Ogre SID

-死を背負いし剣-

第1話「死神 –死を呼ぶ男-

 

 

 世界は今、混迷に拍車をかけていた。

 突如現れた巨人によって、世界は破壊され、支配された。

 その禍々しい姿から、巨人は「メフィスト」と呼ばれた。

 

 メフィストによる支配完了から1年後、再び激動が起こった。

 支配の絶対的存在となっていたメフィストが倒された。それはメフィストとは違う姿と特徴の巨人だった。

 その巨人の名は、「オーガ」と呼ばれることになった。

 そしてオーガを動かす者は、「アポストル」と呼ばれた。

 

 今の世界に君臨しているメフィスト。多くの人々がその強大な力に怯えて従い、やがてはメフィストの支配が当たり前だと思うようになっていた。

 だが世界の全員がメフィストに従ったり支持したりしているわけではなかった。密かに反逆の意思を持っている者もいた。

 その代表格として世界やメフィストに目を付けられていたのが、「グリムリーパー」という集団だった。

 グリムリーパーは反逆集団の中で1番の戦力を持っていると言われていた。巨人もその戦力の1つと噂されていた。それがメフィスト、あるいはオーガではないかとも。

 

 グリムリーパーの本拠地。そこに集まる面々は、風貌も性格も様々である。

 その中でも異彩を放っていたのは、1人の白い髪の青年だった。

 瞳の色が赤いその青年は、自分に誰も近づけさせまいとする雰囲気を醸し出していた。周りの人も彼を恐れて近づこうとしない者も少なくなかった。

「またアイツがメフィストを倒しちまった・・・」

「ホントにオレたちと同じアポストルなのか・・・!?

「これじゃオレたち、いてもいなくても同じじゃないか・・・」

 廊下の端にいた男たちが、青年のことを呟く。

岸間(きしま)シド・・とんでもないヤツがいたもんだ・・・」

 男の1人が青年、シドに対して息をのむ。この場にいる多くが、シドに脅威を感じていた。

 その脅威は大きな力を持っているだけでなく、シドの性格や言動もだった。

 シドは自分が許せないものに対して、徹底的に怒りをぶつけていた。その相手はメフィストだけでなく、世間の人間や同じアポストルも例外ではなかった。

 シドの怒りを買った者は、世界の裏にいても抹殺される。どのような状況下でも、グリムリーパーに危機が訪れることになろうと、彼は関係ないと思っていた。

 そのため、シドと関わりを持とうとしなかったり、世界の情報を知らせないようにしたりと、対策を立てることになった。

 

 シドは戦いのないときは、1人でいることが多かった。他の者と自分から関わろうとすることはほとんどなく、寡黙に過ごすばかりだった。

 自分の部屋に戻って1人でベッドで横になっていたシド。その最中、部屋のドアがノックされて、シドが顔を上げる。

「またお前だけでメフィストを討ったのか?」

 部屋に入ってきたのは1人の男。グリムリーパーを指揮するハント・ガルブリューである。

「お前の力は本物だ。オレの知っている限りじゃ、アポストルの中で1番の力の持ち主だろう。だがオレたちは部隊だ。独断専行ばかりするものじゃ・・」

「オレはアンタたちの部下や仲間になったつもりはないし、オレの敵を倒すだけだ。アンタも他のヤツも、メフィストを始末できるからいいはずだろう?」

 注意を投げかけるハントに対し、シドは自分の考えを貫こうとする。

「オレはアンタたちの誘いに乗ったときにもそう言ったはずだ。邪魔をするなら誰だろうと容赦しないことも・・」

「そうだったな・・しかし、少しはみんなと仲良くやったほうが、これから先のためにもいいと思うぞ・・」

「オレは馴れ合いはしない・・特にオレを陥れようとするヤツを、オレは野放しにはしない・・・!」

「やれやれ・・これではどうにもならないな・・」

 自分の考えと態度を変えないシドに、ハントは肩を落とすしかなかった。

「これだけは言っておくぞ。お前のその行動のために、このクリムリーパーを脅かすようなマネはするな・・いくらお前でも、メフィストだけでなく、全てを敵に回すことになるぞ・・」

