ギャバン×ウィザード×キョウリュウジャー
スーパーヒーロー英雄列伝
第13章
晴人、ダイゴたち、撃、烈がネクロマンサーガルヴォルスに立ち向かう。だが魔空空間の影響でパワーを高めていくネクロマンサーガルヴォルスは、晴人たちの攻撃をものともしていなかった。
「くっ!・・ここまでパワーが上がっているのか・・!」
「オレたちのブレイブがここまで通用しないなんて・・!」
晴人とダイゴが声を荒げながら立ち上がる。
「ヤツのこの強さは、拡大している魔空空間の影響だ・・そしてそれを行っているのもヤツの力だ・・!」
「ヤツを倒さなければ、地球も宇宙も魔空区間と同じと化してしまう!絶対に負けるわけにはいかない!」
撃と烈が声と力を振り絞る。彼らも晴人もダイゴたちもまだ諦めていなかった。
「その通りだ・・オレたちのブレイブは、まだ燃え尽きちゃいない!いや、どんどん燃え上がってきてるぜ!」
ダイゴが烈に答えて意気込みを見せる。
「みんな、ケンドロスパイカーだ!」
ダイゴの呼びかけにイアンたちが頷く。
“ケンドロスパイカー!”
彼ら5人がそれぞれの獣電アームズを組み合わせて、巨大な剣「ケンドロスパイカー」を完成させる。
「拙者もこの一撃に賭けるでござる!獣電池、3本装てん!」
空蝉丸もザンダーサンダーに獣電池を3本セットする。ダイゴがケンドロスパイカーを持って、イアンたちが組んだ腕車に乗ってジャンプする。
「獣電ブレイブフィニッシュ!」
“スポポーン”
ダイゴがネクロマンサーガルヴォルス目がけてケンドロスパイカーを投げつける。
「ブレイブフィニッシュ・雷電残光!」
空蝉丸も飛び込んで、ネクロマンサーガルヴォルスにザンダーサンダーを振りかざす。だがネクロマンサーガルヴォルスはケンドロスパイカーもザンダーサンダーも受け止めていた。
「何っ!?」
驚きの声を上げる空蝉丸が、ネクロマンサーガルヴォルスが放った衝撃波で吹き飛ばされる。
「大丈夫、ウッチー!?」
「拙者は何のこれしきでござる・・だが・・!」
アミィの心配の声に答えて、空蝉丸が立ち上がる。
「ケンドロスパイカーと雷電残光の同時攻撃を、簡単に受け止めるとは・・!」
「本当にとんでもないバケモノになっているな・・・!」
ソウジとイアンがネクロマンサーガルヴォルスのパワーを痛感する。
「お前たちが何人集まって力を振り絞ろうと、私を止めることはできない!」
「それはどうかな?オレたちの希望はまだ残っているぜ。」
言い放つネクロマンサーガルヴォルスに言い返してきたのは晴人だった。
「そうだ・・オレが、オレたちが、最後の希望だ!」
言い放つ晴人が、銀色のウィザードリング「インフィニティーウィザードリング」をはめた。
“イーンフィニティー!プリーズ!ヒースイーフードー・ボーザバビュードゴーン!”
インフィニティーウィザードリングをウィザードライバーのハンドオーサーにかざすと、晴人の体を銀色の水晶のような光が取り巻いてきた。そして彼のまとうウィザードの装甲も銀色へと変化した。
晴人は今、ウィザードの最強形態「インフィニティースタイル」となった。
「すっげー!よしっ!オレも負けてられないぜ!」
ダイゴも意気込みを見せて、新たなる獣電池「カーニバル」を取り出した。
「来い、ガブティラ!」
ダイゴがティラノサウルスの獣電竜「ガブティラ」を呼び出して、カーニバル獣電池を投げつけた。
“ガブリンチョ!”
巨大化した獣電池を口にしたガブティラの体が小さくなって、ダイゴの手に握られた。「オーバーチャージモード」、通称「ミニティラ」となったのである。
「頼むぜ、ミニティラ!」
“クルリンチョ!”
ダイゴが呼びかけて、ミニティラの首を180度回転して銃形態「ガブティラ・デ・カーニバル」にする。彼がサンバを待って、ミニティラを発砲して、放たれたキョウリュウスピリットを身にまとう。
“オー!マツリンチョ!カーーニバル!”
「キョウリュウレッド・カーニバル!」
ダイゴが強化形態「キョウリュウレッド・カーニバル」となった。
「おいおい、オレを忘れてくれんなって!」
攻介も前に出て、「ハイパーウィザードリング」をはめる。
“ゴー!ハイハイ・ハイ・ハイパー!”
