ザ・グレイトバトル
-命の解放-
第15章
デーボサタンとの戦いが終わって、ハルキたちは束の間の休息を取った。ヒロユキたちは自分たちの世界へ帰ろうとしていた。
「今回も、別の世界の人たちに助けられてしまいましたね・・」
イズルが苦笑いを浮かべながら、ヒロユキたちに感謝する。
「こうして巡り会えたのも、いい意味での運命ですから。」
小夜が微笑んで答えて、瀬奈が笑顔で頷いた。
「或人、充瑠、君たちと会えて嬉しかったよ。またどこかで会えればいいのだけど・・」
ヒロユキが或人たちに歩み寄って、正直な思いを口にする。
「きっとまた会えるよ。今こうして、世界を超えて会うことができたんだから。」
「そうだよ♪次に会うときまでに、すごいネタを考えておくから♪」
充瑠が笑顔を見せて、或人が明るく言う。
「違う世界でも分かち合うことができる・・オレたちの世界でも、こうだったなら・・・」
シンがヒロユキたちのやり取りを見て、自分の世界での出来事を思い返していく。
「私たちの世界でも、分かり合える仲間がいるわ。最後まで分かり合えなかった相手もいたけど、分かり合える人が多かった・・」
ルナマリアが今の仲間たちのことを考えて、シンを励ます。
「ルナ・・・あぁ。みんな、オレたちの帰りを待っている・・」
シンも笑みをこぼして、ルナマリアと頷き合った。
「世界や時間が違っても、僕たちはこれからもつながっていく。この先の未来で、みんなとまた会えるよ。」
「はい。再会したときに恥ずかしくならないように、これからも精進します。」
良太郎が励ましを送って、ヒロユキが頷いて気を引き締める。
「いいぜ、いいぜ。どいつもこいつもクライマックスになっててよ〜!」
モモタロスがヒロユキたちの意気込みを見て、感動していく。
「調子のいいヤツだな、アイツは。」
「しかしオレたちトライスクワットに負けないくらいのチームワークと個性だな。」
「我々とイマジン、似ているところがあるようだ。」
フーマ、タイガ、タイタスがモモタロスたちを見て感心した。
「みなさん、オレたちはオレたちの世界に返りますが、これからも力を合わせて困難に立ち向かいましょう。」
“あぁ。私たちだけでなく、みんながそれぞれ仲間たちとユナイトしているんだ。”
大地とエックスがハルキたちと蓮斗たちに呼びかける。
「これからも力を合わせていくぞ、Gフォース・・」
「改めてよろしく、フォースレンジャー。」
蓮斗とハルキが挨拶して、握手を交わした。両者が和解して、平和と命、大切なものを守るために力を合わせることを、心に決めた。
「オレたちはそろそろ戻る。みんなも、自分を見失うことがないようにな。」
「みんな、自分以外の誰かのために戦うことを忘れないように。もちろん、そのために自分が生き残ることも・・」
志郎と丈二がハルキたちに告げて、開かれた次元のトンネルの中に入っていった。
「タイガ、お前たちはこれからも地球を守っていくんだ。我々もそれぞれの場所で、我々の戦いを続けていく。」
「はい、父さん。タイタスとフーマ、ヒロユキ、そしてたくさんの仲間とともに、オレたちの地球を守ります!」
タロウからの激励を受けて、タイガが意気込みを見せた。
「ジョーニアス、オレたちもこれからも力を合わせて戦っていきます。ウルトラマンとしてだけでなく、1人の戦士として・・」
「タイタス、君も我々も1人ではない。今回のように巨大な敵が現れたとき、またともに戦うことになるだろう。」
決意を口にするタイタスに、ジョーニアスも考えを伝えた。
「それじゃオレたちも帰るとしよう。みんなもオレたちのことを待っていることだし。」
「蓮斗、悠馬、理穂ちゃん、またこっちに来たらよろしくね。」
コウと充瑠が蓮斗たちに気さくな笑みを見せた。
「アンタたちに甘えるのは、オレたちだけじゃどうにもならなくなったときだけだ・・」
「心を開いても、強情なところは変わらないか。しかし、自分を貫く上で、それも大事だ。」
言い返す蓮斗に竜也が笑みをこぼす。
「お前たちも正しい道を見つけて、未来へ向かっていくんだ。」
竜也が蓮斗たちに言うと、次元のトンネルを通って、自分の世界へ戻っていった。
「たとえ世界や宇宙が違っても、オレたちは地球や宇宙を守り続ける。」
「巨大な悪に対しても、自分のハートを燃え上がらせる。」
「自分の力を信じて高めて、仲間とともに強くなっていく。」
飛竜、翔、勇馬が蓮斗たちに激励を送る。
「あなたもたくましい女性になるのよ。」
「強さと優しさ、両方を持ってこそ強い女よ。」
さやかと麻衣も理穂を励ます。理穂が笑顔で頷いて、さやかたちの言葉を受け止めた。