「そんなこと、オレには関係ない・・オレは敵を倒すために全てを捨てた・・もっとも、そう決める前から全てを失ったが・・・」

 忠告を投げかけるハントだが、シドは敵意を消さない。

「この組織は・・いや、世界はお前が考えているほど小さくはないぞ・・・」

 ハントは鋭く言ってから、シドの部屋を後にした。

(たとえ世界全てがオレの敵になっても、オレは全員を倒してでも・・・)

 自分の目的を果たすことだけを考えるシド。そのためなら全てを滅ぼすことになろうと構わないと、彼は考えていた。

 

 メフィスト打倒を主な目的としているグリムリーパー。そこに所属しているアポストルは、任務以外での行動は自由だった。

 ただし一般人にアポストルやグリムリーパーのことを知られてはいけない、騒動を起こさないといった制約が決められていた。

 戦いのことばかりを考えている者がグリムリーパーのアポストルには多く、プライベートで外に出ることはほとんどなかった。

「どいつもこいつも、メフィストと戦うことしか考えていないようだな・・」

「当然と言えば当然でしょう。ここのアポストルにとっては、それが1番の生きがいですからね。」

 シドたちのことを考えるハントに、長い黒髪の女性、シーマ・エリオンが答えてきた。

「シドは相変わらず、取りつく島もないですか?」

「あぁ。アイツは自分の敵を倒すことしか考えていない・・メフィストを倒すことしか・・」

 シーマがシドのことを聞いて、ハントがため息まじりに答える。

「しかし彼のおかげでメフィストを排除できているのは事実だ。彼が来る前は人数不足もあって、メフィスト1体倒すだけでも必死だったからな・・」

「力のほうは評価しますが、チームの一員としては協調性が壊滅的です。何らかの手を打たなければ・・」

「しかし下手に刺激すれば命はない・・シドは同じクリムリーパーだろうと、敵と認識した者を手に掛けた・・たとえ我々全員を敵に回したとしても、彼は生き延びるために戦おうとする・・」

「だから好きにやらせようとする・・気が滅入ります・・」

 シドを気にするハントの言葉を聞いて、シーマが気まずくなる。

「ただ、過激な行動は封じておかなければ・・我々に関する重要な情報は、外部に知られることは避けなければならない・・」

「外のニュースに反応して、シドが独断で飛び出さないようにしなければ・・」

 真剣な面持ちで言うシドと、気を引き締めなおすシーマ。2人が苦悩を深めて、同時にため息をついた。

「レーダーに反応あり!メフィストが現れました!」

 オペレーターの1人、アルマ・アルテマが報告する。

「場所はSR337地点!数は3体です!」

 もう1人のオペレーター、レイラ・ライラも続けて報告する。

「グリムリーパー、出動!オーガを召還し、出撃せよ!」

 ハントがグリムリーパーのアポストルに命令を下す。

「また獲物が出てきたな・・!」

「だけど、またシドにメフィストを取られてしまうんだろうな・・」

 アポストルの青年、ギギ・ブラジオとアロン・ドクシーが呟く。

「そんな弱腰でどうするのよ?そんなんじゃ手柄取られるの前に、メフィストにやられちゃうわよ。」

 すると女性、ヒビキ・カメリアが呆れた素振りを見せながら、ギギたちに言い返す。

「お姉ちゃんの言う通りだよ、みんな。やる前から怖がっていたら、お話にならないって・・」

 ヒビキの妹、ラミアもギギたちに言ってきた。

「そういうことは、シドにやられる前にメフィストを1体でも倒してから言えよ・・」

 ギギが文句を言うと、ヒビキがため息をついた。

「おしゃべりはここまでにしよう。本当にシドに先を越されてしまうわ・・」

 ヒビキが言いかけて、ギギたちが意識を集中した。彼らの体からそれぞれの色の光があふれ出す。

 その光が集まって、それぞれの姿かたちをした巨人へと変わった。アポストルの操る力、オーガである。

 ギギたちが乗ったオーガが空に飛び上がる。オーガはアポストルの思った通りに動くのである。

(アイツにこれ以上好き勝手にやらせないぞ・・今度こそ、オレがメフィストを・・・!)