ハイパーウィザードリングをビーストドライバーにセットする攻介。魔法陣をくぐった彼のビーストの装甲が金と青に変わる。
ビーストの最強形態「ビーストハイパー」である。
「さぁ、ショータイムだ!」
「ランチタイムだ!」
「お・ど・る・ぜ〜・・止めてみな!」
晴人、攻介、ダイゴがネクロマンサーガルヴォルスに向かって言い放つ。
死神の鎌を構えるネクロマンサーガルヴォルスに、「カリバーモード」の「アックスカリバー」を手にした晴人が先陣を切る。鎌とアックスカリバーがぶつかり合って、衝撃が周囲に巻き起こって火花を散らす。
「どんなに強くなろうと、私を止めることはできない!」
「そう決めつけるのは早いぜ!」
言い放つネクロマンサーガルヴォルスに言い返してきたのは攻介だった。
「コイツをごちそうさせてやる!」
攻介が銃「ミラージュマグナム」を発射して、ネクロマンサーガルヴォルスに命中させる。彼が怯んだ一瞬の隙に、晴人がアックスカリバーに力を込めて押し込む。
そこへダイゴが飛び込んできて、パワーアップしたパンチをネクロマンサーガルヴォルスに叩き込んでいく。
「くっ!・・小賢しいマネを・・!」
「まだまだお祭りは始まったばかりだぜ!本番はこれからだ!」
うめくネクロマンサーガルヴォルスにダイゴが言い放つ。
「みんなの獣電池、使わせてもらうぜ!」
“アミーゴ・カーーニバル!”
ダイゴがミニティラの口からカーニバル獣電池を取り出して、ガブティラ、ステゴッチ、ドリケラの獣電池を取り出した。
“ガブガブ・リーンチョ!”
“ゴチゴチ・リーンチョ!”
“ドリドリ・リーンチョ!”
3本の獣電池を次々にセットして入れ替えていく。
「ファイヤー!」
“バモラ・カーーニバル!オーリャアー!”
ミニティラからキョウリュウスピリットを放って身にまとうダイゴ。彼は右手に盾「ステゴッチシールド」、左手にドリル「ドリケラドリル」を装備した。
「キョウリュウレッド・サンバカーニバル!」
「カミツキチェンジ」によって、ダイゴは「サンバカーニバル」となった。
「なかなかやるな。一緒に攻撃といくか。」
「あぁ!お祭りはみんなでやったほうが楽しいからな!」
前に出た晴人にダイゴが気さくに答える。2人がネクロマンサーガルヴォルスに向かっていく。
「何をしてこようと、私は止められない!」
「だったら止めてみな!」
迎え撃つネクロマンサーガルヴォルスに、ダイゴがドリケラドリルを突き出す。ドリルをかわして鎌を振りかざすネクロマンサーガルヴォルスだが、ステゴッチシールドに防がれる。
そこへ晴人が飛び込んで、アックスカリバーで鎌ごとネクロマンサーガルヴォルスを押し返す。
「おのれ!」
声を上げるネクロマンサーガルヴォルスに、晴人とダイゴがアックスカリバーとドリケラドリルを突き出してきた。体に突き立てられて、ネクロマンサーガルヴォルスが押される。
「よっしゃ!どんどん行くぜ!」
ダイゴがガブティラの獣電池の他、パラサガン、ザクトルの獣電池を取り出した。
“ガブガブ・リーンチョ!”
“ガンガン・リーンチョ!”
“ザクザク・リーンチョ!”
彼は3本の獣電池のセット、入れ替えをしていく。
「ファイヤー!」
“バモラ・カーーニバル!イーハー!”
ダイゴの右手に銃砲「パラサビームガン」を、左手に剣「ザクトルソード」が装備される。
「キョウリュウレッド・ウェスタンカーニバル!」
「ウェスタンカーニバル」となったダイゴが、ネクロマンサーガルヴォルスに向かっていく。ネクロマンサーガルヴォルスが鎌を振りかざして、真空の刃を放つ。
「なんの!」
ダイゴが横に動いて真空の刃をかわして、パラサビームガンを発射する。ネクロマンサーガルヴォルスが射撃をかわして、ダイゴに詰め寄ってきた。
ネクロマンサーガルヴォルスが振りかざしてきた鎌を、ダイゴがザクトルソードで受け止めて、パラサビームガンを発射する。
「くっ!」
うめくネクロマンサーガルヴォルスが再び鎌を振りかざす。鎌に切りつけられてダイゴが横転する。
その直後、攻介がミラージュマグナムを撃って、ネクロマンサーガルヴォルスに命中させていく。
「オレの食事まで横取りすんなって!」
「悪いな!今のオレのブレイブは、まだまだ暴れたりなくってな!」
文句を言ってくる攻介に、ダイゴが気さくに言いかける。
「どこまでもムダな抵抗を・・おとなしく葬られれば楽なのだ!」
「まだまだ!どんどん行くぜ!」
ネクロマンサーガルヴォルスにダイゴが言い放つ。彼がガブティラ獣電池とアンキドン、ブンバッキーの獣電池を取り出した。
“ガブガブ・リーンチョ!”
“ドゴドゴ・リーンチョ!”
“ブンブン・リーンチョ!”
「ファイヤー!」
“バモラ・カーーニバル!アーチョッチョチョチョー!”
ミニティラからキョウリュウスピリットを発射して、身にまとうダイゴ。彼は右手に鉄槌「アンキドンハンマー」、左手に鉄球「ブンバッキーボール」を装備した。
「キョウリュウレッド・カンフーカーニバル!」
ダイゴが言い放って構える。晴人と攻介も前に出て、アックスカリバーとミラージュマグナムを構える。
「今度こそ葬り去ってくれる!」
迫り来るネクロマンサーガルヴォルスに晴人、攻介、ダイゴが迎え撃つ。
攻介がミラージュマグナムを打つと同時に、ダイゴがブンバッキーボールを飛ばす。ミラージュマグナムの射撃で一瞬の隙を突かれて、ネクロマンサーガルヴォルスがブンバッキーボールの直撃を受ける。
倒れそうになったネクロマンサーガルヴォルスに、晴人とダイゴが向かっていって、アックスカリバーとアンキドンハンマーを振りかざす。2人の攻撃を受けて、ネクロマンサーガルヴォルスが大きく突き飛ばされた。
「獣電カーニバルフィニッシュ!」
ダイゴがブンバッキーボールにエネルギーを込めて投げつける。鎌を振りかざすネクロマンサーガルヴォルスだが、ブンバッキーボールに鎌を弾き飛ばされる。
「さぁ、フィナーレだ・・!」
「メインディッシュだ!」
晴人と攻介が出てきて、ダイゴに並び立つ。
“ハイパー!マグナムストライク!”
