Silver Fairy

〜クロスオーバーエディション〜

For マリア様がみてる〜「後編」

 

 

薔薇の館前

 

「やっぱり結構居るわね。一般生徒が。」

「唯姉。私とルイで何とかしますから、小笠原さん達と一緒に中へ。」

「…OK。フィーナ。」

唯の言葉に銃を抜くフィーナ

「さて、行きますか。」

そう言うと飛び出して行くルイとフィーナ

「私達も行くよ。」

そう言うと飛び出す唯・祥子・祐巳

そのままドアへと進みドアを突き破り中へ入る3人

そこで3人が見たのは…

「お姉さま。」

「ロサ・フェディタ迄。」

何かを訴えるように石化した蓉子と江利子の姿だった

そっと石像に近づく唯

「…呪詛の類いね。これは術者を倒せば元に戻るわね。」

そう言うと石像から離れる唯

「さて、お客さんが来たみたいね。」

そう言うと姿を表す1人の女性

「…黒薔薇の騎士。小笠原さん、福沢さん。それと隠れてついて来てる藤堂さん。

3人で先に行っていなさい。彼女の相手は、私がする。」

そう言うと剣を抜く唯

それを見て階段を上って行く祥子と祐巳。それに志摩子

「…さて、始めましょうか?フィーリア。」

 

階段の上

 

「志摩子さん、何でついて来たの?」

疑問に思い口を開く祐巳

「何か、行かなければいかないと思ったから。」

「…行きましょう。」

「「はい。」」

祥子の言葉に答える祐巳と志摩子

 

1階

 

剣を抜きあい互いを見詰め合う2人

「ここじゃ狭いから、外に出ましょうか?」

「…そうね。」

そう言うと身近の窓から外に出る二人

それと同時に神装を纏う唯

フィーリアも同様に黒神装を纏う

そのまま着地した瞬間空中へと飛び上がる2人

 

薔薇の館内

 

2階廊下

 