「命は誰にとっても1つだ。その人だけの命が。その命を守るために、これからも立ち向かっていく。オレたちもみんなも。」
「オレたちも自分の世界に帰って離れ離れになるけど、みんなとの絆はどこまでもつながってるよ。」
ゲキとアラタも蓮斗たちに励ましを送った。
「信じているぞ。お前たちの強さと正義を。」
「そして奇跡をも呼び込むほどの絆を。」
勝と耕司も蓮斗たちに告げて、アラタたちとともに去っていった。
「戦いが終わっても、オレたちの時間はまだまだ続くぜ。勢いに乗って、ブレイブに突き進むぜー!」
ダイゴが意気込みを見せて、コウと握手を交わした。
「相変わらずだな、キングは。」
「でもそこがキングなのよね。」
彼を見てイアンが肩を落とす素振りを見せて、アミィが笑みをこぼす。
「先輩のブレイブと強さを持って、正義の騎士道を突き進みます!」
「オレたちも、邪悪な敵から世界を守っていきます!」
コウと充瑠がダイゴたちに向けて言い放つ。
「またこっちに来たら、僕たちに会いに来てくれ。」
悠馬が声を掛けて、充瑠たちが頷いた。
「もちろんだよ、3人とも。それじゃ、またね。」
充瑠が挨拶して、コウたち、ダイゴたちとともに次元のトンネルに入っていった。
「それじゃ、僕たちも行くよ。信じているからね。君たちの希望のある未来を・・」
良太郎がハルキたちに声を掛けて、モモタロスたちとともにデンライナーに乗った。
「或人、途中まで一緒に行こう。今回の事件は終わったけど、オレたちにはオレたちの時間がある。」
「そしてオレたちの戦いも続いていく・・」
ソウゴと或人が声を掛け合ってゲイツ、ウォズとともにデンライナーに乗り込んだ。彼らを乗せたデンライナーが走り出して、光のトンネルの中を通っていった。
「シン、私たちも行きましょう。」
ルナマリアが声を掛けて、シンが頷いた。
「自分がどう戦うかは自分で決めるんだ。誰かに振り回されることに納得してはいけない・・」
シンが蓮斗たちに向けて告げる。
「それは分かっていますよ・・オレたちを思い通りにしようとしたアイツは、倒れたんだ・・・」
蓮斗が今回の自分たちを悔やみながらも、自分たちの意思を貫こうとする。
「たとえ過去にこだわるとしても、自分の意思で選択することが重要だ・・」
「今のあなたたちなら、正しい道を選ぶことができるはずよ。」
シンとルナマリアからの助言を受けて、蓮斗が頷いた。
「では、オレたちも行きます。」
「桜木隊長、お世話になりました。」
シンとルナマリアがトウジに振り向いて、敬礼を送った。
シンたちがデスティニー、インパルスに乗って、飛び去っていった。
「我々も戻ろう。我々の使命に終わりはない。」
「分かりました、タロウ兄さん。」
タロウが呼びかけて、猛が頷いた。
“フォース、この地球と宇宙の平和を頼むぞ。”
“分かりました、ジョーニアス。”
ジョーニアスがテレパシーで呼びかけて、フォースが答えた。
「それでは、ハルキ、みなさん。お互い、これからもがんばりましょう。」
ヒロユキが手を差し伸べて、ハルキと握手を交わした。
ハルキたちと別れて、ヒロユキ、カツミ、イサミ、アサヒ、大地、猛、涼子がタイガ、ロッソ、ブル、グリージョ、80、ユリアンに変身して、タロウ、ジョーニアスとともに飛び去った。
(ありがとうございます、みなさん。オレたちはこれからも戦います。ナツや桜木隊長たち、そしてフォースと力を合わせて・・)
ハルキが心の中でヒロユキたちに感謝して、ナツたちのことを思う。彼に対して、フォースも決意を新たにしていた。
「蓮斗くん、悠馬くん、理穂くん、すぐに上層部が話し合い、新しい指揮官が来ることだろう。それまでは君たちで判断して、脅威に立ち向かうんだ。」
トウジが蓮斗たちに歩み寄って励ました。
「はい。まずはオレたちで乗り切ってみせます・・!」
蓮斗が真剣な顔を浮かべて、悠馬たちとともに頷いた。
「フォースレンジャー、再出発だね♪」
「戦力をチェックして、次の出撃により活かせるようにしないと。」
理穂が意気込んで、悠馬がこれからのことを考えていく。
「行くぞ、悠馬、理穂・・」
「うん、蓮斗。」
蓮斗が声を掛けて、悠馬が答えて、理穂とともにフォースレンジャー本部に戻っていった。
「フォースレンジャー、大丈夫でしょうか・・・?」
ナツが蓮斗たちを案じて、トウジに聞く。
「今の彼らは信じる心を知っている。今回のような衝突はもう起きないだろう・・」
トウジは蓮斗たちへの信頼を口にする。ナツもギン、イズルも蓮斗たちの活躍を信じた。
「我々も戻るぞ。機体のチェックをした後に、体を休めてくれ。」
「はい。」
トウジの指示にハルキたちが答えた。彼らはその後の束の間の休息で、体を休めることにした。
