ザ・グレイトバトル
-ロストヒーローズ-
第15章
ゴッズの引き起こした事件は解決した。異なる次元の戦士たちの協力によって。
そして別の世界をつなぐ次元のゆがみが発生した。
「元の世界に戻るときが来たようだ。」
「オレたちはこうして出会った。たとえそれぞれ元の世界に戻っても、この出会いの記憶と絆は消えはしない。」
「オレたちの魂は、これから先の未来、多くの人たちに受け継がれていく。」
「そのためにも、オレたちはこれからも戦い続けていく。」
ウルトラマン、1号、アカレンジャー、アムロが言いかける。彼らの言葉を受けて、大地たちが頷く。
「今回のように、多くの世界を巻き込んだ事件が、この先怒らないとも限らない。」
「またどこかで君たちと会うときがくるかもしれない。」
「そのときは、また世界を守るために戦おう。それぞれの大切なものを守るため、大きな夢を叶えるためにも・・」
ゾフィー、G、アカレッドが思いを込めた言葉を投げかける。
地球や宇宙、世界を守るため、大切なものを守るため、夢や目標のため。理由はそれぞれだったが、力を合わせて戦い、絆を結ぶことができた。
大地もシンも、タケルも大和もその大切な体験を実感していた。
「もしもまた会うことがあったなら、次もともに戦おう。」
「オレはまだ旅の途中だ。またどこかで会うかもな。」
タロウがアスカとともに言いかけて、ゾフィーたちウルトラ兄弟たち、ダイナとともに次元のトンネルを通って去っていった。
「共存の可能性はどの世界にでも誰とでもある。」
「僕たち1人1人に、無限の可能性がある。」
「時に悲しみや怒り、絶望に打ちひしがれることがあるかもしれない。」
「けど仲間や家族がそばにいれば、強い心を持っていれば、絶望を乗り越えることができる。」
ムサシ、メビウス、ヒカリ、ゼロも思いを口にしていく。
「未来だって同じだ。いくらでも選択肢はある。」
「どの道を選ぶかは、そいつ自身だ。」
ヒカルとショウも告げると、ギンガとビクトリー、コスモス、メビウス、ヒカリ、ゼロも去っていった。
「僕たちも信じているよ・・」
「みんなが正しい未来へ進んでいくことを・・」
「オレたちウルティメイトフォースゼロも!」
「みなさんに正しい未来を指し示していきます。」
ジャンナイン、ジャンボット、グレンファイヤー、ミラーナイトも告げて、ゼロたちに続いていった。
「オレたちの戦いは今も終わってはいない。」
「オレたち仮面ライダーは改造人間、あるいは人間離れした力を持った存在だ。」
「だがその力そのものは悪でも異質でもない。使い方によって正義にも悪にもなる。」
仮面ライダー1号、2号、Xライダーも言いかける。
「そして力を正しいことに使えるかどうかは、その人次第だ。」
「大切なものを守りたいって気持ちが、力を正しいものにしていくんだ。」
「オレたちは自由と平和、命と自然、それぞれ大切なものを守っていく。」
「みんなもこれからも大切なもののために走り続けてくれ。そして他のみんなにも、自分たちの思いを伝えていってほしい。」
ZO、翔一、RX、映司も励ましの言葉を送った。
「オレたち仮面ライダー、そしてヒーローの魂は絶対に消えることはない。」
「みんなの心に刻み込まれて、未来へと伝わっていく。」
「そうだぜ!オレもおめぇらもみんな、いつまでもどこまでもクライマックスだからな!」
光輝もGもモモタロスも言いかけて、1号たちとともにそれぞれのバイクに乗って、次元のトンネルを通って走っていった。
「仮面ライダーやウルトラマンにも負けてはいない。スーパー戦隊もまた、正義の絆は受け継がれていく。」
「我々はそれぞれがチーム。そして誰もが正義のチームの一員なのだ。」
アカレンジャーとアオレンジャーも思いを告げる。
「ま、チームワークに勝るお宝はねぇってことだな。」
「オレたちは戦隊であり、ヒーローだ!これからも地球や世界、みんなのために立ち向かっていくぜ!」
「あぁ。みんなと一緒に、みんなのいる世界を守っていく。」
マーベラス、ダイゴ、ヒロムもそれぞれの思いを口にしていく。
「私は赤の魂を受け継ぐ者。しかしスーパー戦隊とヒーローの魂を受け継いでいくのは、君たちみんなだ。」
アカレッドの言葉を受けて、大和たちが微笑んで頷いた。
「アカレッド、アンタも行くのか・・・?」
