仮面ライダーマックス

不滅のライダーカード

第6章

 

 

 裏の邪悪な人格が表に出たミラ。彼女は発している黒いオーラを身にまとって、漆黒の怪人へと変わった。

「ミラさん・・こんなことになるなんて・・!」

「完全に悪い人格に支配されてしまっているみたい・・・!」

 タイチとツバキがミラの変貌に驚きを隠せなくなる。

「あなたの鋭い信念が砕けるところを見させてもらうわ・・」

 ミラが笑みをこぼすと、手を振りかざして黒い光を放つ。周囲が爆発を起こして、ノゾムが吹き飛ばされる。

「ぐあっ!」

 ノゾムが地面に叩きつけられてうめく。

「ノゾム!・・アイツ、ミラなのか・・!?

 駆けつけたソウマが、怪人となっているミラを目にする。

「あなたも戻ってきたのね。2人そろっても私には敵わないけどね。」

 ミラがソウマを見て、さらに笑みをこぼす。

「これ以上お前の好きにさせるか!」

 ソウマが怒りを覚えて、ミラに飛びかかる。ミラが放つ光の玉とその爆発をかいくぐって、ソウマが彼女に詰め寄っていく。

 ソウマがスピードを上げたまま、ミラにキックを繰り出す。しかしミラは軽やかにキックをかわしていく。

「あなたの自慢のスピードも、私の前では大したことはないようね・・」

 ミラはあざ笑うと、ソウマに光をぶつける。

「ぐっ!コイツ!」

 ソウマが踏みとどまって、ミラに向かって再びキックを繰り出す。ミラは後ろに下がってキックをかわしていくが、建物の壁際に追い詰められる。

「これでよけきれないだろ!」

 ソウマが笑みをこぼしてから、右足を振りかざす。ミラは後ろに飛ぶと、水に入るように窓ガラスの中に飛び込んだ。

「何っ!?

 姿を消したミラにソウマが驚く。周りを警戒する彼のそばにある水たまりから、ミラが飛び出してきた。

 気付いて振り返ったソウマが、ミラの放った衝撃波で吹き飛ばされる。

「ソウマくん!・・鏡みたいに姿を映すものを通り抜けることもできるの!?

「強いだけじゃなくて、能力もすごいじゃないか・・!」

 ツバキとタイチがミラの強さに驚くばかりだった。

「いくら別人格だとしてもな、もう容赦できないぞ!」

 ノゾムが怒りの声を上げて、ミラに向かっていく。ソウマもすぐに立ち上がって、彼に続く。

 ノゾムがパンチを、ソウマがキックを同時に繰り出す。ミラは後ろに飛んで2人の攻撃をかわすと、両手を前に出して光を放つ。

 光は3枚の鏡に変わって、ノゾムたちを取り囲むように置かれた。

「何だ、これは・・!?

「まさか!?・・やばい、よけろ!」

 ノゾムが警戒すると、ソウマが緊張を覚えて呼びかける。3枚の鏡から光が飛びだしてきて、ノゾムとソウマに命中していく。

「ノゾム!」

「ソウマくん!」

 倒れた2人にタイチとツバキが叫ぶ。3枚の鏡は消えて、倒れたノゾムたちを見下ろしてミラが微笑む。

「あなたたち2人がかりでも、私には勝てない。たとえライダーの力を合わせても、私の邪魔はできないのよ。」

「ライダーの力・・・アンタ、ライダーを甘く見ているな・・・!」

 勝ち誇るミラに、ノゾムが立ち上がって言い返す。

「今のオレたちはオレたちだけじゃない・・ライダーの強さが込められているんだ・・!」

「誰であっても、ライダーの強さと信念を消すことはできない・・!」

 ノゾムに続いてソウマも立ち上がって言い放つ。2人もミラに立ち向かうことを諦めていない。

「見せてやるか、先輩ライダーのすごさを!」

「オレたちに貸してもらいますよ・・・!」

 ソウマとノゾムが声をかけ合って、それぞれ1枚ずつライダーカードを取り出した。

“1号!!”

“ダブル!”

