナさん達も早く〜。」

フィーナに呼ばれるフェルミナ達

「んじゃ、行きますか。」

「そうね。」

「千鶴も。」

茜の言葉にゲームセンターへ入って行く千鶴

それに続く冥夜達

 

欅町総合病院

 

「あれ〜、また来たの。」

「えぇ。鳴海さん来てます?」

「あぁ〜、彼氏なら涼宮さんの所〜。」

「そう。それじゃ速瀬さんの所へお邪魔しようかしら?」

「あぁ〜、彼女なら今大丈夫よ。」

「そう。ありがとう。」

そう言うと水月の病室へ入る唯

 

「こんにちは。」

そう言って病室へ入る唯

「あれ、唯さん。」

「どぅ?調子は。」

「すこぶる良好です。それより、遙の方は?」

「長い期間闇に居た影響で、まだ昏睡状態よ。」

「そぅ、ですか。」

「しっかし、毎日来てるみたいね、彼も。」

「…それ程、遙が大事なんです。孝之は。」

「そぅ。良い人ね、彼も。」

「…もしかして惚れました〜?」

「えっ?ち、違うって。わ、私にはちゃんと心に決めた人が。」

「へぇ〜。」

水月の言葉に、何かに気付く唯

「ちょ、からかったわね〜。」

「ちょ、ちょっと。私病人ですって〜。」

 

翌日、フィーナ達は先に帰っていった

私は一人残り、涼宮遙の回復を待った

 

半年が経った有る日、彼女は意識を取り戻した

私の役目は終わった

帰ろう、羽咲に

 

柊町駅前

 

「わざわざ来てくれなくても良かったのに。」

「良いの。唯さんにはお世話になったし。」

「…そうね。それじゃ。」

「うん。それじゃ。」

そう言うとホームへと消える唯

「また、会えますよね。」

 

BGM:Blue Tears

 

終わり

 

 

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