攻介がビーストドライバーにハイパーウィザードリングを合わせる。ミラージュマグナムに魔力が集中していく。
「とっておきを食らわせてやるぜ!」
攻介が発射したミラージュマグナムから、キマイラの魔力が放たれる。
「オレたちもとっておきと行くぜ、キング。」
イアンたちがやってきてダイゴに声をかけてきた。
「よっしゃ!行くぜ、みんな、ミニティラ!」
ダイゴが声をかけて、ミニティラにガブリボルバーを組み合わせる。
「ビクトリーブレイブイン!」
“アミーゴ!ミンナアツマリンチョ!”
ダイゴが獣電池「ビクトリー獣電池」をミニティラにセットする。
「マキシマムブレイブイン!」
“アミーゴ!モットアツマリンチョ!”
さらに「マキシマム獣電池」をミニティラにセットする。ダイゴがミニティラを構えて、イアンたちが後ろから支える。
「ワタシアチモ、チカラニナリマス!」
さらに2人の戦士も駆けつけて、ダイゴたちを支えてきた。スピリットレンジャー、ラミレス=キョウリュウシアンと鉄砕=キョウリュウグレーである。
スピリットレンジャーは歴代のキョウリュウジャーの中で、闘志で存在を維持している戦士たちである。だが魔空空間の拡大の影響で、ラミレスと鉄砕は一時的に肉体を得ることができた。
「ラミレス、鉄砕も来てくれたのか!」
「我々キョウリュウジャーの力を、ヤツにぶつけるぞ!」
声を上げるダイゴに鉄砕が呼びかける。
“キョウリュウ・ミンナガンバ・デ・カーーニバル!”
「9獣電・ビクトリーマキシマムフィニッシュ!」
ダイゴがミニティラから強力な光を発射する。攻介との射撃とともに、彼らの射撃がネクロマンサーガルヴォルスに向かって飛んでいく。
ネクロマンサーガルヴォルスが全身にエネルギーを放出して、ダイゴたちと攻介の光を迎え撃つ。光の直撃を彼は全身の力で受け止めていく。
「これで私に勝とうとは・・私を侮るな!」
「まだオレが残っているぜ。」
言い放つネクロマンサーガルヴォルスに言いかけて、晴人がアックスカリバーをアックスモードにする。
“ハイタッチ!シャイニングストライク!キラ・キラ!”
インフィニティウィザードリングをハンドオーサーにかざす晴人。するとアックスカリバーが魔力を強めて巨大化する。
「オレたち宇宙刑事の力も見くびるな!」
さらに撃が烈とともにレーザーブレードを構えて、エネルギーを集中させる
身動きの取れないネクロマンサーガルヴォルス目がけて、晴人がアックスカリバーを、撃と烈がレーザーブレードを振りかざす。「ドラゴンシャイニング」と「ギャバンダイナミック」によって切りつけられたネクロマンサーガルヴォルスが、ダイゴたちと攻介の光にも押されてのみ込まれた。
「この私が・・力を増した私が!」
絶叫を上げるネクロマンサーガルヴォルスが、光の中に消えていった。
「よっしゃあ!決まったぜ!」
「ごっつぁん!」
ダイゴが勝利の声を上げて、攻介が手を合わせて挨拶をする。
「あの怪人を倒したことで、魔空空間が弱まって地球や宇宙が元に戻る・・」
「いや、まだだ・・!」
呟きかけた晴人に撃が声をかけてきた。彼らの攻撃にのみ込まれたネクロマンサーガルヴォルスが、起き上がって立ちはだかってきた。
「まだだ・・私の力はまだこんなものではないぞ・・・!」
声と力を振り絞るネクロマンサーガルヴォルス。彼の体に魔空空間からの黒い光が注がれていく。
そしてネクロマンサーガルヴォルスが巨大化していった。
「おいおいおい!でっかくなるなんて反則だろ!」
攻介が驚きと不満を見せる前で、ネクロマンサーガルヴォルスが魔空空間からさらにエネルギーを集中させていく。
「地球ごと、お前たちを木端微塵にしてくれる!」
ネクロマンサーガルヴォルスが晴人たちに向けて光線を放つ。地面から爆発が連発して、晴人たちが吹き飛ばされていく。
「くっ!・・なんて威力だ・・・!」
晴人がネクロマンサーガルヴォルスのパワーに緊迫を膨らませる。
「そっちがそう来るなら、オレたちも“キョウリュウジン”で行くぜ!ガブティラに戻れ!」
“コロリンチョ!”
ダイゴがミニティラからガブリボルバーを外して、さらに獣電池を外す。すると彼がキョウリュウレッド・カーニバルから戻り、ミニティラもガブティラに戻った。
「よし!ステゴッチも来い!」
「ドリケラ、お願い!」
“ガブリンチョ!