 ノゾムとソウマがビースドライバーに1号カード、Wカードをセットして、左上のボタンを押した。

“チャージ・1号!ライダーキック・ライダーパンチ・テクニックファーストライダー!”

“チャージ・ダブル!2人のライダー・ダブルライダー・サイクロンジョーカー!”

 2人が1号ライダーとWの姿と力を身に宿した。

「姿を変えたところで、私を倒せるわけがないわ。」

 ミラが笑みをこぼして、ノゾムたちに向かって光の球を放つ。ノゾムとソウマが素早く動いて光の球をかわして、ミラに向かっていく。

 さらにスピードを上げたソウマの繰り出すパンチとキックを、ミラが軽やかにかわす。しかし彼女は余裕を感じられなくなっていた。

 そこへノゾムがミラの後ろに回り込んできて、足を振り上げて背中にキックを当てた。

「うっ!」

 攻撃を当てられてうめくミラ。彼女はとっさに両手を伸ばして光の壁を出して、ノゾムとソウマを引き離す。

「まだまだこんなもんじゃないんだぜ・・!」

 ソウマが笑みをこぼして、ノゾムとともにビースドライバーの左上のボタンを2回押した。

“1号チャージ!ライダースマーッシュ!”

“ダブルチャージ!ライダースマーッシュ!”

 ノゾムとソウマが同時にジャンプして、キックを繰り出す。ソウマの体が縦半分に分かれてずれる。

「ライダーキック!」

「ジョーカーエクストリーム!」

 ノゾムとソウマのキックが、ミラの出した光の壁を打ち破った。

「そんな!?私が押されている!?

 ミラが劣勢を感じて緊張を浮かべる。

「この勢いでどんどん行くぞ!」

「そのつもりだ!」

 ソウマとノゾムが声をかけ合う。

RX

“2号!”

 ノゾムとソウマがRXカードと2号カードをビースドライバーにセットして、左上のボタンを押した。

“チャージ・アールエーックス!リボルパワー・エックスパワー!サンシャインライダー・アールエーックス!”

“チャージ・2号!ライダーパワー・ライダージャンプ・パワーセカンドライダー!”

 2人がRXと2号の姿と力を身に宿した。

「また別の仮面ライダーに変わった・・!」

 ミラがノゾムたちを見て警戒を見せる。ノゾムたちが構えを取ってから、ミラに向かって飛びかかる。

 ノゾムとソウマの重みのあるパンチが命中して、ミラを押していく。

「いいぞ、2人とも!その調子で行けー!」

 タイチがノゾムたちに声援を送る。ノゾムたちが同時に繰り出したパンチを受けて、ミラが大きく突き飛ばされる。

「このまま押し切る!」

 ソウマが言い放って、ビースドライバーの左上のボタンを2回押した。

“2号チャージ!ライダースマーッシュ!”

 彼が右手を握りしめて、ミラに向かってジャンプする。

「ライダーパンチ!」

 ソウマが繰り出したパンチを叩き込まれて、ミラの体から火花が散った。

RXチャージ!ライダースマーッシュ!

 ノゾムもビースドライバーの左上のボタンを押して、リボルケインを手にした。

「リボルケイン!」

 ノゾムがジャンプして、ミラに向かってリボルケインを突き出す。彼の突きは命中したが、それはミラの姿を映した鏡だった。

「鏡を使っての変わり身の術ってヤツか・・!」

 ノゾムが毒づいて視線を横に向ける。自ら作り出した鏡を身代わりにして、ミラは移動していた。

「やってくれるな・・だったら!」

BLACK

 ソウマは笑みをこぼしてから、ビースドライバーにBLACKカードをセットした。

“電王!”

 ノゾムも電王カードをビースドライバーにセットした。

“チャージ・電王!モモ・ウラ・キン・リュウ・トレインライダー!クライマックスライダー・電王!”

“チャージ・ブラーック!ブラックサン・バトルサン!キングストーンライダー・ブラーック!”

 ノゾムとソウマが電王とBLACKの姿と力を身にまとった。

「オレ、参上!・・って、またかよ・・!」

「そういうのはもういいって・・」

 勝手にポーズを決めたことに滅入るノゾムに、ソウマも呆れる。

 ミラが再び鏡を作って、ノゾムたちを惑わせようとする。

「何度も同じ手が通用してたまるか・・!」

 ソウマが言いかけて集中力を高める。彼の目が本物のミラの居場所を捉えた。

BLACKチャージ!ライダースマーッシュ!

