Blood -double black- File.13 不自由な楽園で

 

 

 両親を亡くし、天涯孤独の身になったあたしにとって、たくさんの仲間のいた大講堂があたしの楽園だった。

 ブラックカオスによってみんなの時間を止められ、1人取り残されたあたしは、GLORYに入隊してブラッドと敵対する道を選んだ。

 始めはカオスへの復讐のためだった。あたしの楽園を奪った彼を、あたしは許せなかった。

 そんな憎しみを抱いていたあたしも、いつしか信じてた。救世主の存在を。

 戦いを繰り返しているうちに、あたしは救世主として認められる人と出会った。

 あたしと同じでブラッドに虐げられてきた人、アヤ。あたしと同じ破邪の剣の使い手だったアヤは、1人ブラッドと戦っていた。

 でも、アヤがブラッドだと知ったとき、あたしは何もかも信じられなくなった。憎んでいるはずのブラッドを救世主と思いこんでいた自分自身も。

 それでもアヤはあたしのために体を張ってくれた。全てを賭けてあたしを救ってくれた。

 楽園へと導いてくれる救世主は、確かにそこにいた。そしてあたしは、その救世主と同じ道を歩いている。

 

 ブラックカオスに血を吸われ、ブラッドにされた私は、周囲から冷たい眼で見られるようになり、孤独の道に立たされた。

 こんな不条理を与えたカオスを始めとしたブラッドに、私は敵対する決意をした。

 そんな中、私を救世主と見てくれた人に出会った。

 トモ。

 彼女は私のために、所属していたGLORYをも脱退し、私を信じて追い求めてくれた。そんな彼女に、私は次第に心を許すようになっていた。

 ただ、彼女もブラッドに憎しみを抱いていて、私がブラッドだと知ったときの彼女の悲しい顔を、私は今でも覚えている。

 その気になっていたわけではないが、彼女1人守れないで、救世主には到底なれない。心の片隅で望んでいた、ブラッドと人間の共存も叶わない。

 私はトモを助けたかった。そんな一途な思いでいっぱいだった。

 私は全てを投げ打って、彼女の楽園を見つける道を選んだ。彼女と一緒にいることが、私にとっての楽園だと感じたからだった。

 私の、トモの楽園を見つけるためにこれからも歩き続けていく。私の願いは、ただそれだけだった。

 

 大歓声の沸きあがるブラッドステージ。その中心で喝采を浴びるブラックカオス。

「では次に、邪神の力を持った破邪の剣の威力を見せてやろう。そのまなこに焼き付けるがいい。邪神とブラッドテクノロジーの融合の威力を!」

 カオスは腰に下げていた破邪の剣、プルートのスティックを引き抜き、携帯電話をセットして高らかと掲げる。荒々しい光が、プルートの発射口から放出される。

 その凄まじさに、人々はカオスの完全なる支配を確信した。

 そのとき、カオスは解き放っていた力を、突然消失してしまった。その様子に観客たちもどよめく。

 カオスが向けた視線の先、ステージの出入り口から、3人の人影が映る。

「お、お前たち・・・!?」

 カオスが驚愕の声を上げる。

 出入り口から現れたのは、固められたはずのアヤ、トモ、サエだった。

「バカな・・・私のカーボンフリーズ、時間凍結を受けて、動けなくなったはず・・!?」

 困惑するカオス。彼のただならぬ様子を見て、観客たちにも困惑が広がる。

 アヤとトモの髪は白くなっていた。Sブラッドへと覚醒を果たしたとカオスは畏怖していた。

「私たちには、帰るべき場所が、楽園があるんだ。」

「アンタを倒さないと取り戻せないなら、あたしはアンタを倒すわ。」

 アヤとトモがそれぞれの破邪の剣の光の刃を、動揺を隠せないカオスに向ける。2人の心には、揺るぎない決意が込められていた。

 サエは出入り口のほうに下がって、彼女たちの戦いを見守る。

 困惑を押し殺して、カオスは不敵な笑みを浮かべる。

「Sブラッドへの成長を遂げたことは褒めておこう。だが、いくらSブラッドでも、邪神の力を得た私には無力に等しい。」

 カオスは消していたプルートのエネルギーを再び発動させる。その威力は、邪神の力を融合させたことによって絶大なものになっていた。

「これは!?」

 アヤがカオスの力に驚愕する。

「これほどにまで力が上がっているとは・・・!」

 カオスの精神エネルギーを媒体にしたプルートの刃は、あらゆるものを貫き切り裂く凄まじさとなっていた。

「この邪神の力で、今度こそお前たちを葬ってやろう。時間を凍てつかせることはしない。カーボンフリーズさせた後、この力を持って、粉々に砕いてやる。破壊された時点で、その命は消える。」