ノブハルとアミィも獣電池を投げ放って、ステゴザウルスの獣電竜「ステゴッチ」とトリケラトプスの獣電竜「ドリケラ」を呼び出した。
“ガブリンチョ!ステゴォッチ!”
“ガブリンチョ!ドリケェ〜ラ!”
ガブティラ、ステゴッチ、ドリケラが変形して、それぞれがかみついての「カミツキ合体」をしていく。
“キョーリュージン!”
「完成、キョウリュウジン!」
ガブティラたちがカミツキ合体をして、獣電巨人「キョウリュウジン」となった。ダイゴ、ノブハル、アミィがキョウリュウジンに乗り込んだ。
「オレたちもキングたちに続くぞ!パラサガン!」
「ザクトル!」
「プテラゴードン!」
“ガブリンチョ!”
“ガブリンチョ!プテラゴーードン!”
イアン、ソウジ、空蝉丸も獣電池を投げ放って、パラサウロロフス、ヴェロキラプトル、プテラノドンの獣電竜「パラサガン」、「ザクトル」、「プテラゴードン」を呼び出した。
「プテラゴードン、カミナリ変形!」
空蝉丸が乗り込んだプテラゴードンが「カミナリ変形」をして、獣電巨人「プテライデンオー」となった。
さらにプテライデンオーの右腕にパラサガンが、左腕にザクトルがカミツキ合体をする。
「完成、プテライデンオー・ウェスタン!」
「プテライデンオー・ウェスタン」にイアンとソウジも乗り込んだ。
「それで私を止められると思っているのか?」
「止めてやるさ!世界も地球も宇宙も、お前たちなんかにムチャクチャにさせてたまるか!」
あざ笑ってくるネクロマンサーガルヴォルスにダイゴが言い放つ。鎌を構えたネクロマンサーガルヴォルスに、キョウリュウジンが向かっていく。
ネクロマンサーガルヴォルスが振りかざす鎌を、キョウリュウジンがステゴッチシールドで防ぐ。すかさずドリケラドリルを出すキョウリュウジンだが、ネクロマンサーガルヴォルスの鎌の柄をぶつけられて突き飛ばされる。
「キングどの!」
空蝉丸が声を上げて、プテライデンオーがパラサビームガンを発射して、ネクロマンサーガルヴォルスに命中させる。しかしネクロマンサーガルヴォルスは押されただけでダメージを受けていない。
ネクロマンサーガルヴォルスが鎌を掲げて、稲妻のようなビームを放つ。
「うあっ!」
「ぐっ!」
爆発の衝撃に襲われて、ダイゴたちが声を上げる。怯むキョウリュウジンとプテライデンオーを見下ろして、ネクロマンサーガルヴォルスがあざ笑う。
「キョウリュウジンたちでも敵わないのか・・・!」
「大丈夫です、ダイゴさん!プレズオンもいます!」
声を上げるダイゴたちに向かって、弥生が呼びかけてきた。彼らのところへプレシオサウルスの獣電竜「プレズオン」が駆けつけてきた。
「よっしゃ!オレはプレズオンと一緒に戦うぜ!」
ダイゴがプレズオンに乗り換える。プレズオンは「ロケット変形」をして、獣電巨人「プレズオー」となった。
“プレズゥオー!”
ダイゴが操縦するプレズオーがキョウリュウジン、プテライデンオーと並び立った。
「ここは一気にブレイブフィニッシュだ!」
「分かった!」
「心得たでござる!」
ダイゴの呼びかけにノブハルと空蝉丸が答える。
“3,2,1!”
プレズオーが右腕の銃砲「プレズキャノン」のレバーをスライドさせて、キョウリュウスピリットを集中させていく。
「トリプルブレイブフィニッシュ!」
“ズッボーン!”