 ソウマがその鏡に向かって走り込んで、ジャンプしながらのキックを繰り出した。鏡が割れる直前にミラが飛び出して、キックをかわす。

「私の居場所が見抜かれるとは・・!」

「よそ見をしている暇はないぞ!」

 毒づくミラにノゾムが呼びかけて、ソードモードのデンガッシャーを手にした。

“電王チャージ!ライダースマーッシュ!”

「行くぜ、オレの必殺技!」

 ノゾムが振りかざしたデンガッシャーの刀身が飛んで、ミラの体を切りつけた。

「ぐっ!・・このまま私がやられるなど・・・!」

 ミラが痛みを感じてうめき声を上げる。

「どんどん行くぞ!」

 ソウマが呼びかけて、ノゾムが頷く。

“オメガ!”

“ビルド!”

 ノゾムとソウマがオメガカードとビルドカードをビースドライバーにセットした。

“チャージ・オメガー!スピリットパワー・ソウルパワー!エンドレスオメガライダー!”

“チャージ・ビルドー!サムズアップ・ビルドアップ・フィジックス・ビルドライダー!”

 2人はそれぞれオメガとビルドの姿と力を身にまとった。

「オレたちのベストマッチは、まだまだ続くぞ!」

 ソウマが言い放って、ノゾムとともに走り出す。

「私の力、甘く見ないことね!」

 ミラが笑みをこぼして、自分の体を3体に分けた。そのうちの2人がノゾムたちを迎え撃つ。

「偽者というわけじゃないみたいだな・・!」

「でも強さは本物ほどじゃない!」

 ノゾムとソウマが言いかけて、ミラの分身に立ち向かう。

 ノゾムがパンチの連続をミラに叩き込んで、左足を突き出して蹴り飛ばす。ソウマがミラの放つ光の球をかわしたり手ではじいたりして、ジャンプして足を延ばして、彼女の背中にキックを当てる。

「1対1でも形勢逆転できないというの・・!?

 ミラがノゾムとソウマに対して、動揺を隠せなくなる。

「2対2でもオレたちには勝てないってことも教えてやる!」

 ソウマが言い放って、ノゾムとともにビースドライバーの左上のボタンを押した。

“オメガチャージ!ライダースマーッシュ!”

“ビルドチャージ!ライダースマーッシュ!”

 エネルギーのグラフが目の前に現れて、ノゾムとソウマがジャンプする。まずはソウマがグラフの上を滑るようにキックを繰り出して、ミラの分身の1人を蹴り飛ばして爆発した。

「ライダーキック!」

 続けてノゾムが時間差でグラフの上を滑ってキックを繰り出して、ミラの分身に当てて倒した。

「次は本物のほうだ!この調子で行くぜ!」

「アンタの悪い顔、オレたちがブッ倒してやる!」

 ソウマが意気込みを見せて、ノゾムがミラに向かって言い放つ。

“エグゼイド!”

“ファイズ!”

 ノゾムとソウマがエグゼイドカードとファイズカードを、ビースドライバーにセットした。

“チャージ・エグゼーイド!レッツゲーム・メッチャゲーム・ムッチャゲーム・エグゼイドライダー!”

“チャージ・ファーイズ!ワン・ツー・スリー・フォー・ゴーゴゴー!エクシードライダー・ファイズ!”