 カオスがプルートの刃をアヤとトモに向ける。

「受けてみるがいい。邪神の、私の支配の力を!」

 カオスが携帯電話の4と決定ボタンを押す。巨大なエネルギーの弾丸がプルートの発射口から放たれ、アヤとトモに向かって飛んでいく。

 アヤとトモはそれぞれ反対の方向に回避行動をとる。危機感を感じたサエもとっさに出入り口から離れた。

 巨大な光の塊は、サエが今までいた出入り口と、その周囲の観客席を破壊した。

「通常のエネルギーでこれほどの破壊力・・・邪神の力はこれほどすばらしいとは。」

 増した自分の力に感服すえうカオス。アヤたち、そして観客たちはその脅威に驚愕するばかりだった。

「これが破邪の剣の力!?全然次元が違うじゃないの!」

 驚愕の声を上げるトモ。その横でアヤが毒づく。

「カオスの精神力を受けて、威力が増している!まともに受けたら、いくら私たちがSブラッドになっていてもひとたまりもない!」

 体勢を立て直すアヤとトモに、カオスはプルートの出力を抑えて振り返る。

「安心しろ。こんなに簡単に始末したりはしない。今は力を抑えきれなかったが、今度は制御できるだろう。覚悟するがいい、ブラックナイト、ブラックエンジェル。いや、アヤ、トモ!」