廊下を進んだ3人はとあるドアの前に人居るのを発見する

その人物は…

「…お姉さま。」

思わず口を開く志摩子

それと同時に構える祥子と祐巳

「待って。」

ふと聞こえる志摩子の声

「志摩子さん。」

「私が、戦うわ。」

そう言うと祥子と祐巳の前に出る志摩子

「死んでは駄目よ。貴女も。ロサギガンティアも。」

「解っています。」

「さてと、祐巳、後ろの女性の相手を、致しましょうか。」

そう言うと振り返る祥子

祐巳も続いて振り返る

「秋華さん。」

驚きの声を上げる祐巳

「闇の束縛からは逃れられない。ねぇ、ダークマリオネット(闇の操り人形)。」

そう言うと身体に異変が走る祥子

「何?何なのこの感じは?」

「お姉さま!!!」

「嫌。祐巳、逃げて。私を置いて、早く!」

「嫌です!お姉さまを置いて逃げるだなんて…。」

「フフッ、やっぱり壊し甲斐があるわね。愛情・友情は。」

「あぁぁぁぁ!!!」

「お姉さま!!!」

叫ぶ祐巳

その直後光に覆われる祥子

光が止むとそこには蹲る祥子と呆然とする祐巳の姿があった

「お姉、さま?」

「さぁ祥子。貴女の横に居る女性を、殺しなさい。」

秋華の言葉に躊躇いも無く祐巳を突き刺す祥子

「…えっ?」

余りに突然の事で唖然とする祐巳

無表情のまま剣を抜く祥子

床を見下ろし血が流れているのを見る祐巳

「夢、ですよね?」

そう言うと床に倒れる祐巳

倒れた時の音を聞き振り返る志摩子

「…嫌、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

志摩子の叫びが、響き渡る

「次は貴女よ、藤堂さん。」

秋華の言葉に志摩子の方を向く祥子

「朱悠さん、貴女小笠原さんに何をしたの?」

「別に、何も。けど、強いて言うなら、彼女が纏っている鎧の力を、引き出しただ

け。」

その言葉に祥子に視線を移す志摩子

「耳に、アンテナ?」

「そぅ。彼女は今やダークマリオネット。いえ、メタルドールと言った方が良いかし

ら?」

秋華の言葉に呆然とし、床に座り込む志摩子

「さぁ、次は貴女の番よ。藤堂志摩子。」

秋華の言葉に歩み寄る聖と祥子

「覚悟は、出来たかしら?」

その言葉に構える2人

今だ呆然とする志摩子

「…やりなさい。」

秋華の言葉に志摩子に対し切りつける2人

その直後

一瞬の閃光の後弾かれる聖と祥子

「なっ!何者?」

「志摩子さん、諦めないで下さい。諦めたら、それ迄です。」

「そうそう。諦めなければ、奇跡は、起きる。」

「何者なのよ!答えなさい!」

秋華の言葉に口を開く二人の女性

「フィーナ=ラス=レイピア。」

「夢野瑠衣。」

「…ルイ、祐巳さんを。志摩子さん、まだ、戦える?」

そう言うと志摩子の前に顔を移すフィーナ

「…フィーナ、さん。」

「祐巳さんはルイが何とかするから。貴女は貴女のすべき事をして。」

「…はい。」

そう言うと立ち上がる志摩子

「さてと、来ないんですか?来ないのなら、こちらから行きます!」

そう言うと瞬時に銀装を纏うフィーナ

「シルバードストライク!!!」

そう言って祥子を貫くフィーナ

「聖浄化治癒(キュレアスレ)」

そう言うと白い光に包まれる祥子

それを見ているルイ

「…こちらも。帰って来て、福沢さん。」

そう言うと祐巳も白い光に包まれる

「さて、次は貴女ですよ。秋華さん。」

そう言うと祥子から槍を抜くフィーナ

それと同時に床に倒れ込む祥子

槍を回し構えるフィーナ

「さて、行きますよ。」

「…面白い。」

そう言うとヴォルケスを構える秋華

「行くよ。」

そう言うと駆け出すフィーナ

 

その後ろで聖と対峙する志摩子

「お姉様。」

そう何回も呟きながら聖と一進一退の攻防を繰り広げる志摩子

ふとその時、声が志摩子の耳に入る

―――強く想いなさい。そうすれば、彼女は元に戻るわ―――

(何?今の。けど、やってみるしかない!)」

そう言うと距離を開け突きの構えで剣を構える志摩子

「強き、想いを。」

そう言うと志摩子の剣が白く光る

「…お姉様、今、助けます。」

そう言うと聖に向い突撃する志摩子

そのまま聖を貫く志摩子

その直後白く光る聖

「…志摩子?」

「…お姉様。」

そう言うと剣を抜く志摩子

「…ゴメン。心配掛けて。」

「良いんです。戻って来てくれたから。」

「志摩子。」

そう言うと志摩子を抱く聖

 