 2人がエグゼイドとファイズの姿と力を身にまとった。

「何度も他のライダーの力で勝てると思わないことね・・・!」

 ミラが言い放つと、自分の左右に鏡を作り出した。合わせ鏡に映った大勢のミラの姿が、彼女と1つになってパワーを引き上げた。

「これで終わりよ、仮面ライダー!」

 ミラは言い放つと、ノゾムたちに向かって歩き出す。数歩進んだ直後、彼女の姿が彼らの前から消えた。

「何っ!?うっ!」

「ぐあっ!」

 目にも留まらぬ速さのミラの打撃を受けて、ノゾムとソウマが突き飛ばされた。

「は、速い!・・オレが反応もできなかった・・・!」

 立ち上がるソウマがミラの動きに毒づく。

「速さだけではないわ!力もあなたたちを超えている!」

 ミラが言い放つと、全身から光を放出した。

「うあっ!」

 ノゾムとソウマが光に吹き飛ばされて、ツバキとタイチもたまらず伏せる。ノゾムとソウマが痛みを感じながら、立ち上がってミラに視線を戻す。

「ソウマ、同時攻撃やるぞ!」

「分かった、ノゾム!」

 ノゾムとソウマが声をかけ合って、ビースドライバーの左上のボタンを押した。

“エグゼイドチャージ!ライダースマーッシュ!”

“ファイズチャージ!ライダースマーッシュ!”

 2人が同時にジャンプして、ミラに向かってキックを繰り出した。しかしミラが放った光に押されて、彼らが吹き飛ばされた。

「ノゾム!」

「ソウマくん!」

 地面に倒れたノゾムとソウマに、ツバキとタイチが叫ぶ。立ち上がるノゾムたちだが、ダメージは大きくなっていた。

「あのスピードとパワー・・あの無敵状態と同じだ・・!」

「無敵に対抗するには、同じ無敵にならないと・・!」

 ノゾムとソウマが今のミラの状態を把握する。

「だったらオレも、アレにならなくちゃならないようだな・・!」

 ノゾムが思い立って、集中力を高める。

「もう1度、オレに力を貸してくれ・・ミラのあの人格をブッ倒す・・・!」

 声と力を振り絞るノゾム。すると彼の前に1枚のカードが現れた。

「出た!アンリミテッドだ!」

 ノゾムがライダーカード「アンリミテッドカード」を手にした。

“アンリミテッド!”

 彼はアンリミテッドカードをビースドライバーにセットした。

「オレの怒りは限界突破!」

“チャージ・アンリミテーッド!ムテキ・カゲキ・エグゼイド!スピリット・スパイラル・オメガ!アンリミテッド・マーックス!”

 ビースドライバーから音声が出て、マックスのスーツが金色へと変わって、輝きときらめきをあふれさせた。彼はエグゼイド・ムテキゲーマーとオメガ・スピリットフォームの力を宿した「アンリミテッドフォルム」となった。

「またその姿になった・・!」

 ソウマがノゾムの姿を見て戸惑いを覚える。

「何度も言わせないで・・どんな姿になっても、私には敵わないのよ!」

 ミラが言い放って、超高速でノゾムに詰め寄った。しかし彼女が振り下ろした右腕を、ノゾムが左腕で防いだ。

「えっ!?

 攻撃を止められたことにミラが驚く。ノゾムが一瞬で彼女の後ろに回り込んだ。

「なっ!?うあっ!」

 振り返ったミラがノゾムの高速のパンチを受けて突き飛ばされる。

「ア、アイツも高速に・・!?

 ミラが動揺しながら、後ろに下がりながら光の球を放つ。だがノゾムに高速でかわされて、一気に詰め寄られてキックを体に叩き込まれる。

「そんな!?私が手も足も出ないなんて!?

 ミラが追い詰められて驚きをあらわにする。

「今のミラが、ホントのミラを支配しているっていうなら、オレは今のミラだけを倒す・・!」

 ノゾムが言い放って構えを取る。彼はミラの裏の人格だけを倒そうとしていた。

“アンリミテッドチャージ!ライダースマーッシュ!”

 ビースドライバーの左上のボタンを2回押して、ノゾムが全身に光をまとう。彼の後ろに1号、2号、BLACKRX、ファイズ、電王、オメガ、W、エグゼイド、ビルドの姿が現れた。

「ライダーたちが勢ぞろいだ・・!」

「こんなにすごいパワーが出ているのを見ているなんて・・!」

 タイチとツバキがノゾムとビルドたちを見て、驚きと戸惑いを浮かべる。

「オレにもライダーの力は宿っているんだ!」

 元のフォックスの姿に戻ったソウマも、言い放って身構える。

“フォックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”