 シドへの敵対心を募らせて、オーガを加速させる。アロンたちも彼に続いていった。

 

 ギギたちが出撃した直後に、シドも外へ出た。彼はメフィストへの憎悪を募らせて、右手を強く握りしめる。

(メフィストはオレが倒す・・全てを奪ったメフィストを・・・!)

 メフィストを滅ぼすことに怒りをたぎらせるシド。

「オーガ!」

 叫ぶシドの体から赤い光があふれ出す。光は赤と黒の体をした巨人へと変わった。

 シドがオーガの左肩に乗る。彼のオーガが背中から翼を生やして飛び上がる。その翼は悪魔を思わせる形に近かった。

 シドはオーガを動かし、メフィストのいる場所へ急いだ。

 

 現れた3体のメフィスト。メフィストたちは街を攻撃し、破壊を繰り返していく。炎上する街の中、人々が慌ただしく逃げ出していく。

 この街にはメフィストに反抗を企てた人物がいた。敵を排除するために、メフィストは攻撃を仕掛けた。無関係の他の人たちを巻き込むことを気に留めることなく。

 火が広がるその街に、ギギたちが駆けつけた。

「いた!メフィストが3体だ!」

「今回はオレの手で仕留めてやる・・オレの手柄だ!」

 アロンがメフィストたちを指さして、ギギがいきり立つ。

「お前たち、ついてこい!オレの援護をしろ!」

「了解だ、ギギ!」

 ギギが命令を出して、アロンと他の男たちが答える。

 ギギたちのオーガが降下して、メフィストに攻撃を仕掛ける。ギギのオーガがメフィストの1体に向かって拳を繰り出し、メフィストが後ろに下がる。

「さっさとかかってこいよ・・お前らの首をとるのは、このオレだ!」

 ギギが不敵な笑みを浮かべて、メフィストに向かって手招きをする。メフィストが両手の爪を伸ばして、ギギのオーガに飛びかかった。

 ギギが意識を集中して、オーガがメフィストの爪をかわしていく。

「これじゃホントにさっさと終わらせられるな!」

 ギギが言い放って、オーガが握った右手を繰り出した。オーガの拳がメフィストの体を貫いた。

「やった!ギギが仕留めたぞ!」

 アロンがギギの活躍を喜び、他の男たちも満足げの様子を見せていた。

「他のメフィストがそっちに行ったわ!」

 ヒビキが呼びかけて、ギギたちが視線を移す。もう1体のメフィストが伸ばした爪をふりかざして、オーガの1体の腕を切りつけた。

「コイツ・・やってくれたな!」

 傷つけられたオーガを操る男がいら立ちを見せる。オーガが傷を受けたことによる痛みを、男は感じていなかった。

 男のオーガが反撃に出て、拳を振りかざしてメフィストを攻め立てる。回避したメフィストが、オーガと組み合って力比べに持ち込む。

「いいぞ!そのまま押さえておけ!」

 ギギが男に呼びかけて、オーガを向かわせる。2人のオーガが1人のメフィストを押して突き飛ばす。

「よし!このままとどめを刺してやる!」

 ギギがいきり立ち、彼のオーガがメフィストに向かって突っ込んだ。

 そのとき、オーガに向かって大量の針が飛んできた。

「何っ!?