デーボサタンとの戦いは終わった。
虎男に扮していたブラジラに騙されていた蓮斗たちは、フォースレンジャーの新しいスタートを切った。
悠馬を中心にして、フォースロボの戦闘データをチェックしていた。
「スーパー戦隊、仮面ライダー、ウルトラマン、ガンダム・・あらゆるデータを蓄積させることが、このフォースロボにはできるんだ。」
悠馬が蓮斗と理穂にフォースロボについて話す。
「フォースガンダムが変形するフォースアーマーと同じ機能だね。」
理穂が話を続けて、悠馬が頷いた。
「今回は反目してしまったけど、フォースガンダムのデータと共有することができるかもしれない・・!」
「そのためには、Gフォースとの連携が必要になるな・・」
悠馬がフォースロボの強化に希望を見出して、蓮斗がハルキたちのことを考える。
「力を合わせるという道のりは、長く広く続いているってことか・・先が思いやられる・・」
「地道にやっていこう。この1年で、僕たちは劇的に強くなったんだから・・」
肩を落とす蓮斗に、悠馬が励ます。彼の言葉を聞いて、蓮斗と理穂が今までの戦いを思い返していく。
「ブラジラに振り回された1年だけど、怒りを持って戦うことが全く間違ったことじゃない・・」
「大切なのは、その怒りに振り回されないこと。自分を見失わないことだね。」
蓮斗と理穂が大切なことを確かめていく。
「そして力を合わせることも。僕たちだけじゃなく、他のみんなとも。」
悠馬が頷いて、ハルキたちとヒロユキたちのことを考える。
「あぁ・・キラメイジャーやリュウソウジャー、ゴセイジャーのことも・・・」
蓮斗が答えて、充瑠たちのことを思い出す。彼らはアラタたちと和解したと実感していた。
「僕たちがまだ会ったことのない戦隊や戦士は、まだまだたくさんいるはずだ。その人たちもこっちに来る可能性は十分にあるよ・・」
「世界って、まだまだ広いってことだね・・いろんなモチーフの戦隊が、こっちに出てきたりしてね。」
悠馬がさらに推測して、理穂が期待を感じて答える。
「その人たちに負けない強さを、オレたちも持たなくちゃな・・」
蓮斗が呼びかけて、悠馬と理穂が頷いた。
「Gフォースもウルトラマンフォースも、自分たちの力を確かめて高めていくはずだから・・・」
ハルキたちのことも気にして、蓮斗たちは強さを追い求めていった。本当の強さ、正しい強さを。
ハルキはナツとともに、アキトに今回のことを話した。
「また別世界の連中と分かち合い、心を開かせたのか・・」
アキトがハルキたちに向けて笑みをこぼした。
「人間は感情や敵の策略に振り回され、過ちを犯してしまう。本人にそのつもりがなくても、自分でも気付かないうちに・・」
「でもオレたち人間は、間違いを正す気持ちと分かち合う心を持っている・・まだまだ絶望するには早いぞ、アキト・・」
人間の愚かさを指摘するアキトに、ハルキが人の心にある希望を伝える。
「オレも蓮斗たちも変われた。他のみんなも変われないことはない。」
「だから、いつかみんなを信じて下さい・・すぐにとはいかなくても・・・」
ハルキが話を続けて、ナツもアキトに呼びかける。
「それはお前たち次第と言っておこうか・・」
「まだ強情なのか、お前というヤツは・・オレたちはオレたちで精進していくだけだ。仲間と力を合わせてな・・」
アキトの答えに苦笑してから、ハルキが自分たちの決意を口にする。
「あなたもいい方向へ変われることを、信じています・・・」
ナツもアキトへの信頼を口にして、ハルキとともに牢屋の前を後にした。
(お前たちは変わってきたが、他の者はどうなるか・・・)
アキトは引き続き、ハルキたちや世界の動向を見届けることにした。
Gフォースとフォースレンジャーは、今後も連携して任務に当たることになった。
「隼ハルキ、フォースガンダム、いきます!」
ハルキの乗るフォースガンダムがGフォース本部から発進した。
(オレたちはこれからも、この世界のために戦う・・悪い敵を倒すだけじゃなく、この世界をよくすることも、オレたちの戦いだ・・)
“私も君たちとともに戦う。この世界のために。”
ハルキが心の中で決意を呟いて、フォースと意識を共有する。
飛行するフォースガンダムに、蓮斗の乗るフォースジェットが近づいてきた。
「オレもこっちの方向にパトロールだ。よろしくな、ハルキ。」
「あぁ。改めてよろしく、蓮斗。」
蓮斗とハルキが声を掛け合って、フォースジェットとフォースガンダムが加速する。2人は大切なものを守る決意を、互いに分かち合っていた。
世界のため、平和のため、大切なものを守るため。
戦士たちは互いの意思を確かめ合って、強大な苦難に立ち向かう。
性格や考え方が違っても、世界が違っていても。