 彼も右足にエネルギーを集めて、ノゾムと一緒にジャンプする。ビルドたちの幻影も同時にジャンプする。

「ライダーキック!」

 ライダーたちのキックがミラの体に叩き込まれた。

「ぐあぁっ!」

 ノゾムたちのキックのエネルギーが体を駆け巡って、ミラが絶叫を上げる。彼女の体から黒いオーラがあふれ出す。

「私は消えない・・私が世界を混乱させてやるのよ・・!」

 絶叫を上げるミラ。彼女の邪悪な人格が、黒いオーラとともに霧のように消えていった。

「ミラさん!」

 タイチが飛び出して、ツバキも追いかけてミラのところへ駆けつける。倒れかかったミラをタイチが支えて、ツバキとノゾムたちも駆け寄った。

「ミラさん、しっかりして!僕たちが分かる!?

 タイチが呼びかけると、ミラが閉ざしていた目を開いた。

「わ・・私・・・」

「ミラさん、元に戻ったんだね!」

 声を発するミラに、タイチが喜びを見せる。

「もう1つの私を感じない・・倒してくれたのね・・・?」

 ミラが声をかけて、ノゾムとソウマが小さく頷いた。

「ありがとう・・私を助けてくれて・・・」

「オレはアンタのもう1つの人格の考え方が許せなかったから戦った。それにただブッ倒して、アンタそのものがどうかなるのも後味悪いと思ったし・・」

 感謝をするミラに、ノゾムが自分の考えを口にする。

「これで終わったのか?・・悪い人格は、消えたってことなのか・・・?」

「今は私の中にいないわ・・でも、いつまたあのような悪い自分が出てくるか分からない・・・」

 ソウマが問いかけて、ミラが悲しい顔を浮かべて答える。

「それはアンタ次第じゃないのか?負けてたまるかって気持ちを持てば、何とかなるもんじゃないか・・?」

 ノゾムが投げかけた言葉を聞いて、ミラが戸惑いを見せる。

「私次第で、悪い私を乗り越えられる・・」

「ミラさんだって強い人だよ。だからあなたも、どんなことも乗り越えられるよ。」

 言いかけるミラにタイチが励ましを送る。

「ありがとう、みんな・・あなたたちと出会わなかったら、私は闇に囚われたままだった・・」

 ミラがノゾムとソウマに目を向けてお礼を言う。

「オレたちだけの力じゃない・・」

“スリービースト。”

 ノゾムとソウマがライダーカードをビースドライバーから取り出して、変身を解いた。すると2人が持っているライダーカードが光になって消えていった。

「また、役目を終えたってことか・・力を貸してくれて、ありがとう・・・」

 アンリミテッドカードと全てのライダーカードに感謝を感じて、ノゾムが笑みをこぼした。

「他のライダーたちが力を貸してくれたから、オレたちはアンタを助けることができたんだ。」

「それでも私は、あなたたちに感謝しているわ・・」

 ソウマが励ましの言葉をかけて、ミラが微笑みかける。

「私はこれからきっと、自分の中にある闇が生まれたとしても負けることはない・・あなたたちから、負けない強さを教えてもらったから・・」

 ノゾムたちに思いを告げると、ミラが宙に浮かび上がった。

「私は戦うわ、自分自身と・・そして強く生き続けるよ・・」

「ありがとう、ミラさん!また会おうね!」

 言いかけるミラを、タイチが手を振って見送る。ツバキとソウマもミラを見つめて、ノゾムも小さく頷いていた。

 ノゾムたちに見送られながら、ミラは光とともに姿を消した。

(ミラ、オレたちと会ったアンタが、オレたちに力を届けてくれたんだよな?・・オレはアンタにも感謝している・・・)

 ミラとの出会いがライダーの力を借りることにつながった。ノゾムは心の中で、彼女に礼を述べていた。

(そしてオレはオレの戦いを続ける・・ライダーのみんなが、それぞれの思いを貫いて戦いを続けたように・・・!)

 歴代の仮面ライダーの強さと歴史を胸に秘めて、ノゾムは彼らに負けないよう戦い続けることを決意するのだった。

 

 

の他の小説に戻る

 

TOPに戻る

inserted by FC2 system