マーベラスがアカレッドに声をかける。
「お前たちはお前たちで、新たな夢や宝物を目指して進んでいる。私も私の夢を追いかけていくつもりだ。」
「そうか・・あばよ、アカレッド。」
アカレッドの言葉を受けて、マーベラスが笑みをこぼす。2人が握った手を合わせて、互いの夢をたたえ合った。
「では行こう、オレたちも・・」
「いつかまた会うことになるだろう。そのときに君たちがさらにたくましくなっていることを信じているぞ、ジュウオウジャー。」
アカレンジャーが呼びかけて、ドギーが大和たちに激励を送る。彼らも次元のトンネルを通って、この世界を後にした。
「オレたちの知らない宇宙がまだまだたくさん存在している・・」
「でもどの宇宙にも争いはある・・終わらせなくちゃならない争いが・・」
「だが強い魂と、断ち切れることのない絆があれば、戦いを終わらせることができる!」
アムロ、カミーユ、ドモンもそれぞれの思いを口にする。
「何が大切なのか、何のために戦うのか。その答えを見つけるのはオレたち1人1人だ。」
「そして僕たちは分かり合うことができる。たとえ違う星の人たちでも。」
「心ある者なら、それぞれの正義を持ち合わせている。そして互いに、心を通わせることができる。」
「そうだ・・オレたちだけじゃない。お前たちも、ガンダムになれる・・・」
ガロード、キオ、アセム、刹那も告げて、アムロたちとともにこの世界を後にした。
「さーて。ミーたちもさっさとエスケープするぜー。」
「エックスはともかくとして、他のウルトラマンたちじゃ光線当てられちゃうわよ。」
「それはイカがなものかと。焼きイカにされたらお陀仏じゃなイカー・・」
ハルキ、ナクリ、イカリも慌てて次元のトンネルを通って去っていった。
この場には大地とアスナ、シンとルナマリア、タケル、マコト、アラン、そして大和、セラ、レオ、タスク、アムが残った。
「ありがとう、みんな・・みんながいなかったら、オレたちはこうして無事でいられなかった・・・」
「それはオレたちも同じ気持ちだよ。みんなの魂と思いがつながったからこそ、オレたちは世界を守ることができたんだ・・」
大地が感謝して、タケルも思いを口にする。
「オレたちもみんな絆をつなげられる。オレたちみたいにね。」
大和が信じる気持ちを感じて、セラたちと頷き合う。
「絆か・・オレにも、そういった絆が・・・」
シンがこれまでの自分の戦いと時間を思い返していく。繰り返される悲劇の中で確かな絆があったと、彼は思っていた。
「これからもサポートしてあげないとね。」
「うん。大地だけじゃなく、シンくんもムチャばかりしそうだからね。」
ルナマリアとアスナがシンと大地を見て微笑み合う。
「オレたちも戻ろう。カノンが、みんなが待っている・・」
「それぞれ自分の世界で、それぞれの戦いが残されている・・それぞれの気持ちを胸にして・・」
マコトとアランが声をかけて、タケルが頷いた。
「そうだ!この次元のトンネルを通ってけば、ジューランドに帰れるんじゃねぇか!?」
レオが思いついて大和たちに呼びかける。
「そうね。それでやっとジューランドに帰れるわね。」
セラがレオの考えに頷く。
「でも、もっと人間の世界のこと知りたいなぁ〜♪私たちの知らないこと、いっぱいあるし♪」
「アムの言う通りにするわけじゃないが、僕も人間界のことを勉強しておきたい。」
ところがアムとタスクは人間界に残ろうとする。
「だ、だけど、せっかくジューランドに帰れるチャンスなんだぞ!」
するとレオがタスクたちに文句を言ってくる。
「あのトンネルを使わなくたって、王者の資格を見つければジューランドに帰れるようになるって♪」
「いざとなれば、この次元のゆがみがどういうものなのかを調べればいいわけだし・・」
アムとタスクに言われて、レオが頭を抱える。
「大丈夫だ、レオ。オレもこれからも王者の資格を探すからさ。」
大和が作り笑顔を見せてレオをなだめる。
「ったく、どいつもこいつも・・!」
納得いかないレオだが、仕方なく折れることになった。
「ということで、オレたちも帰ろう。」
大和が呼びかけて、セラたちが微笑んで頷いた。
「タケル、また会おうな。大地も、怪獣との共存の夢、叶うと信じてるぞ。」
大和がタケルと大地にも笑みを見せてきた。