「…どうやら、あっちは私達の勝ちで終わったみたいね。」

そう言うと距離を空けるフィーナ

「だが、まだ負けた訳では無い!!!」

そう言うとヴォルケスの形が変わり秋華に身に纏われる

秋華がヴォルケスを纏うと朱色の剣が出て来る

「…面白い。」

そう言うと槍を仕舞い剣を抜くフィーナ

「行くよ!」

そう言うと同時に駆け出すフィーナと秋華

廊下に何回も独特の金属音が響く

何回かの競り合いの後床に着地するとバランスを崩すフィーナ

それに気付く秋華

「貰った―――!!!」

そう言ってフィーナに突っ込む秋華

それを見てニヤリと笑うフィーナ

「シルバードストライク!!!」

剣を突き出しシルバードストライクを放ち、秋華を貫く

「なっ!」

余りの事に呆然とする秋華

「シルヴェイトだけで繰り出す技じゃないのよ。シルバードストライクは。」

そう言うと剣を抜くフィーナ

そして床に倒れ込む秋華

「…ふぅ。それより福沢さんは?」

そう言うとルイの方を向くフィーナ

ルイはまだ治療を続けていた

ルイの正面に回りこむと銀十字を外し手に持つフィーナ

「ルイ、どいて。」

フィーナの言葉に疑問に想うルイ

「良いから早く!」

その言葉に治療を止めその場から退くルイ

「銀十字よ。その力で彼の者を助けたまえ!クルスヒーリング!!!」

そう言うと銀色の光に包まれるフィーナと祐巳

「夢野さん。」

「待ちましょう。終わるのを。」

「いえ、違います。」

志摩子の言葉に疑問に思うルイ

「お姉様を、お願いします。」

そう言うとそこから去って行く志摩子

「藤堂さん!……彼女まさか一人で。」

「そうみたいね。」

ふと聞こえる女性の声

「彼女、死ぬ気でしょうね。」

「…唯様。」

「ルイ、貴女はここに居て彼女達をお願い。私は、藤堂志摩子の手助けをして来る

わ。」

「…はい。けど、フィーリアは?」

「彼女なら裏で寝てるわ。…頼んだわよ。」

「はい。」

ルイの返事を聞くと志摩子が去って行った方向へと走り去る唯

 

とある部屋

 

ドアを開け中に入る志摩子

「…やっと来たわね。」

「…ロサ・カニーナ。貴女だったんですか。今回の騒動を引き起こしたのは。」

「正解。お陰で面白い物も見れたし。」

ロサカニーナの言葉をただ聞く志摩子

その周囲は、微量の風が、巻き起こっていた

「ロサカニーナ。貴女は、私が倒します。」

「面白い事を言うのね。黒薔薇の君と呼ばれるこの私に逆らうなんて。」

「…やってみなければ、解りませんよ。」

「…そうかしら?…発動(アティア)。」

そう言うと一瞬にして志摩子を飲み込む床から出て来た袋みたいな物体

「口程にも無いわね。」

「それは貴女の方よ。黒薔薇の君。」

ふと聞こえる女性の声

そこには志摩子を抱えた唯の姿があった

「…フェイトね。フフッ、私を裏切るのかしら?」

「裏切るも何も、私は元々光の方なんでね。」

「あらそう。なら、一緒に殺してあげるわ!」

そう言うと魔力を解放するロサカニーナ

「全てを飲み込め!漆黒の壁よ!アークウォール!!!」

そう言うと吹き上げる壁が迫って来る

「飲み込まれて死になさい!!!」

その言葉に対し、気の弾を作る唯

「生憎だけど、勘弁ね。エーテルストライク!!!」

そう言うとその気の弾をアークウォールにぶつける唯

一瞬の発光の後突風が両者を襲う

「きゃあ!」

志摩子を守る唯

突風が止むとロサカニーナの笑い声が聞こえてきた

「素晴らしい。ここ迄私と対等に戦うとは。」

「付け焼刃の力が、長年戦ってきた者に敵うと思ってるのかしら?」

唯の言葉にピクッっと来るロサカニーナ

「けど、彼女が自分自身で決着をつけたいみたいだから、私は手を出さないわ。

…死んじゃ駄目だよ。ロサギガンティア。」

唯がそう言うとその横に聖が立っていた

「お姉様、私も。」

「志摩子は駄目。…これは、私自身の問題だから。」

「でも!」

そう言った瞬間志摩子の首に手刀を当てる唯

「あっ。」

そう言うと気を失う志摩子

その志摩子を抱える唯

「死で解決するのは、私が許さないからね。」

「…解ってる。だから、この聖白装が有るんでしょ?」

「…えぇ。」

そう言うとそこから去って行く唯

唯が去ったのを確認すると構える聖

「行くよ。静。」

そう言うと同時に駆け出す聖と静

「「ハァァァァァァァァァァ!!!」」

叫びながら剣を交わす二人

何回か剣を交わした後距離を空ける2人

「…あまり長引かせるのもどうかと思うから、決めようか?次の一撃で。」

「…そうね。」

そう言うと両者構える

「…行くよ。」

そう言うと駆け出す聖

「黒き力に飲み込まれなさい!D・ストライクノヴァ!!!」

ロサカニーナの技を剣先で受け止める聖

「なっ!!!」

それに驚く

そのまま跳ね上げると一気に突き刺す聖

「元に戻ろう。蟹名静。」

「…無駄よ。私は既に、この世に居ないのだから。」

「えっ?」

「だから、貴女だけは道連れよ。」

そう言うと光るロサカニーナの身体

「嘘、でしょ?」

その直後大爆発を起こす薔薇の館

 