キョウリュウジン、プテライデンオー、プレズオーがガブティラヘッド、パラサビームガン、プレズキャノンから同時にビームを発射する。3つのビームがネクロマンサーガルヴォルスに向かって飛んでいく。
「私の力をまだ甘く見るか!」
ネクロマンサーガルヴォルスが鎌を振りかざして、黒い光を解き放つ。黒い光はキョウリュウジンたちのビームとぶつかって、巨大な爆発と衝撃が巻き起こった。
キョウリュウジンたちが吹き飛ばされて倒された。
「なんてヤツだ!・・オレたちのブレイブを跳ね返しちまうとは・・!」
ダイゴがネクロマンサーガルヴォルスのパワーに息をのむ。
「キョウリュウジャー、まずはお前たちから葬り去ってやる!」
ネクロマンサーガルヴォルスが鎌からビームを放出する。この攻撃でダメージを受けて、キョウリュウジンとプテライデンオーがカミツキ合体を維持できなくなって、獣電竜に戻ってしまう。
「うわっ!」
イアンたちもそのはずみで外に投げ出されてしまう。
「みんな!ぐっ!」
ダイゴが呼びかけるが、ネクロマンサーガルヴォルスが放つビームの爆発が、さらにプレズオーを襲ってきた。
「みんな、大丈夫か!?」
撃が晴人とともにイアンたちのところへ駆けつけて、声をかけてきた。
「オレたちは平気だ・・だが・・!」
「私たちの力を合わせたブレイブフィニッシュでも、アイツを止めることができない・・・!」
イアンとアミィが声を上げて、ダイゴが残っているプレズオーとネクロマンサーガルヴォルスに目を向ける。
「お前もバラバラにしてやる。他の恐竜たち以上に、2度と立ち上がれなくなるほどに・・!」
ネクロマンサーガルヴォルスがまだ立ち上がれないでいるプレズオーに、鎌を向けてきた。
「諦めないぞ・・この世界を、みんなをムチャクチャになんてさせねぇ・・・!」
ダイゴが声を振り絞って、ネクロマンサーガルヴォルスに言い放つ。
「それに、オレたちだけじゃない・・スーパー戦隊も、仮面ライダーも宇宙刑事も、みんな地球や宇宙を守ってきたんだ・・オレたちが諦めちまったら、みんなに会わせる顔がなくなるってもんだ!」
「ならは全てのスーパー戦隊、仮面ライダー、宇宙刑事、地球にいる全ての者たちをまとめて葬り去る・・!」
ダイゴの決意をあざ笑って、ネクロマンサーガルヴォルスが鎌を振り上げた。
そこへビームが飛び込んできて、ネクロマンサーガルヴォルスの鎌に命中した。ネクロマンサーガルヴォルスがあおられて、後ろに押される。
「そうだ!お前たちだけじゃないぞ、ダイゴ!」
ダイゴに呼びかけてきたのは撃だった。彼はドラゴンの姿をした電子星獣「ドル」の背に乗って、「ドルレーザー」でネクロマンサーガルヴォルスの攻撃を阻止したのである。
「すっげー!獣電竜じゃないみたいだけど、そんな仲間がいたんだなー!」
ダイゴが撃とドルを見て感動の声を上げる。
「ギャバンも今のアイツに立ち向かえるだけの力と仲間を持っている・・オレも負けていられない・・・!」
晴人もダイゴたちと撃に加勢しようと、その方法を考えていく。
「そうだ・・コイツを使って・・・!」
思い立った晴人がウィザードリングをはめて、ハンドオーサーにかざした。
“ビッグ!プリーズ!”
晴人が使ったのはビッグウィザードリングだった。彼は普段は手を大きくして攻撃するために使っているが、今度は手だけでなく全体を大きくすることを思いついた。
思った通りに、晴人は大きくなることに成功した。
「やった・・これでアイツとも戦える・・・!」
晴人が手を握りしめて、大きくなった自分を実感していく。
「おいおい、魔法ってそんなこともできるのかよー!」
「まぁな。といっても、今回は大きな賭けでもあったけどな。」
また感動の声を上げるダイゴに、晴人が笑みをこぼした。
「それじゃ反撃開始だぜ!」
「ショータイム、ここからが本番だ・・!」
立ち上がったプレズオーから言い放つダイゴと、構えを取る晴人。撃もドルの上で構えを取る。
「どこまでも抵抗してくるか、お前たち・・ならば2度と抵抗できないように、この手で消し去ってくれる・・!」
ネクロマンサーガルヴォルスが鎌を構えて、晴人たちに向かっていく。
「ブンバッキー、お前も来い!」
“ガブリンチョ!”
ダイゴが獣電池を投げ放って、パキケファロサウルスの獣電竜「ブンバッキー」を呼び出した。
「ガブティラ、爆裂カミツキ合体だ!」
“ガブリンチョ!”
ガブティラ、ブンバッキー、プレズオンがカミツキ合体をして、獣電巨人「バクレツキョウリュウジン」となった。
「完成、バクレツキョウリュウジン!」
バクレツキョウリュウジンにダイゴだけでなく、イアンたちも乗り込んできた。
一気にパワーを上げてきたバクレツキョウリュウジンが、ネクロマンサーガルヴォルスが振り下ろした鎌を受け止める。そこを晴人が左のパンチを当てて、ネクロマンサーガルヴォルスを突き飛ばす。
そこへ撃の操るドルが火炎「ドルファイヤー」を放つ。ネクロマンサーガルヴォルスがさらに押される。
「この程度で私を止められると思っているのか・・!」
ネクロマンサーガルヴォルスが力を集中させる。地球に広がっている魔空空間からさらにエネルギーが送り込まれて、彼に注ぎ込まれていく。
「魔空空間のエネルギーを取り込んでいる・・・!」
「それだけじゃない・・倒された怪人たちの力も吸収している・・・!」
ダイゴと晴人が強化していくネクロマンサーガルヴォルスに対して声を上げる。ネクロマンサーガルヴォルスが力を蓄えて、笑みを浮かべてきた。
「これが、邪悪なる戦士たちの力の結集だ!」
ネクロマンサーガルヴォルスが鎌をかざしてビームを放出する。威力の上がったビームを受けて、晴人たちが突き飛ばされる。
「うあっ!」
ドルに乗っていた撃も突き飛ばされて、ドルも撃墜されて地上に落下した。
「ドル、大丈夫か!?」
撃が呼びかけるが、ドルのダメージは大きく起き上がることもままならなくなっていた。
「このままではまたやられてしまう・・オレたちには手が、希望が残されていないのか・・・!?」
晴人が立ち上がって、打開の糸口を探っていく。
「晴人、オレを大きくするんだ・・それでオレはお前たちと一緒に戦える・・・!」
同じく立ち上がった撃が晴人に呼びかけてきた。
「撃・・・ここまで来たんだ・・やれることはやっておくか・・・!」
撃の提案を聞き入れて、晴人がウィザードリングをはめてハンドオーサーにかざした。
“ビッグ!プリーズ!”
