ザ・グレイトバトル外伝

ウルトラマンフォース

-光の戦士の大決戦-

第5章

 

 

 ギャラクシーバスターの直撃を受けて、ジャッカル星人の戦艦は撃墜した。戦艦が墜落した場所に、炎が舞い上がっていた。
「やった・・宇宙人の主力を叩いたぞ・・!」
「これで一気に数が減った・・・!」
 ギンとカナタが燃える戦艦を見て喜ぶ。
「なかなかやるな、ウルトラマンと地球人たちよ・・」
 そのとき、炎の中から声が響いてきて、陽輝たちが緊張を覚える。巨大化したジャッカルとジャッカル星人数人が炎から外へ出てきた。
「宇宙人の生き残りか・・!」
 カナタがジャッカルたちを見て緊張を覚える。
「我々をここまで追い込むとは、大したものだ・・だがそのために、お前たちは本当の地獄を思い知ることになる・・」
 ジャッカルが笑みをこぼして、フォースたちに言いかける。
「この戦艦は所詮は移動手段と力の温存のための兵器に過ぎん。お前たちを滅ぼすことは、オレの力で事足りるのだ・・!」
 ジャッカルが目を見開いて、全身にエネルギーを集めていく。
「くらえ、この宇宙大魔王、ジャッカルの破壊光線を!」
 ジャッカルが両手を広げて、全身から光線を発射した。
「危ない!」
 カナタが叫んで、デッカーが再びドルネイドブレイカーを放った。しかし十分にエネルギーを溜められなかった炎の拳は、光線に押されていく。
「デッカー、伏せろ!」
 フォースが飛び込んで、横から飛びついてデッカーを光線から引き離す。光線がギャラクシーバスターに命中して、その砲門を削った。
「ギャラクシーバスターが・・・!」
「ヤツらの戦艦の主砲以上の威力の光線だ・・!」
 ナツと陽輝がジャッカルの光線の威力に驚く。
「イズル、大丈夫か!?応答しろ!」
「はい・・しかし、ギャラクシーバスターが破壊されてしまいました・・・!」
 トウジが心配の声を掛けて、イズルが報告する。イズルは寸前で退避して無事だったが、ギャラクシーバスターは大きく損傷を被った。
「ギャラクシーバスター、感謝するぞ・・・イズル、こちらに戻ってくるんだ・・!」
「了解・・!」
 トウジに呼ばれて、イズルは彼のいる作戦室に戻っていった。
「どうだ、ウルトラ戦士と地球人どもよ!お前たち程度の数と戦力ならば、オレ1人がやってもお釣りが来るというものよ!」
 ジャッカルが自分の力を誇示して、高らかに笑う。
「その上オレの部下もいるのだ。お前たちに勝機など皆無!」
 彼が勝ち誇って、ジャッカル星人たちがフォースたちに対して攻撃態勢に入る。
「我々がジャッカルたちを止めるしかない・・今のGフォースは・・いや、地球は危機的状況にある・・!」
「みんなが全力を出して戦った!私たちが戦わないわけにいかないよね!」
 フォースとセレーナがジャッカルたちと戦う決意を強めた。
「この地球はオレたちが守る!お前たちの思い通りにはさせないぞ!」
 デッカーも起き上がって、カナタが言い放つ。
「バカめ!お前たちだけで我々をどうにかできると思っているとはな!」
「それが我々の使命であり、願いなのだ・・!」
 ジャッカルが言い返すと、フォースが自分たちの意思を口にする。
「それが我々の前では愚かな考えでしかないことを、思い知るがいい!」
 ジャッカルがため息混じりに言って、ジャッカル星人たちがフォースたちに襲い掛かってきた。
「部下の宇宙人たちはオレに任せてください!」
 カナタが呼びかけて、デッカー・ミラクルタイプのウルトラディメンションカードを手にした
“ウルトラディメンション!”