「ありがとう、大和。オレとエックスなら、そのジューランドに行くこともできるけど・・」
「オレたちの力で王者の資格を見つけてみせるよ。ありがとう、大地・・」
大地と大和が感謝し合って、握手を交わした。
「おい大和、さっさと行くぞ!」
「あ、あぁ!それじゃ。」
レオに呼ばれて大和が答える。彼らは大地たちと別れて、元の世界に帰っていった。
「オレたちもオレたちの世界に帰る。みんなの命を守るために・・」
「そのみんなを弄ぶ敵と、オレたちは戦い続ける。」
「仮面ライダーやスーパー戦隊だけでなく、君たちウルトラマンやガンダムの魂を受け継いで・・」
それぞれの決意を口にするアラン、マコト、タケル。彼らもそれぞれのマシンに乗って、走り去った。
「シン、ルナマリア、戦争の中で和解や共存を果たすのは難しいことだとオレたちは知った。その上でオレは、共存できる世界を実現したいという夢を強くしたよ。」
大地がシンたちに自分の正直な思いを伝えていく。
「きれいごとじゃない・・大地の夢を実現させようって気持ちが本物だって分かった・・」
大地の心境を知って、シンも真剣な顔で答えた。
「オレたちの世界で、和解や共存はできないことかもしれない・・オレだって、大切な人を殺されてるし、戦争を広げているヤツだっている・・だからオレは、戦いのない世界を目指す・・」
「シン・・オレも信じているよ。シンたちがシンたちの目指す、戦いのない世界が実現するのを。」
自分の揺るがない意思を告げるシンに、大地が頷く。2人が握手を交わして、それぞれの決意を確かめ合う。
「住む世界が違っていても、平和や理想を目指す志は同じ。私も様々な世界のことや、たくさんの大切なことを教えられた。ありがとう、みんな・・」
エクスデバイザーにいるエックスも、シンとルナマリア、タケルたちの思いを胸に刻んでいた。
「ルナも負けないでね。私も応援しているよ。」
「ありがとう。アスナもがんばってね。」
アスナとルナマリアも声をかけ合って、互いに手の甲を合わせて友情を分かち合った。
「行こう、ルナ・・大地、アスナ、エックス、ありがとうな・・」
シンがルナマリアに呼びかけて、大地たちに挨拶する。2人が乗ったデスティニーとインパルスが、次元のトンネルを通って去っていった。
「オレたちも帰ろう、アスナ・・みんな心配しているからね・・」
「隊長やグルマン博士たちに報告することがまた山積みだね。」
大地が言いかけて、アスナが微笑む。
「エックスー!」
大地とユナイトしたエックスが、ウルティメイトゼロアーマーを身にまとう。エックスはアスナを連れて、次元のトンネルを通って帰っていった。
自分たちの住む人間界に戻ってきた大和たち。彼らは丘の上から空や街並みを見つめていた。
「自然と青い空、にぎやかな街並み・・」
「みんな幸せって感じだね♪」
セラが呟いて、アムが笑顔で言いかけて深呼吸をする。
「この幸せを、デスガリアンみたいなヤツらがぶっ壊そうとしてきてる・・!」
「それに僕たちには、ジューランドに帰る方法を見つける使命もある。」
レオとタスクが改めて決意を固める。
「よし!今日も王者の資格を探しに行くよ!」
大和が掛け声を上げて、セラたちが笑みをこぼした。
「その前に今日は休もうよ。大変なことばかりで疲れちゃったよ・・」
「それと腹ごしらえだ。腹が減っちゃ戦はできねぇって言うしさ。」
アムとレオがため息をついてきた。
「そうだな。今日は戻るか。おじさんも心配してるだろうし。」
大和が笑みをこぼして、セラたちと一緒に歩き出した。
タケル、マコト、アランも自分たちの世界に帰ってきた。彼らは白い雲が流れる青空を目にした。
「守ったということか・・この世界を含めた、全ての世界を・・」
「だがオレたちの世界や眼魔の世界は、まだ平和になったとは言えない・・オレたちの本当の戦いはこれからだ・・」
アランが笑みをこぼして、マコトが改めて決意を固める。
「大和も大地もシンも、自分たちの世界ががんばってるんだ。オレたちもオレたちの世界を守るために戦う。出会ったみんなの思いを胸に刻んで・・」
手にしたオレゴースト眼魂を見つめて、タケルがみんなの思いを感じていく。
「命、燃やすぜ!」
タケルはムゲンゴースト眼魂を掲げて、決意を言い放った。
シンのデスティニー、ルナマリアのインパルスも自分たちの世界に戻っていた。
