ザ・グレイトバトル外伝

仮面ライダーフォース

第5章

 

 

 それぞれ最強の姿となった巧、渡、紘汰、ソウゴ、ライ。彼らはV3、RXとともに邪眼と対峙した。
「お前たちも全ての力を出すか・・だが、我が闇の力を脅かすほどではない・・」
「それはどうかな?」
 落ち着きを崩さない邪眼に、巧が言い返す。
「オレたちはお前のような邪悪な存在を倒す!オレたちの守るべきもののために!」
「邪眼、お前たちの野望は、オレたち仮面ライダーが粉砕するぞ!」
 ライとRXが決意を言い放つ。
「オレたちの守るべきもののために・・オレの守るべきもの・・・」
 彼らの言葉を聞いて、アキトは自分の戦う理由を確かめる。
(オレは地球人が愚かになった地球を正すために、力を手にして戻ってきた。その地球人も己の過ちと向き合い、それぞれ正そうとしている・・)
 これまでの自分の戦いを確かめていくアキト。
(それを見届けるために、オレは戦う・・そのために己の力を高め続ける・・・!)
 戦う理由を見出して、彼は集中力を高めた。
 そのとき、アキトのまとっているフォースの装甲からまばゆい光があふれ出した。光はウルトラマンフォース、無双戦隊フォースレンジャー、フォースガンダムの幻影となって、彼の前に現れた。
「これは・・本物ではない・・本物ではないが、オレに力を貸してくれるか・・・!」
 アキトが幻影に向かって左手を伸ばした。左腕から現れた画面に、新しいアイコンが表示された。
「この力は、フォースの最高の力・・・!」
 アキトがそのアイコンにタッチした。幻影が再び入り込んで、フォースの装甲が金と黒をメインとしたものとへと変わった。
「これが、フォースの新しい力・・」
 英寿がアキトを見て呟く。光がアキトの体に集約された。
「4つのフォースの力を兼ね備えている・・仮面ライダーフォース・クワトロフォース!」
 アキトが両手を握りしめてから名乗りを上げた。
「かつてない強さの光・・だが、光よりも闇の力が上だ・・・!」
 邪眼がアキトに振り向いて、目から光線を放つ。しかしアキトを覆っている光に光線がはじかれる。
「これがオレが見出した、最強のフォース・・光を持って、悪を叩く!」
 アキトが言い放って、邪眼に向かって歩き出す。邪眼が周囲の闇をさらに取り込んで、力を上げる。
 邪眼が飛びかかって拳を振りかざす。アキトもパンチを出してぶつけ合って、周囲に衝撃が巻き起こる。
「すごい・・これがフォースの力なのか・・!」
「それでも優勢というわけじゃない・・1対1で戦い続けたら、何が起こるか分からない・・・!」
 キバットが驚きの声を上げる中、渡が緊張を絶やさない。
「オレたちも加勢するぞ。」
「はい!」
 巧が呼びかけて、紘汰が答える。
“Blaster mode.”
 彼がファイズブラスターを変形させて、「フォトンバスターモード」にして構えて、「ENTER」を押す。
“Exceed charge.”
 巧が銃口にエネルギーを集めたファイズブラスターから、エネルギー弾を発射した。アキトが気付いて離れて、エネルギー弾が邪眼に命中した。
 邪眼は押されたが、巧の射撃に耐えた。
「コイツを食らっても平気なのかよ・・・!」
「闇の力でかなりパワーアップしている・・!」
 巧が毒づいて、RXが邪眼の力に脅威を覚える。
「だけどオレたちも強い!邪眼とは違う力を持っている!」
「あぁ!みんな守るぜ!オレたちの世界も、この世界も!」
 ソウゴと紘汰が前向きに考えて言い放つ。
「フォース、オレたちも加勢するぞ!」
 V3がアキトに呼びかけて、ライたちとともに邪眼に向かっていく。
「お前たちが力を合わせようと、闇はそれを上回る・・!」
 邪眼がライたちも迎え撃って、全身から光を放出した。アキトが身構えて光に耐えて、ライたちが足を止めた。
「なかなか近づけないぞ、こりゃ・・!」
「それでも切り抜けて、邪眼を倒すよ・・!」
 キバットが毒づいて、渡が気を引き締めなおす。
「ソウゴ、一緒にやるよ・・!」
「はい、渡さん!」
 渡が呼びかけて、ソウゴが答える。
“サイキョージカンギレード!”
 渡が魔皇剣「ザンバットソード」を手にして、ソウゴが2本の剣「ジガンギレード」と「サイキョーギレード」を組み合わせて「サイキョージカンギレード」にした。
“ウェイクアップ!”
 渡が刀身に赤い光を宿したザンバットソードを振り下ろして、光の刃を飛ばした。
“キングギリギリスラッシュ!”
 ソウゴが刀身から光を発したサイキョージカンギレードを、邪眼目がけて振り下ろした。その刀身には「ジオウサイキョウー」の文字が浮かんでいた。
 ソウゴたちの一閃を、邪眼が体からの光で防ぐ。邪眼は押されるも斬撃に耐えた。
「今度はオレが!」
“無双セイバー!”
“火縄大橙DJ銃!”