晴人の魔法を受けて、撃も巨大化した。晴人と撃が巨大化して、キョウリュウジャーの乗っているバクレツキョウリュウジンと力を合わせるときが来た。
「何をしてこようとムダだ!私の力を止めることなど!」
「オレたちはまだ諦めていないぞ!」
言い放つネクロマンサーガルヴォルスに言い返してきたのは、地上にいた光輝だった。彼の周りには歴代の仮面ライダー、スーパー戦隊、宇宙刑事が集まってきていた。
「お前たちのような悪がこの世にいる限り、オレたちは戦い続ける!」
「オレたちは1人ではない!スーパー戦隊、仮面ライダー、宇宙刑事・・!」
「そして、オレたちを信じてくれているみんながいる!」
1号、アカレンジャー、烈も言い放った。
そのとき、歴代の仮面ライダー、スーパー戦隊、宇宙刑事の体から光があふれ出してきた。光は晴人、撃、ダイゴたちに注がれていく。
その光があふれてきていたのは光輝たちだけではなかった。彼らスーパーヒーローを応援する人々からも、思いの光があふれてきていた。
「これが、みんなの思い・・みんなの希望・・・!」
「オレたちスーパーヒーローを信じてくれているみんなのブレイブ・・!」
「確かに受け取った・・みんなのこの思い、絶対にムダにしない!」
晴人、ダイゴ、撃がみんなの思いと力を受け取って、彼らとバクレツキョウリュウジンが立ち上がる。
「仮面ライダー・・スーパー戦隊・・宇宙刑事・・・!」
ネクロマンサーガルヴォルスが晴人たちに向かっていく。その彼に向かって撃が左手を突き出して、「シルバービーム」を発射する。
速射性に優れたシルバービームだが、思いの力を受けたことで威力も上がっていた。
続いて晴人がアックスカリバーを振りかざして、ネクロマンサーガルヴォルスを攻め立てる。鎌で防いでいくネクロマンサーガルヴォルスだが、晴人の攻めに押されていく。
「お前の邪悪な力、抑え込んでやるぜ!」
ダイゴが言い放って、バクレツキョウリュウジンがキョウリュウスピリットを集中させていく。
「獣電爆裂ストーム!」
バクレツキョウリュウジンが胸のガブティラヘッドからビームが放たれる。ビームを受けたネクロマンサーガルヴォルスが動きを止められる。
「こ、これは!?・・力が、抜けていく・・・!?」
ネクロマンサーガルヴォルスが体から力が抜けていくことに驚く。
獣電爆裂ストームは元々はデーボス細胞破壊プログラムによる光線だが、魔空空間や様々な怪人の力と魂を取り込んでいたネクロマンサーガルヴォルスにも、力を抑えて動きを封じ込める効果をもたらしていた。
「今だ!オレたちの全力を、アイツに叩き込むんだ!」
「あぁっ!」
「分かった!」
ダイゴの呼びかけに晴人と撃が答える。撃がレーザーブレードを手にして、刃に光とエネルギーを集中させていく。
“チョーイイネ!キックストライク!サイコー!”
晴人がキックストライクウィザードリングをはめて、ハンドオーサーにかざした。彼の足もとに魔法陣が現れて、右足に魔力が集まっていく。
“3,2,1!”
バクレツキョウリュウジンが右腕のプレズキャノンにキョウリュウスピリッツを集めていく。
「獣電砲・爆裂ブレイブフィニッシュ!」
“ズッボーン!”
バクレツキョウリュウジンがプレズキャノンからプレズオンの首の形をしたビームが放たれる。
同時に撃がレーザーブレードを振りかざしてギャバン・ダイナミックを繰り出す。
そして晴人も飛び上がり、キック「ストライクウィザード」を繰り出した。
撃、晴人、バクレツキョウリュウジン。宇宙刑事、仮面ライダー、スーパー戦隊。スーパーヒーローと彼らを信じる人々の思いを込めた必殺技が、ネクロマンサーガルヴォルスに叩き込まれた。
「私は負けない・・絶望に満ちた邪悪を集めた私が、負けることなど・・・!」
きらめいた光にのみ込まれるように、ネクロマンサーガルヴォルスが消滅していった。
「お前たちが絶望をまき散らすなら、それ以上の希望を振りまく・・」
「邪悪を使って攻めてくるなら、それ以上の正義の心と魂でぶつかっていく・・」
「それがオレたち、スーパーヒーローだ・・・!」
晴人、ダイゴ、撃が正義と信念を口にする。自分たちも含めて、これまで地球や宇宙、世界を守り続けてきた仮面ライダー、スーパー戦隊、宇宙刑事たちスーパーヒーローと、彼らを信じて応援を続けてきた人々の思いを。
「まだ終わってはいないぞ!」
「魔空空間は、なおも地球や宇宙に広がり続けています!」
イアンと弥生が呼びかけてきた。ネクロマンサーガルヴォルスは倒れたにもかかわらず、魔空空間はさらに拡大していた。
「そんな!?アイツを倒したってのに!?」
「魔空空間そのものが暴走しているのか・・!?」
「早く食い止めなければ、世界が地獄と化してしまうでござる・・!」
ダイゴ、ソウジ、空蝉丸が声を上げる。
「まだ諦めるのは早いぞ!」
そこへトリンの声が飛び込んできた。晴人たちのところへブラキオサウルスの獣電竜「ブラギガス」が現れた。
「トリン!ブラギガスも来てくれたのか!」
ダイゴが喜びの声を上げる。光輝たちの前にトリンが降り立った。
「遅くなってすまない。ブラギガスとも力を合わせて、あの空間を封じ込める!」
「オレたちも力を貸すぞ。我々の力はまだまだこんなものではない。」
呼びかけるトリンにデカマスターが声をかける。トリンが頷いてから、ブラギガスの獣電池とギガガブリボルバーを取り出した。
「ブレイブイン!」
“ギガガブリンチョ!ブラ〜ギガス!”