「ザフトのシグナルをキャッチ。プラントの位置も確認。私たち、戻ってこれたのね・・」
「あぁ・・オレたち、守ったんだな・・この宇宙も、他の世界も・・・」
位置情報を確信して安心を覚えるルナマリアと、別の次元での出来事に戸惑を感じているシン。
「みんなに助けられたよ・・みんながいなかったら、オレはベリアルに乗っ取られたままだった・・」
「みんなだけじゃない・・シン自身の強さがあったから負けなかったのよ・・」
大地たちへの感謝を覚えるシンを、ルナマリアが励ます。
「戦争からプラントを守ったのも、今回世界を守ったのも、シンの力がなかったら叶わなかった・・私はそう思っているよ・・」
「ルナ・・・オレの力が・・みんなを・・世界を・・・」
思いを伝えるルナマリアに、シンが戸惑いを覚える。彼は今の自分への自信をふくらませていく。
「オレが守っていく・・戦いのない世界を目指して・・・」
「私も戦うよ。戦いを終わらせたいって思いは、私にもあるから・・」
シンとルナマリアが決意を口にしていく。
「プラントに戻りましょう。みんな、待っているよ。」
「あぁ。」
ルナマリアの声にシンが答える。インパルスとデスティニーがプラントに向かって動き出す。
(みんな、ありがとう・・オレは戦いを終わらせる・・この世界の戦いも・・・!)
自分の中にある決意を強めて、シンは自分たちの戦いに意識を戻した。
自分たちの世界に戻ってきたエックス、大地、アスナ。大地はエックスとのユナイトを解除して、アスナとともにXio日本支部の屋上に降り立った。
「戻ってこれた・・私たちの世界に・・・」
「そして守ったんだ・・オレたちの世界だけでなく、みんなの世界も・・・」
アスナと大地が声をかけ合って微笑みかける。
「私たちはゼロの力で次元を超える力を持った。でも次元の壁の先にいた戦士は、ウルトラマンだけじゃなかった。」
エックスがエクスデバイザーから大地とアスナに語りかける。
「仮面ライダーもスーパー戦隊も、ガンダムのパイロットたちも、世界や命、大切なものを守るために戦っている。志の方向は違っても、その思いは同じだ。」
「うん。違う世界の違う勇者や戦士たちとも、分かり合うことができた。人間や怪獣、宇宙人の共存も、必ず実現できる。」
エックスの言葉に頷いて、大地がゼロたちやシンたちとの絆を思い返していく。彼らとの出会いと協力が、大地の夢への思いをさらに強くしていた。
「私も信じるよ、大地の夢を。そして私も力になりたいと思ってる。」
アスナも自分の思いと大地への信頼を口にする。
「うん・・ありがとう、アスナ・・・」
大地が微笑んでアスナに感謝した。
「今回のことも、レポート提出されそうね。今回も書くこといっぱいね。」
「あ、そうか・・これはまた大変なことになりそうだ・・」
アスナが口にした言葉を聞いて、大地が滅入って肩を落とす。
「今回も私が手伝うから、一緒にがんばろう。」
アスナが大地に歩み寄って励ます。
「私もいろいろアドバイスするからな、大地。」
「エックスはこういうときは口ばっかりなんだから・・」
声をかけてくるエックスに、大地が呆れ気味に言葉を返した。
「そ、そんなことないぞ!私にはいろんな宇宙の知識が・・!」
動揺するエックスに、大地とアスナが笑みをこぼした。2人は今回の出来事のことへの思いを胸に秘めて、屋上を後にした。
(そうだ・・いろんな世界が存在している。オレたちの知らない世界は、まだまだたくさんある・・・)
大地が心の中で思いを巡らせる。彼は違う世界のたくさんの仲間、彼らと過ごしたかけがえのない時間を思い返していた。
(みんなとの絆は果てしなく続いていて、そして強い・・他の世界でも、世界を守っている人がいる・・・)
そして大地は、自分の知らない世界がまだ存在していると思っていた。
様々な世界、様々な戦士が正義と平和、大切なものやそれぞれの思いのために戦ってきた。
その魂は継承や歴史の中で広がって、今も強く息づいている。
そしてその魂と思いは未来へと続いていく。
邪悪な力と呪縛から解放されて、世界を守る戦いに身を投じた、新たなジュウオウジャーの仲間、ジュウオウザワールドのように。
別の世界で、地球や宇宙を守る戦いに身を投じることになる新たなウルトラ戦士、ウルトラマンオーブのように。