 彼はウルトラディメンションカードをウルトラDフラッシャーに装てんした。
「飛び出せ、ミラクル!デッカー!」
 カナタがウルトラDフラッシャーのトリガーを押して、空へ掲げた。
“ウルトラマンデッカー・ミラクルタイプ!”
 デッカーがミラクルタイプに変身して、ジャッカル星人たちを迎え撃った。
「セレーナ、私たちはあの宇宙人の首領を倒すぞ!」
「分かったわ、フォース!」
 フォースが呼びかけて、セレーナが頷く。
「たとえウルトラ戦士であろうと、何人束になってもオレには勝てはせんぞ!」
 ジャッカルが笑い声を上げて、両手から光線を発射した。フォースとセレーナが光線をかわして、ジャッカルに向かっていく。
「クレッセントブーメラン!」
 セレーナが右手を振りかざして、三日月の形の光の刃を放った。しかしジャッカルに左手で軽々とはじかれた。
「フォーススラッシュ!」
 フォースも続けて光の刃を飛ばすが、これもジャッカルに手で打ち砕かれた。
「蚊トンボを飛ばすな・・鬱陶しいだけだ・・・!」
 ジャッカルがため息混じりに言って、さらに光線を放った。
「ぐっ!」
 フォースたちが光線をぶつけられて、痛みを覚えてうめく。2人が光線に押されて、地面に叩きつけられる。
「出力が最大でなくても、これほどの威力があるのか・・・!」
「ジャッカル・・本当に強い・・・!」
 フォースとセレーナがジャッカルの力の高さに危機感をふくらませる。
「こっちもパワーを引き上げないとやられてしまうぞ・・!」
 陽輝が言いかけて、フォースガンダムに目を向ける彼はフォースブレスの画面をスライドして、マークを表示させた。
「フォースアーマー!」
 フォースガンダムが変形して、フォースアーマーとなってフォースに装着された。
「小細工をしたところで、オレの敵ではない・・!」
 ジャッカルが笑みを浮かべて、フォースに向かっていく。
「真正面から戦いを仕掛けてくるのか・・!」
「それだけ自分の力に絶対の自信を持っているってことなのか・・・!」
 フォースと陽輝がジャッカルへの警戒を強める。
「くらえ!」
 ジャッカルがパンチを繰り出して、フォースアーマーに当てた。力の高まっているフォースだが、ジャッカルのパンチに押された。
「フォースアーマーが押された!?・・それだけヤツのパワーが高いのか・・!」
 陽輝がジャッカルに対して毒づいて、フォースが体勢を整える。
「フォース・・!」
「下手にアイツに近づくな、セレーナ!肉弾戦もヤツは強いぞ!」
 近寄ろうとしたセレーナを、フォースが呼び止める。
「セレーナ、私たちは遠くからフォースと陽輝を援護しよう・・・!」
「うん・・フォース、気を付けて・・・!」
 ナツの言うことを聞いて、セレーナがフォースに言って後退する。
「まずは貴様からだ、ウルトラマンフォース!」
 ジャッカルが言い放って、再びフォースに向かっていく。
「フォースチャージナックル!」
 フォースがエネルギーを集めた右手のパンチを、ジャッカル目がけて繰り出した。ジャッカルもパンチを出してぶつけ合って、激しい衝撃を巻き起こす。
「互角・・フォースアーマーのパワーでも、ジャッカルに勝てない・・・!」
 陽輝がジャッカルの戦闘力への脅威を痛感していく。
「パワーを上げてその程度か?拍子抜けだと言っておくぞ・・・!」
 ジャッカルがあざ笑って、両手にエネルギーを集めていく。