トリンが獣電池をギガガブリボルバーにセットする。
「キョウリュウチェンジ!ファイヤー!」
ロック調の音楽に合わせるように舞ってから、トリンがギガガブリボルバーを発射する。放たれたキョウリュウスピリットを身にまとい、彼はキョウリュウシルバーとなった。
「閃光の勇者、キョウリュウシルバー!」
トリンが名乗りを上げると、デカマスターと握手を交わした。
「みんな、超カミツキ合体をして、魔空空間を封じ込めるぞ!」
「分かったぜ、トリン!みんな、行くぜ!」
トリンの呼びかけにダイゴが答える。
「超カミツキ合体!」
バクレツキョウリュウジンが1度分離して、キョウリュウジン、パラサガン、ザクトル、ブラギガスが超カミツキ合体を行う。
“ギーガントキョーリュージン!ギーガントキョーリュージン!”
獣電竜が合体を果たして、巨大な獣電巨人「ギガントキョウリュウジン」となった。
“ギガント、キョーリュージン!”
“ギーガ・ギーガ・ギーガー!ギーガ・ギーガー!”
「完成!ギガントキョウリュウジン!」
ダイゴたちとトリンが高らかに言い放つ。彼らはブラギガスの体内にあるスピリットベースに来ていた。
「みんなの力を合わせて、地球を元に戻すぞ!」
ダイゴの掛け声で、ギガントキョウリュウジンが全ての獣電竜のキョウリュウスピリットを胸部のプレートに集めていく。
「我々も力を貸すぞ!」
アカレンジャーが呼びかけたそのとき、歴代のスーパー戦隊のロボや戦闘機たちも続々と駆けつけてきた。戦隊のメカニックたちも、ギガントキョウリュウジンに力を送っていた。
「ウィザード、我々仮面ライダーの力を、君に結集させる!」
「ライダーシンドロームだ!」
1号と2号も呼びかけて、歴代の仮面ライダーたちもそれぞれのポーズを取って、集中させたエネルギーを晴人に送る。
「撃、オレたち宇宙刑事の力をお前に託す!」
「魔空空間を止めてくれ!」
烈と快も撃に呼びかけて、彼らも力を送った。
撃、晴人、ダイゴたちにスーパーヒーローの全ての力と思いが集まった。
「行くぞ、ダイゴ、キョウリュウジャー!」
「みんなの力を、ギガントキョウリュウジンに結集させる!」
「晴人、撃・・ありがとう、みんな!」
晴人と撃に呼びかけられて、ダイゴが感謝の言葉を返した。彼らが魔空空間と地球をつなぐトンネルに狙いを定めた。
“キイテオドロケ!ギガントアツマリンチョ・デ・ガブリンチョ!”
ギガントキョウリュウジンの胸部のプレートがさらにエネルギーの光を輝かせていく。
「オールヒーロー・ギガントエクスプロージョン!」
全てのスーパーヒーローの力を結集させたエネルギーが、ギガントキョウリュウジンから放たれた。解き放たれた光は地球や宇宙に広がっていた魔空空間を浄化していく。
そして光は魔空空間に通じているトンネルへ伸びていった。トンネルの出入り口は光によって封じられた。
「やった!世界が元に戻ったぞ!」
ダイゴが声を上げるのをきっかけにして、晴人も撃も、光輝たちも勝利と平和への喜びの声を上げた。彼らスーパーヒーローの活躍でネクロマンサーガルヴォルスたち怪人たちは倒され、広がっていた魔空空間も封印された。
「ありがとう、晴人・・君やキョウリュウジャー、みんながいなければ地球も宇宙も守れなかった・・」
「いや、感謝しているのはこっちのほうだ・・ありがとう、撃・・」
撃と晴人が感謝をして、握手をした。その瞬間、巨大化の魔法の効果が終わって、2人が元の大きさに戻った。
「晴人、お前らだけでっかくなりながってー!」
攻介が駆け込んできて、晴人たちに不満を見せてきた。光輝たち、ヒロムたち、烈たちも駆けつけ、ダイゴたちもバクレツキョウリュウジンから降りてきた。
「ありがとうな、みんな!これ以上ないくらいのブレイブだったぜ!」
「あぁ。オレたちが、みんなの希望なんだ・・」
ダイゴが喜びの声を上げて、晴人も笑みをこぼした。
「これで地球も宇宙も元に戻ったわけだな・・」
世界に平和が戻ったことに、ヒロムが安心の言葉をつぶやいたときだった。
突然、マサトの体から光の粒子があふれ出してきた。
「陣さん・・・!?」
「どうやらオレの復活劇はここまでみたいだな・・」
ヨーコが驚きの声を上げると、マサトが笑みを見せてきた。彼だけでなく、雅人、クジラ怪人、ブラックコンドル、ドラゴンレンジャー、タイムファイヤー、アバレキラー、ネクロマンサーガルヴォルスの力によってよみがえった戦士たちの命も消えようとしていた。
「あのガルヴォルスが倒れたことで、あなたたちも・・・!?」