 紘汰が極ロックシードを回して、無双セイバーと銃「火縄大橙DJ銃」を呼び出して手にした。彼は様々なロックシードの力を使いこなして、そのアームズウェポンを呼び出すことができるのである。
“極オーレ!”
 紘汰が無双セイバーと火縄大橙DJ銃を振り下ろして、虹色の光の刃を飛ばした。邪眼が目から光線を出して、光の刃とぶつけて相殺する。
「これも効かないのか・・!」
「だが力は消耗している!このまま攻め続けるんだ!」
 紘汰が毒づくと、RXが勝機を見出して呼びかける。
「オレが邪眼を追い込む!」
 ライが仮面ライダーオメガのライダーソウル「オメガソウル」を手にして、クロスカリバーの右のスロットにセットした。
“スピリットオメガパワー!”
 ライが構えたクロスカリバーから光があふれ出す。彼の後ろにスピリットフォームのオメガの幻影が現れる。
「オメガ・クロスカリバー!」
 ライがクロスカリバーを振りかざして、光の刃を飛ばした。邪眼が再び目からの光線を出すが、光の刃に押し切られて体に当てられる。
「クロスとオメガの力、すごいぞ・・!」
「このまま畳みかけていけば!」
 紘汰が感心して、ライが続けて仮面ライダーマックスのライダーソウル「マックスソウル」を手にして、クロスカリバーの右のスロットにセットした。
“エクシードマックスパワー!”
 クロスカリバーからあふれた光が、ライの体に流れ込んでいく。
「マックス・オールカリバー!」
 ライが邪眼に向かって、再びクロスカリバーを振り下ろす。
「ぐぅ!」
 邪眼が体を切り付けられてうめく。彼は体勢を崩して、その場に膝をついた。
「邪眼が怯んだ・・ダメージが増しているぞ・・・!」
 英寿が邪眼の異変を目の当たりにして声を上げる。
「これで決定打にする!」
“クロス!”
 ライがクロスソウルを手にして、クロスカリバーの右のスロットにセットした。
“オールクロスパワー!”
 クロスカリバーの刀身にエネルギーが集まる。
「クロス・オールカリバー!」
 ライがクロスカリバーを再び振り下ろして、光の刃を放った。
「ぐおぉっ!」
 邪眼が体に深い傷跡を付けられて、絶叫を上げた。
「これで勝ったつもりか?・・闇の力は光を・・正義を上回る・・・!」
 邪眼が闇を取り込んで、傷を塞いで体力を回復させていく。
「周りにある闇を取り込んで、復活する・・・!」
「これじゃキリがないぞ・・!」
 英寿が邪眼の回復を分析して、紘汰が毒づく。
「ならば回復できないほどに、大きなダメージを与えるまでだ・・!」
 アキトが邪眼に近づいて、意識を集中する。
「クワトロフォースソード!」
 彼の手元に光の刃が現れた。
「斬っても再生を続けるならば、貫くまでだ!」
 アキトが言い放って、クワトロフォースソードを構えて突っ込んだ。邪眼が光を発するが、アキトが出したクワトロフォースソードが光を突き破った。
「があっ!」
 クワトロフォースソードに体を貫かれて、邪眼が絶叫を上げる。
「回復しようとしても、こうなっては傷は塞がらないぞ!」
「ぐっ!・・おのれ、フォース・・おのれ、仮面ライダー・・・!」
 クワトロフォースソードを食い込ませるアキトに、邪眼が絶叫を上げる。
 邪眼が全身から衝撃波を発して、アキトを吹き飛ばす。邪眼が体に刺さっているクワトロフォースソードを引き抜こうとする。
「まだ完全に回復できてはいない!」
 邪眼の様子を見て、アキトが声を上げる。
「今こそみんなの力を合わせて、邪眼を打ち倒すぞ!」
 V3が呼びかけて、アキトたちが頷いた
“極スパーキング!”
 紘汰が戦極ドライバーのカッティングブレードを3回倒してジャンプした。
“フィニッシュターイム!”
 ソウゴがジクウサーキュラーを回転させて、ジクウドライバーの上のボタンを押す。
“タイムブレーイク!”
 足にエネルギーを集めて、彼も大きくジャンプした。
 ライもクロスタイフーンの右のレバーを右手で上げて回転を加えた。
“ライダースマッシュ・オール!”
 体からまばゆい光があふれ出す彼が、大きくジャンプした。
 英寿も続いてマグナムレイズバックルのリボルバーを回してトリガーを引く。
“Boost time.”
 彼が続けてブーストレイズバックルのハンドルを2回回して、ブーストタイムを発動させる。
“Magnum boost.Grand victory.”
 英寿がブーストレイズバックルのハンドルを回して、大きくジャンプした。
 V3、RX、巧、渡、アキトも同時にジャンプした。
「V3キック!」
「RXキック!」
「オールクロスキック!」
「クワトロフォースライダーキック!」
 V3、RX、ライ、アキトが叫んで、英寿たちとともにキックを繰り出した。
 邪眼も全身にエネルギーを集中させて、ジャンプしてキックを繰り出した。両者のキックがぶつかり合って、爆発のような衝撃をもたらした。
「これが、仮面ライダーの、守りたいものを守る戦士の力・・・!」