「本当の地獄はここからだぞ・・!」
 ジャッカルが手から光線を発する。1発目の光線をエネルギーを集めたパンチで破ったフォースだが、2発目の光線を当てられて吹き飛ばされる。
「フォースアーマーでもやられてしまう・・・!」
「他のフォースアーマーで対応するしかない・・!」
 陽輝とフォースが焦りを噛みしめる。陽輝がフォースブレスの画面をスライドして、マークを表示させた。
「ファーストアーマー!」
 フォースから1度分離したフォースガンダムが、新たな形に変形して再び装着された。
 初代ウルトラマン、仮面ライダー1号、秘密戦隊ゴレンジャー、ν(ニュー)ガンダム。初代戦士の力が宿っている「ファーストアーマー」を、フォースは身にまとった。
「とことん小細工が好きのようだな。それでオレをどうにかできると思うとは、笑わせる・・」
 ジャッカルが笑みをこぼして、フォース目がけて光線を放つ。フォースはスピードを上げて光線をかわす。
「今度はすばしっこくなったか・・!」
 ジャッカルがフォースの動きを追いながら毒づく。
「フォースファンネル!」
 フォースが右手を振りかざして、光の端末「フォースファンネル」が複数出した。フォースファンネルがジャッカルの周りに移動して、ビームを発射した。
 ジャッカルが全身から光を放出して、ビームをかき消した。
「まとめて吹き飛ばしてくれる!」
 ジャッカルが放出した光を、フォースに向けて集束させた。フォースがフォースファンネルを自分の前に集めて、発したビームで光の壁を作って光を防ぐ。
「どこまで耐えられるか・・!」
 ジャッカルが光に力を込めて押し込んでいく。光の壁が破られて光が貫いたが、その先にフォースの姿がない。
 フォースは大きくジャンプして、右足にエネルギーを集めていた。
「ファーストフォースキック!」
 フォースがジャッカル目がけて急降下してキックを繰り出した。ジャッカルが全身から光線を放って、彼を迎え撃つ。
 フォースが光線に押し切られて、地面に叩きつけられた。
「ファーストアーマーでのキックも破られるとは・・!」
 体を起こすフォースが緊迫をふくらませる。
「これがオレの破壊光線だ!これを打ち破れるヤツは、この宇宙に存在せん!」
 ジャッカルが勝ち誇って、高らかに笑う。
「フォース!」
 ナツが耐えられなくなって、セレーナがジャッカルに向かっていく。
「フルムーンシュート!」
 セレーナが左手にエネルギーを集めて光線を放つ。しかしジャッカルが右手から出した光線に押し込まれる。
「キャッ!」
 セレーナが光線で吹き飛ばされて、ナツとともに悲鳴を上げる。
「セレーナ!」
「ナツ!」
 倒れたセレーナに向かって、フォースと陽輝が叫ぶ。
「何をしようと、お前たちのすることは全て、ムダなあがきにしかならん!もう1度くらい、2人とも消滅するがいい!」
 ジャッカルがフォースたちにとどめを刺そうと、全身にエネルギーを集めていく。
「せめて、セレーナたちだけでも・・!」
 フォースがフォースファンネルでのバリアで、セレーナを守ろうとする。
「いけない!フォースたちが・・!」
 デッカーがジャッカル星人たちと戦っている中、カナタが焦りを感じていく。
 デッカーが右手を出して、レアリュートウェーブを放った。ジャッカル星人数人が巻き込まれて消えた。
「みんな!」
“ウルトラマンデッカー・フラッシュタイプ!”