3時間後

 

校庭の片隅

 

「う、う〜ん。」

「目が覚めたみたいね、藤堂志摩子さん。」

「…水月、唯さん。…お姉様は?お姉様はどうなったの?」

「…そこに、居るよ。」

そう言って視線を流す唯

それを追う志摩子

そしてその先には…

「…お姉、様?」

ボロボロに傷付き、倒れている聖の姿があった

「どうして?どうしてお姉様がこんな事に?」

「…あの時、私は先ず貴女を先に転移させ、その後に彼女と一緒に転移しようとし

た。」

「…しようと、した?」

「えぇ。けど、彼女の目が訴えていたの。“来ないで”と。

けど、私は行った。そして彼女から黒薔薇の君を引き離し、転移した。」

「なら!ならどうしてお姉様はこんなにもボロボロなんですか?」

「…力を全て使い、黒薔薇を守ったからよ。」

唯の言葉にショックを受ける志摩子

「…私の推測でしか無いけれど、貴女と同じ位に、黒薔薇が大事だったんでしょう。

彼女は。」

「…治るん、ですか?」

「…えぇ。けどその為には私達が住む羽咲市へと来てもらわなければいけないわ。」

「…お願いします。お姉様を、治して下さい。」

「…解ったわ。藤堂志摩子さん。そして、回復したら貴女に一番に連絡するわ。」

「…ありがとう、ございます。」

 

―――こうして、リリアンに起きた騒動は、終わった

石像にされた二人の薔薇様も、元に戻った

そして薔薇の館は、また建てたみたいです

ただ一人、白薔薇様が帰って来るのを待ちながら

 

半年後

 

リリアン内マリア様の像の前

 

何かを待つ私服の女性が2人、そこに立っていた

そこに歩いて来る一人の生徒

「志摩子!」

ふと一人の女性が名前を叫ぶ

それに気付き顔を上げる生徒

「…お姉様?」

「…元気、してた?」

お姉様と呼ばれた女性、聖がそう言うと聖に駆け寄る志摩子

「もう、大丈夫なんですか?」

「うん。この通り。」

そう言うともう一人の女性の方を見る聖

「色々とありがとうね、水月唯さん。」

「いいえ、私達はただ回復するのを手伝っただけよ。」

「でも、お礼は言う。ありがとう。」

「私からも、ありがとうございます。」

「…ちょ、ちょっと照れるな〜。まぁ良いわ。私はこれで帰るから。」

「寄ってかないんですか?」

「…結構ゴタゴタしててね。ゴメンね。それじゃ。」

そう言うとそこから去って行く唯

「また、会えると良いね。志摩子。」

「…そうですね。お姉様。」

 

報告書

 

××年2月

羽咲市警特殊機動部隊隊長水月唯

 

半年前に私立リリアン女学園で起きた事件について、報告します

 

事件の発端は能力者で有り、魔族で有るフィーリアが同学園2年の生徒をほのめかし

た所から始まる

学園全体を巻き込みながらも怪我人は皆無に等しかった

ただ、一人が重傷、一人が意識不明の重体となった

重傷の生徒は回復。復学を果たしている

もう一人は、今だ目を覚まさない

起きても恐らくあの出来事は覚えていないと予測される

回復した後、元の生活へと戻させる事に致します

今回の事件に関しての詳しい事は資料を別途添付致しますので、そちらの方でご確認

 

羽咲市警特殊機動部隊隊長水月唯

 

 

 

終わり

 

後書き

作「終わりました!長いです!長かったです!」

唯「随分すっきりとした終わり方ね。」

作「うわっ!出た!」

唯「人を化け物みたいに言わないで下さい。」

作「すまんすまん。」

唯「それよりも、如何だったでしょうか?」

紫「私達SF組とマリア様がみているのクロスオーバー作品。」

唯「結構手応えあったのかな?」

紫「どうでしょう?」

唯「それではまた違う作品で会いましょう。」

+唯+紫「ばいば〜い。」

 

 

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