 その最中、アキトは仮面ライダーを始めとした戦士の強さを理解した気がした。
「ぐあぁっ!」
 邪眼が競り負けて、体にキックを受けて吹き飛ばされた。
「これで勝ったと思うな・・闇がある限り、私は何度でもよみがえる・・・」
 邪眼が断末魔を残して、アキトたちの前から姿を消した。
「やった・・やったぜ!邪眼を倒したぞ!」
 キバットが喜んで、渡が小さく頷く。
「今回は・・だが邪眼は闇の化身。また復活しないとも限らない・・」
「これからも注意を怠らないことだ。オレたちみんな・・」
 RXは用心を怠らず、V3が檄を飛ばした。
「オレたちの戦いは、まだまだ続くということか・・」
「オレの場合は、まだ始まったばかりといえるが・・」
 本当の戦いはこれからだと実感するアキトと英寿。
「みんなは元の世界に戻るのだろう?オレはこの世界で、オレの戦いをする・・」
 アキトが英寿たちに聞いて、自分の意思を口にする。
「あぁ。オレたちはオレたちの世界に戻る。正義と平和、守るべきもの、それぞれの目的のために。」
「はい。オレたちの戦いや人生は、まだまだこれからですね。」
 V3と紘汰が答えて笑みをこぼす。
「だけどいつかまた会える。もちろん他のみんなと会うこともある。」
「そのときは、また一緒に力を合わせよう。」
 ソウゴと渡が再会を信じて声を掛け合う。
「お前らもいつか見えてくるかもな。夢とか、やりたいことがな・・」
「夢か・・オレもいつか、そういうのを見つけるときが来るのかもしれない・・・」
 巧が投げかけた言葉を聞いて、英寿が呟く。彼は自分が夢を追う姿を気にしていた。
「オレの目的は、この地球を正すことだ。それがアンタたちにとっての悪と思えるかもしれないが・・」
 アキトが英寿たちに自分の考えを告げる。
「そのときはオレたちがお前を止める。行き過ぎた正義を止めるのも、オレたちの戦いだからな。」
「そうか・・そうならないことを、オレは願うことにする・・」
 V3の考えを聞いて、アキトが皮肉を込めて言葉を返した。
「オレはもう行くぞ。元の世界に戻らなくちゃな・・」
 巧が言って、アキトたちの前から歩き出した。
「オレたちも行くよ。」
「みんな、協力してくれてありがとう!」
 渡も声を掛けて、キバットが礼を言った。
「オレたちはまた別れるけど、どこにいてもまた会える。」
「時間も世界も、ずっとつながってるんですから。」
 紘汰もソウゴも再会を確信して笑みをこぼした。
「オレたちはオレたちの世界に戻り、それぞれの道を進む。」
「世界の危機に直面したとき、オレたちは自由と平和を守るために戦う。」
「もちろん他の世界で危機が訪れたって気付いたとき、オレたちはそこへ駆け付ける。」
 V3、RX、ライもアキトに言って、紘汰たちとともに立ち去っていった。
「オレも行く。また会うことがあったら、今回のように協力するかもしれないな・・」
「そうなってほしいという考えは、オレの心の中にもあるが・・」
 英寿もアキトと考えを伝え合ってから、この場を後にした。
「正義か・・この世界の正義が正しくなるか、これからもオレは見届ける・・・最悪、オレを助けてくれた人と戦うことになっても・・・」
 自分の世界の地球の同行を見届けて、悪い方向に向いたなら手を打つ。アキトは改めて自分の考えを貫こうとしていた。
「桜井隊長に連絡をするか・・」
 アキトはフォースへの変身を解いて、トウジへの通信をした。
「桜井隊長、オレの任務は完了した。動いていた敵は倒した。」
“分かった。詳しい話は後で聞く。本部に戻ってきてくれ。”
 アキトが報告して、トウジが指示を送る。
“フォースレイヤーの調子はどうだったか?”
 トウジがフォースレイヤーのことをアキトに聞いた。
「あぁ・・うまく扱えた。オレに馴染むようだった・・」
“よかった・・これからも頼むぞ、仮面ライダー。”
 アキトが感想を言って、トウジが激励を送った。
「これから本部に戻る。詳しい報告はそのときに・・」
 アキトはそう言って、トウジとの通信を終えた。
(ここまで信じてくれるとはな・・地球はまだまだ、捨てたものではないようだ・・・)
 トウジから強く信頼されていることを実感して、アキトは思わず笑みをこぼした。
「地球人が愚かにならない限り、オレは戦う・・地球という、オレの居場所を守るために・・・」
 自分自身の正義を確かめて、アキトはフォースレイヤーに乗ってGパニッシャーがフォース本部へ向かった。

 1度は地球を見限ったアキト。
 もう1度地球が改善されるのを見届けるため、彼は自分が地球を守る道を選んだ。
 地球人が道を間違えれば、彼らを粛正する正義を貫く。
 それがアキト、仮面ライダーフォースの正義である。

 

 

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