 カナタが叫んで、デッカーがフラッシュタイプに戻ってジャッカルに向かっていく。
「オレが全てを片付ければ済む、ということか・・!」
 ジャッカルが部下への不満を口にして、攻撃の矛先をデッカーに移した。
 デッカーがセルジェント光線を、ジャッカルが破壊光線を放つ。破壊光線がセルジェント光線を押し込んで、デッカーに直撃した。
「がはっ!」
 デッカーが倒れて、カナタが激痛に襲われる。
「デッカー!」
 フォースがフォースファンネルを飛ばして、ビームを放つ。だがジャッカルの発する光でビームがはじかれる。
「今度こそお前たちを吹き飛ばしてやるぞ・・木っ端微塵にな・・!」
 ジャッカルが目を見開いて、エネルギーを集める。
「そんなことはさせないよ!」
 そこへ声がかかって、ジャッカルとフォースたちが振り向いた。その視線の先には、1人の青年が立っていた。
「君は確か・・・!」
「ケンゴさん・・マナカ・ケンゴさん!」
 陽輝が言いかけて、カナタが青年、ケンゴを見て喜ぶ。
「我々に逆らう愚か者がまた現れたか・・大人しくしていれば後悔せずに済んだものを・・・!」
 ジャッカルがケンゴを見下ろしてあざ笑う。
「後悔しないよ・・後悔しないために、みんなの笑顔のためにオレは、オレたちは戦うんだ!」
 自分の決意を口にして、ケンゴがアイテム「GUTSスパークレンス」を手にした。
“Ultraman trigger,Multi type.”
 彼は続けてアイテム「GUTSハイパーキー」の1つ「マルチタイプキー」を取り出して起動させる。
“Boot up,Zeperion.”
 ケンゴはスパークレンスのグリップにマルチタイプキーをセットした。彼は続けてスパークレンスを展開して、「スパークレンスモード」にした。
「未来を築く希望の光!ウルトラマン、トリガー!」
 ケンゴはスパークレンスを高らかに掲げた。
“Ultraman trigger,Multi type.”
 彼が銀、赤、紫の体をした巨人に変身した。光の巨人、ウルトラマントリガー。その基本形態である「マルチタイプ」である。
「あの人もウルトラマンだったのね・・・!」
 トリガーを見てセレーナが戸惑いを覚える。
「ケンゴさん、あなたもこの世界に来ていたんですね!」
「うん。空間のトンネルを見つけて、そこから邪悪な力を感じたから来たというわけだ。」
 カナタが喜んで、ケンゴが事情を話す。ケンゴも空間を超えて、陽輝たちの世界に来たのである。
「貴様もウルトラマンだったか。だが何人束になろうと、我々には勝てんぞ!」
 ジャッカルがトリガーに対しても強気な態度を見せる。
「ここからはオレも加わります。一緒に戦いましょう!」
「あぁ。よろしく、ウルトラマントリガー!」
 ケンゴが声を掛けて、フォースが答える。フォース、デッカー、トリガーが並び立って、ジャッカルの前に立ちはだかる。
「新しく出てきたヤツはともかく、他のヤツらはエネルギーが少なくなっている。もはやオレが直接手を下すまでもない・・」
 ジャッカルが1度前線から下がって、ジャッカル星人たちがフォースたちに向かっていく。
「エネルギーが少なくなっている・・1度変身を解いて出直さないといけなくなる・・・!」
 陽輝が焦りを噛みしめて、ナツとカナタが息を呑む。フォース、セレーナ、デッカーのカラータイマーが点滅を始めていた。
「でもそれだとケンゴさんが・・!」
「みんなが復活するまで時間を稼ぐぐらいはやってみせるよ。ここはオレに任せて!」
 心配するカナタに、ケンゴが微笑んで言い返す。
「何を企んでいるか知らんが、お前たちの思い通りにはならんぞ。」
 ジャッカルが彼らをあざ笑うと、1体のロボットが空から降りてきた。
「あれは、無双鉄神インペライザー・・エンペラ星人が従えているロボット怪獣だ・・!」
「ジャッカルはあのようなロボットも従えていたのか・・!」
 フォースがロボット、インペライザーのことを説明して、陽輝が緊張をふくらませる。
「オレが手を下すまでもないと言ったが、他のヤツを使わないとは言っていないぞ。」
「そのロボットでオレたちを襲わせるつもりか!?」
 笑みをこぼすジャッカルに、カナタが声を荒げる。近づいてくるインペライザーに対して、フォースたちが構えを取る。
 インペライザーが3つの目からビームをガトリングのように発射する。フォースたちがビームを回避するが、トリガー以外の動きが鈍くなっている。
「このままじゃデッカーたちが倒れてしまう・・・!」
 ケンゴが心配して、トリガーがインペライザーに向かっていく。攻撃を止めようとするトリガーだが、インペライザーに押し返される。
 インペライザーが両肩の砲門にエネルギーを集める。
「こっちだ!」
 トリガーが飛び上がって、インペライザーが彼を狙って光の球を発射した。光の球は飛行するトリガーを追って、軌道を変えていく。
「誘導弾か・・だったら・・!」
 攻撃をかいくぐろうとして、ケンゴがGUTSハイパーキーの1つ「スカイタイプキー」を手にした。
“Ultraman trigger,Sky type.”