 ギギが驚きの声を上げて、オーガ2人の体に針が刺さる。

「うぐっ!」

 男の体にも針が数本突き刺さった。残りのメフィストが両手から針を連射したのである。

 針が体に刺さった男が吐血して、倒れて動かなくなった。

「おい・・!」

「オレたちは離れるぞ!オーガが傷ついても、オレたちにダメージはないんだからな!」

 アロンが愕然となり、ギギが呼びかける。ヒビキたちが離れる中、アロンはその場から動くことができない。

「アロン!」

 ギギがとっさにアロンの腕をつかんで、強引に連れていく。オーガたちが反撃をしようとするが、メフィストが放つ針で近づくことができない。

「いくら私たちにダメージがないからって、これでは近づくこともできない・・・!」

「オーガの力を発揮させるしかないね、お姉ちゃん・・!」

 ヒビキが焦りを噛みしめて、ラミアが集中力を高める。ラミアのオーガの右手から光が出て、1つの銃に変わった。

「行くよー!狙い撃ちにしちゃうんだからー!」

 ラミアが高らかに言い放ち、オーガが銃を構えて発砲する。弾丸は光になっていて、オーガ、あるいは銃が実体化している限り、何発でも撃てる。

 オーガが撃った弾だが、メフィストの放った針に弾かれて相殺される。

「これじゃキリがないよ・・!」

「そのまま撃ち続けろ、ラミア!その間にオレが仕留める!」

 焦りを見せるラミアに、ギギが呼びかける。彼のオーガが光を出して、斧を具現化する。

 オーガが針を飛ばすメフィストに向かっていく。すると別のメフィストが両腕を刃に変えて、オーガが振り下ろした斧を受け止めた。

「コイツ・・そんなに倒されたいなら、望みどおりにしてやるよ!」

 ギギがいら立ち、オーガが斧に力を込める。斧がメフィストの刃の1本を折ったが、もう1本がオーガの右肩に突き刺さった。

 右肩を負傷したオーガが、右手から斧を落としてしまう。

「くっ!・・オーガの右手を思うように動かせない・・!」

 オーガが斧をうまく拾えなくなり、ギギが毒づく。オーガから刃を引き抜いて、メフィストが再び刃を突き出した。

 そのとき、急降下した1人のオーガがメフィストの刃の上に乗っかり、地面に押し付けた。その衝撃で刃が折れ、メフィストの地面に叩きつけられた。

「あのオーガ・・シドが来ちゃったよ・・!」

 アロンがそのオーガを見て、動揺を膨らませる。オーガに乗っていたシドが降りて、集中力を高める。

 オーガがそばにいるメフィストのほうへゆっくりと振り向く。メフィストが折れている刃を、オーガ目がけて振りかざした。

 オーガが握りしめた右の拳が、メフィストの刃をさらに打ち砕いた。オーガの打撃はそのままメフィストの体に直撃し、めり込んで突き飛ばした。

 体から血をあふれさせて倒れたオーガが、力尽きて消滅した。

「コイツ・・また出しゃばりやがって・・後からのこのこ来て、手柄を横取りするつもりか!?

 ギギがいら立ちを募らせて、シドに近づいていく。

「メフィストはオレが倒す・・邪魔をするならそいつも敵だ・・・!」

 シドは鋭く言って、ナイフを取り出して切っ先をギギに向けた。

「こ、このヤロー・・!」

 怒りを募らせるギギだが、これ以上抵抗してもシドに殺されるだけだと痛感して、手出しができなくなった。

 残りのメフィストがシドのオーガに向かって、針を飛ばす。オーガは回避も防御もせずに、真正面から突っ込む。

 針が体に当たったオーガだが、ものともせずに加速を続ける。オーガが拳を繰り出すが、メフィストが上空に飛んで回避する。

「逃がしはしないぞ・・・!」

 シドが目つきを鋭くして、オーガが手から光を出す。光は剣に形を変えて、オーガの右手に握られる。

 オーガが背中から翼を生やして羽ばたかせる。飛翔したオーガがメフィストを追いかけて、剣を振りかざした。

 剣がメフィストの体を斬りつけて両断した。メフィストが血しぶきをまき散らしながら落下して、地上に落ちる前に消滅した。

「強い・・あれが、シドのオーガ・・・!」

 アロンがシドと彼のオーガを見て、驚きを隠せなくなる。シドがオーガを消して、1人で立ち去ろうとした。

 そのとき、シドが突然足を止めた。彼の前に1人の少女がいて、ふらふらと歩いていた。

「あの人、この街にいた人なのかな・・!?