「どうせ1度は消えた命だ。こんな大事なときにまた出てこられただけでもよしとしなくちゃな・・」
光輝が動揺を見せると、マサトがまた笑みを見せる。
「草加・・お前・・・」
「フン。バケモノにいいように振り回されるぐらいなら、死んだほうがマシなんだよ、オレは・・」
戸惑いを覚える巧に、雅人が自分の意思を貫く。
「だがオレは死なない・・生きて・・戦う・・・」
自身の決意を口にする雅人。だがその意思とは逆に、雅人は巧たちの前から姿を消した。
「草加・・・」
消えていった雅人に、修二は歯がゆさを感じていた。
「ライダー・・ありがとう・・」
クジラ怪人がRXにお礼を言う。
「クジラ怪人も、ありがとう・・君がいなかったら、オレたちも・・・」
「RX・・他のみんなにもよろしく・・・海を守ってくれ・・海を・・・」
感謝を返したRXに海の平和を願って、クジラ怪人も姿を消した。
「陣さん・・今度こそお別れですね・・・」
同じく消えようとしているマサトに、ヒロムが戸惑いを見せる。
「そんなに気にするな・・お前らがいるなら、ゴーバスターズは健在だ・・いや、スーパー戦隊も仮面ライダーも、宇宙刑事も無敵だ・・」
「先輩・・・」
笑みをこぼすマサトに、リュウジが込み上げてくる悲しみを噛みしめていく。
「ゴーバスターズ、お前らに世界の未来を任せたぜ・・」
ヒロムたちに世界と人々の未来を託して、マサトも姿を消した。
「陣さん・・・」
戸惑いを感じていたヒロムたちだったが、気持ちを切り替えて敬礼を送った。
ネクロマンサーガルヴォルスと魔空空間の力がなくなったことで、ブラックコンドル、ドラゴンレンジャー、タイムファイヤー、アバレキラーも消えていった。
「あのガルヴォルスが倒れて、地球も宇宙も、世界も元に戻った・・」
「でも、失ったものもあった・・今までなかったわけじゃなかったけどな・・・」
光輝とマーベラスが今回の戦いのことで語り合う。
「でもそんな絶望ばかりじゃない。」
「みんなや世界を邪悪から守るために、みんなにもブレイブを分けるために。」
「大切なものを守るために、オレたちは戦い続ける・・仮面ライダーとスーパー戦隊、宇宙刑事という違いはあっても、その思いは同じだ。」
大切なことを口にして、晴人、ダイゴ、撃が拳を打ち合わせて、それぞれの決意と思いを確かめ合った。
「だがまだ、全ての悪が完全についえたわけではない。」
アカレンジャーが1号、烈とともに晴人たちの前に現れて声をかけてきた。
「今回のように、怪人や悪の戦士がよみがえってくることがまた起きるかもしれない・・」
「それにこれからまた、新たな悪が地球や宇宙を支配しようと動き出すかもしれない・・」
1号と烈も続けて呼びかけていく。するとダイゴが小さく頷いてきた。
「あぁ。まだデーボス軍は倒してねぇ。ヤツらはオレたちに任せてくれ!」
「ダイゴ、みんな、これからもともに戦おう!」
決意を口にするダイゴの肩に手を乗せて、トリンが彼と握手を交わした。
「オレたちはそれぞれの場所で、悪と戦い、世界を守っていく。」
「そしてオレたちは、君たちの強さを信じている。」
「ともに戦おう。仮面ライダー、スーパー戦隊、宇宙刑事の名において。」
1号、アカレンジャー、烈が握手を交わしていって、正義と平和を守っていくことを改めて誓い合った。
「これでとりあえずお別れになってしまうが、また会うときが来ると信じてるぜ・・」
「そうだな。また今回みたいなとんでもない事件が起これば、イヤでもまた会うことになるだろうな・・」
「そんな事件が起こらないことを祈らせてもらうか・・」
ダイゴ、撃、晴人も声を掛け合う。彼らもそれぞれの大切なもののため、地球や宇宙を守るため、それぞれの戦いに戻っていった。
仮面ライダー、スーパー戦隊、そして宇宙刑事の活躍によって、ネクロマンサーガルヴォルスは倒され、彼によってよみがえった怪人や邪悪な戦士たちも地球や宇宙から姿を消した。
彼らスーパーヒーローはそれぞれの場所、それぞれの戦いへ、それぞれの思いと目的のために戻っていった。
消えていったのは邪悪な者たちだけでなく、戦いの中で命を終えたヒーローたちもである。ある者は仲間たちに自分の思いや願いを託して、ある者は自分の信念を貫いて果てた。
彼らの思いも背に受けて、スーパーヒーローはそれぞれの人生を過ごしていく。それぞれの戦いを続けていく。
仮面ライダー、スーパー戦隊、宇宙刑事。スーパーヒーローの戦いと歴史、物語に終わりはない。