“Boot up,Runboldt.”
 彼はスパークレンスのグリップにスカイタイプキーをセットした。
「天空を駆ける高速の光!ウルトラマン、トリガー!」
 ケンゴがスパークレンスを高らかに掲げた。
“Ultraman trigger,Sky type.”
 トリガーの体の赤が紫に統一された。彼はスピードに特化した「スカイタイプ」となった。
 トリガーがスピードを上げるが、光の球は彼についていく。
「こうなったら、向こうに当てるしかない・・・!」
 ケンゴが思い立って、トリガーがインペライザーに向かっていく。彼は誘導弾をインペライザーにぶつけようと考えた。
 インペライザーが目からの光でトリガーを迎撃する。トリガーが当たる寸前の距離で横に動いて回避して、2つの攻撃がぶつかり合って爆発した。
「ランバルト光弾!」
 着地したトリガーが両腕を交差させてエネルギーを集める。彼はエネルギーを溜めた光の球を、両手を前に出して放った。
 振り向いたインペライザーが光の球を受けて、左腕を破壊された。
「やった!」
 セレーナが喜びを感じたときだった。インペライザーの腕が再生して、さらにドリル型のアームになった。
「復活して、しかも武器に変わった!?」
 カナタが驚きの声を上げた直後、インペライザーが上半身を回転させながらビームを連射してきた。
「うわっ!」
 フォースたちの眼前にビームが飛び込んで爆発が起きて、陽輝たちが揺さぶられてうめく。
「みんな!」
 ケンゴが叫んで、トリガーがスピードを上げる。しかし射撃の全てをかわし切れず、彼も爆発に巻き込まれた。
「フハハハハ!いいぞ、いいぞ!派手にやれ!ウルトラ戦士を吹き飛ばせ!」
 戦いを見届けていたジャッカルが大喜びする。
「このままじゃ、力負けしてしまう・・・!」
 窮地に追い込まれて、ケンゴがGUTSハイパーキー「パワータイプキー」を手にした。
“Ultraman trigger,Power type.”
“Boot up,Deracium.”
 ケンゴがパワータイプキーをスパークレンスのグリップにセットした。
“Ultraman trigger,Power type.”