「安全なところに連れていくぐらいはしてあげないとね・・」

 ラミアが声を荒げて、ヒビキが呟きかける。2人が少女を助けようと近づいていく。

「大丈夫?ケガとかしてない?」

「あ・・こ、来ないで・・来ないで、メフィスト・・!」

 ラミアが手を差し伸べると、少女が震えて離れようとする。

「もう大丈夫だよ。メフィストはやっつけたから・・」

 ヒビキも心配して、少女に手を差し伸べた。

「来ないで!」

 少女が恐怖して悲鳴を上げた。次の瞬間、少女の体から青い光があふれ出した。

「えっ!?

「この光・・!」

 ラミアとヒビキが少女を見て驚愕を覚える。少女から出る光が人の形へと変わりつつあった。

「この子、もしかしてアポストル・・・!?

 ヒビキが少女の正体を目の当たりにして、困惑を感じていく。

「ミリィ様!」

 そこへもう1人の少女が駆けつけて、青い光を出していた少女、ミリィ・エスポランスのそばに来た。

「ミリィ様、しっかりしてください!ミリィ様!」

「・・エ・・エリィ・・・」

 呼びかける少女、エリィ・ハーツにミリィが弱々しく声を発する。青い光が消えて、ミリィが倒れてエリィに支えられる。

「ギギ・・今の光・・・!」

「あぁ・・あの女もアポストルだ・・・!」

 アロンが動揺を見せて、ギギが小さく頷く。

「アポストルを見つけたらグリムリーパーに連れていく。それも私たちの任務の1つよ。」

 ヒビキが冷静に言って、ラミアが動揺を隠して頷いた。

「2人とも、一緒に来てほしいんだけど・・」

「何ですか、あなたたちは!?私たちはすぐに避難します!ここにいては危険です!」

 ラミアが手を差し伸べるが、エリィがミリィを守ろうと後ずさりしていく。

「危険って・・私たちはただ、メフィストをやっつけてるだけなのに・・」

「私たちは平和に暮らしてきただけです!メフィストにもアポストルにも、私たちの平穏な日常を壊す権利はありません!」

 ラミアが困った顔を見せるが、エリィが必死に呼びかける。その直後、ヒビキがエリィの後ろに回って、彼女の後ろ首に手刀を叩き込んだ。

「な・・何を・・・!」

 エリィが気絶して、ミリィとともにうつ伏せに倒れた。

「連れていくわ。ラミア、このメイドさんをお願い。」

「えっ!?この子も連れていくの!?

 ミリィを背負うヒビキに、ラミアが驚きを見せる。

「この子もアポストルかもしれないじゃない。違ったとしたら、上が対処してくれるわよ・・」

「ちょっと無責任になってるかも・・」

 ヒビキの口にした言葉に、ラミアが呆れる。

「それじゃ行くよ、ラミア。」

「お姉ちゃん、置いてかないでー!」

 ミリィを連れて歩き出すヒビキを、ラミアがエリィを抱えて慌てて追いかける。

 ヒビキたちに連れていかれるミリィを、シドは無表情で見送っていた。

(シド・・いつまでもいい気になれると思うな・・メフィストだけじゃなく、お前も必ず仕留めてやるからな・・!)

 ギギがシドに対する怒りを募らせていく。

「行くぞ、お前ら・・!」

「あ、あぁ、ギギ・・」

 呼びかけるギギに、アロンが答える。彼らも街を後にする。シドもオーガに乗って、街を去っていった。

 

 

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