 トリガーの体の紫が赤に変わった。彼は力に特化した「パワータイプ」になった。
 インペライザーが右手を刃に変えて、トリガーを迎え撃つ。振りかざす刃をはじいて、トリガーがインペライザーの胴体にパンチを当てた。
 インペライザーが押されるが、すぐに左手のドリルを回転させて突き出した。トリガーが握った右手を振り上げて、ドリルをはじいた。
 ドリルが歪められて、インペライザーが後ずさりする。
「デラシウム光流!」
 トリガーが熱エネルギーを集めて、光の球にして放った。インペライザーが光の球を受けて爆発、消滅した。
「あのロボットを倒した!これで宇宙人たちをやっつければ・・!」
 ギンが形勢逆転を予感して笑みをこぼした。
 その直後、新たに2体のインペライザーが出現した。
「な、何っ!?」
「まだ他にもロボットがいたの!?」
 ギンが血相を変えて、セレーナが声を荒げる。
「1体倒した程度でいい気になったか。バカなヤツらとはまさにこのこと・・」
 ジャッカルがあざ笑って、インペライザーたちが両腕を構える。
「これじゃまさに多勢に無勢だ・・・!」
「それに我々はエネルギーを消耗している・・このままでは確実に敗北する・・・!」
 陽輝とフォースが絶体絶命を痛感して、ナツたちも焦りの色を隠せなくなる。
「終わりだ、ウルトラ戦士。」
 ジャッカルが勝ち誇って、インペライザーたちが砲撃を放とうとした。トリガーのカラータイマーも点滅を始めていた。
 そのとき、空から2つの光線が飛び込んできて、インペライザーの1体が直撃されて爆発した。
「何っ・・・!?」
 突然のことにジャッカルが声を荒げる。陽輝たちが戸惑いを感じて、フォースたちが空を見上げた。
「あれは、タロウとゾフィー・・!」
「あなた方も来てくれたのですか・・!」
 陽輝とフォースが2人のウルトラマン、タロウとゾフィーを見て戸惑いを覚える。
 宇宙の平和を守る任務を果たす「宇宙警備隊」。ゾフィーはその隊長を務めている。
 タロウは宇宙警備隊の大隊長に就いているウルトラの父の実子で、筆頭教官として未来のウルトラ戦士の育成に励んでいる。
 2人とも地球から300万光年離れた場所に位置する「M78星雲」にある光の国「ウルトラの星」のウルトラマンで、その中でも精鋭の戦士である「ウルトラ兄弟」の一員である。
「待たせたな。ここからは我々も加勢させてもらう。」
「君たちにエネルギーを分け与える。」
 ゾフィーとタロウが声を掛けて、腕に付けている腕輪「ウルトラコンバーター」に溜めているエネルギーをフォースたちに与えた。フォースたちのエネルギーが回復して、カラータイマーも元に戻った。
「ありがとうございます、ゾフィーさん、タロウさん!」
 カナタが感謝して、タロウたちがデッカーたちを見て頷いた。
「ゾフィー、タロウ、お前たちも来たか・・だが何人出てこようとムダだ!」
 ジャッカルはタロウたちを前にしても、勝気な態度を崩さない。
「ウルトラ兄弟まで来た以上、私も前線へ出たほうがよさそうだ。」
 その直後、1人の宇宙人が姿を現して、ジャッカルのそばに来た。
「悪質宇宙人、メフィラス星人・・!」
「ヤツもジャッカルの仲間になっていたのか・・!」
 タロウとゾフィーが宇宙人、メフィラス星人を見て声を上げる。
「あくまで手を組んだに過ぎませんが、あなたたちが出てくるなら、大人しくしているわけにはいかないでしょう。」
「だから直接手を下しに来たということか・・!」
 メフィラス星人が落ち着きを払って、陽輝が毒づく。
「それに、我々の味方は他にもいますよ。」
 メフィラス星人が言うと、フォースたちの前に怪獣や宇宙人が多数姿を現した。
 宇宙怪獣エレキング、分身宇宙人ガッツ星人、宇宙怪獣・改造ベムスター、サボテン超獣・改造サボテンダー、ミサイル超獣・改造ベロクロン2世、地獄星人ヒッポリト星人、宇宙大怪獣アストロモンス、オイル超獣オイルドリンカー、液体大怪獣コスモリキッド、再生怪獣ライブキング、閻魔怪獣エンマーゴ、食葉怪獣ケムジラ、火山怪鳥バードン、宇宙大怪獣ムルロア、百足怪獣ムカデンダー、極悪宇宙人テンペラー星人、暴君怪獣タイラント、泥棒怪獣ドロボン、超合体怪獣ファイブキング、超合体怪獣グランドキングである。
「怪獣や宇宙人が大勢出てきた・・・!」
「ヤツらとも協力していたか・・・!」
 イズルとトウジがメフィラス星人たちを見て、緊張をふくらませる。
「それだけではありませんよ。」
 メフィラス星人がさらに言って、新たに宇宙人たちが現れた。策謀宇宙人デスレム、冷凍星人グローザムである。
「最高の仲間が来たようだな。」
 ジャッカルが笑みをこぼしたとき、さらに5人の宇宙人が姿を現した。暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人、暗黒魔神ダークルギエル、宇宙大王モルド、宇宙女王ギナ、宇宙帝王ジュダである。
「エンペラ星人まで・・とんでもないことになったぞ・・・!」
「これじゃ、いくら回復しても・・・!」
 フォースとセレーナが再び危機感を覚える。
「我々の仲間も、まだまだいるぞ。」
 ゾフィーは落ち着いて言い放った。4人のウルトラ戦士が現れて、彼らの横に並んだ。
 初めて地球を守った初代ウルトラマン、恒点観測員だったが地球人に感銘して侵略者から地球を守ったウルトラセブン、技と武器の扱いに長けている帰ってきたウルトラマンことジャック、多種多様の光線技を持つエース。
 ウルトラの国で選りすぐりの実力と強い絆を持った「ウルトラ兄弟」。4人とゾフィー、タロウはその中でも栄光とされている「ウルトラ6兄弟」である。
「ウルトラマンたちも来てくれた!」
「ウルトラ6兄弟、みんなが揃った・・!」
 ウルトラマンたちを見て、ギンが喜んでイズルが戸惑いをふくらませる。
「ここでウルトラ6兄弟が出てくるとは・・しかしそれでもまだ戦力はこちらが上ですよ。」
 メフィラス星人がまだ余裕を崩さない。
「オレたちもいるぞ!」
 さらにウルトラ戦士がジャッカルたちの前に現れた。
 今は亡き「L77星」で生まれた兄弟、レオとアストラ。レオは身に着けていた宇宙拳法を特訓によって強化して、侵略者や「ブラックスター」の円盤生物から地球を守って、アストラも彼に協力した。
 地球に漂うマイナスエネルギーを調査して、教師も経験しながら地球を守ったウルトラマン80。
 タロウからの指導を受けて、地球人やウルトラ兄弟との交流を経て心身ともに強くなったメビウス。
 復讐の鎧に囚われながらも、メビウスとともに地球や宇宙のために戦ってきたヒカリ。
 ゾフィーたち6兄弟とともに名を連ねるウルトラ兄弟である。ただしその全員が血のつながった兄弟というわけではないが、兄弟同様の強い結束を持っている。
「すごい・・他のウルトラ兄弟も来てくれた・・・!」
 ナツがレオたちも来てくれたことに戸惑いをふくらませていく。
「ここにもいるぜ!」
 その直後、15人のウルトラ戦士が駆け付けてきた。
 古代の巨人の像からその力を宿したティガ。
 同じく光の巨人の力を得たダイナ。
 地球の意思によって力を与えられた大地の赤い巨人、ガイアと海の青い巨人、アグル。
 セブンの息子で、彼に厳しく鍛えられたレオの指導を受けて心身ともに強くなったゼロ。
 ウルトラ戦士や怪獣が人形になった「スパークドールズ」の力を借りて戦う未来のウルトラマン、ギンガ。
 同じくスパークドールズの力を借りて戦う地底のウルトラマン、ビクトリー。
 怪獣や宇宙人との共存を目指しユナイトするエックス。
 ウルトラ戦士の力を借りて戦う戦士、オーブ。
 闇のウルトラマン、ベリアルの力を宿したジード。
 レオ、アストラと同じく兄弟力を合わせて戦うウルトラ戦士、ロッソ、ブル、グリージョ。
 タロウの息子であり、仲間のタイタス、フーマと「トライスクワット」を結成しているタイガ。
 ゼロを師事して地球に留まりその守りに就いたゼット。
 総勢30人のウルトラ戦士が、陽輝たちの地球に集結したのだった。

 

 

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