 刃を出現させたプルートを振りかざして、カオスがアヤとトモに向かって飛び込んだ。

 振り下ろされた邪神の刃が地面を切り裂き、アヤとトモは分断される。

 カオスはアヤに狙いを定め、再びプルートを振り抜いた。その刃をウラヌスで受け止めるアヤ。

 つばぜり合いをするカオスがふと不敵に笑う。

「お前など、邪神の力を使わなくても、このプルートのエネルギー吸収を用いれば。」

 カオスは携帯電話の番号7と決定ボタンを押して、エネルギー吸収の特殊能力を発動させた。ウラヌスの刃が、プルートの発射口に吸い込まれていく。

「アヤ!」

 そのとき、カオスの背後からトモがネプチューンを振り上げて飛びかかってきた。

 振り向いたカオスがアヤを弾き飛ばし、プルートに再び刃を出現させてネプチューンの攻撃を受け止めた。

「アヤを葬った後、お前もすぐに始末してやる。だから大人しくしていろ!」

 振り抜いたプルートの斬撃に吹き飛ばされるトモ。

「トモ!」

 立ち上がったアヤが再びカオスに飛びかかる。しかしカオスは難なくアヤの攻撃をかわし、迎撃する。

 そこにトモが反撃に出るが、これもはね返される。

 2対1で戦っているように見える戦いは、1対1の立ち代りになっていた。カオスの圧倒的な力の前に、アヤとトモは劣勢を極めていた。

「これで分かったか?お前たちが何をしようとムダであることを。」

 プルートの刃を下げ、ふらつくアヤとトモに悠然とした笑みを見せるカオス。

 彼女たちの息は荒くなり、体力もかなり消費していた。

「なんという力・・・邪神の力、これほどまでとは・・」

「でも、あたしたちは負けられない。アイツを倒さないと、あたしたちは楽園に帰れない。」

 危機に立たされながらも、決意を見せる2人。

「私を救世主と信じてくれたトモのためにも・・」

「あたしの心を救ってくれたアヤのためにも・・」

 それぞれの破邪の剣の切っ先をカオスに向けるアヤとトモ。

「ブラックカオスを倒す!」

 2人の声が重なる。その言葉にカオスは哄笑を上げる。

「私は倒せん。私の支配はもはや揺らぐことはない。」

 余裕を見せるカオスに対し、アヤとトモは互いを見て小さく頷き合う。

 同時に身構え、同時に飛びかかって同時に剣を振り下ろす。意気投合した2人の攻撃がカオスを襲う。

 カオスはその猛攻を、素早い身のこなしと向上された力でしのいでいく。

「こざかしい!」

 振り下ろされる刃の1つをなぎ払うカオス。その反動を利用して、反対側に着地するアヤ。トモと挟み撃ちの形をとる。

 同時に飛び出し、カオスに向かって剣を振りかざす。カオスは飛び上がってそれをかわす。

 カオスはプルートを振りかざし、光の刃をアヤたちに向けて放つ。爆発に巻き込まれるステージ。

 その爆煙の中から間髪入れずに飛び出してくるアヤとトモ。

「ならば、そのエネルギーを消し去ってくれる!」

 カオスは携帯電話の番号9と決定ボタンを押し、エネルギーの無力化を発動させた。発射口から放たれた見えない盾を境に、アヤとトモが振り下ろした剣の刃が消失する。

「あたしはまだ、ここで立ち止まるわけにはいかないのよ!」

 トモも携帯電話の番号9と決定ボタンを押し、消えゆく剣の刃を変形させる。発射口から光の柄が伸び、その先端に細く鋭い刃が出現する。

 槍へと姿を変えたネプチューンを握りしめ、トモが改めてカオスに向けて攻撃を繰り出す。しかしそれもプルートのエネルギー無力化に阻まれる。

「あたしは進む!あたし自身の楽園に帰るために!」

 トモの決意を込めた槍の刃が、プルートの防壁を突破し、カオスの頬をかすめる。

「何っ!?無力化を突き崩しただと!?」

 驚愕の声を上げるカオス。ネプチューンの力が、徐々にカオスを追い詰めていく。

「ならば、そのエネルギーを取り込んでくれる!」

 カオスがボタンを叩き、ネプチューンとウラヌスのエネルギーの吸収を図る。膨大なエネルギーがプルートの発射口に吸い込まれていく。

 それにも関わらず、2本の破邪の剣からさらなるエネルギーがあふれてくる。Sブラッドと進化したトモとアヤの決意の込めた精神力が、力となって解放されているのだ。

 そのエネルギーを吸いきれず、プルートのスティックに亀裂が生じた。

「バカな!吸いきれないなど・・!」

 気おされるカオスの力が、アヤとトモの力によって撃ち砕かれる。そのエネルギーの反動が漏れ出し、観客席に飛び火する。

 そのまま天井に叩きつけられ、ブラックカオスは爆発に包まれた。損傷したプルートのスティックが、アヤとトモが気がかりになって出入り口から出てきたサエの頭上に落ちてきた。

「わっ!」

 慌ててスティックを手に取るサエ。損傷したプルートはその機能を完全に停止していた。

 着地したアヤとトモが破邪の剣のエネルギーを消し、煙に包まれた天井を見上げた。閃光の余波を受けて、観客たちは混乱していた。

「やったのかな・・・!?」

「多分・・・」

 警戒を解かずにそのまま天井を見つめるアヤ。暗雲立ち込めた雰囲気がこの場を包む。

 そのとき、消えかかっていた煙が大きく膨れ上がった。

「なっ!?」

 驚愕を上げるアヤたちが見上げる中、爆煙を吹き飛ばして閃光を放ちながら、ブラックカオスが姿を現した。

「お前たち、このままでは済まさんぞぉーーー!!!」

 絶叫を上げて衝撃波をアヤとトモに浴びせるカオス。その余波が再び観客席を襲う。

「うっ!まだこんな力が・・!」

「いや・・ヤツは暴走している!」

 気おされるトモの言葉にアヤが毒づいて答える。

 追い詰められての危機感からなのか、邪神の力にとり付かれたのか、カオスは眼を見開いて赤い眼光を力とともに放っていた。

 強力な圧力に押されて、アヤとトモは床に叩きつけられる。それを見てカオスが飛び込み、彼女たちの首を掴んだ。

「ぐっ!」

 うめくアヤとトモをさらに締め付けるカオス。

「私の支配こそが、世界を平和へと導く唯一の術だ!」

 カオスの強力な握力で首を絞められ、アヤとトモは携帯電話のボタンを押すことができない。

「トモ!アヤちゃん!」

 その姿を見て困惑するサエ。プルートを握る手に力が入る。

(何とかしないと!何とか・・・このままじゃ、2人とも・・・!)

 2人を助けたいという思いが、サエを突き動かした。手に持っていたプルートのスティックから携帯電話を外す。

 そしてそれらを、持てる力の全てを込めてカオスに向けて投げつけた。

 スティックと携帯電話は命中し、カオスはひるみ、アヤとトモを締め付けていた手から一瞬力が抜ける。

 その隙を突いて、アヤとトモが同時にカオスを足で突き飛ばす。後退させられながらも倒れずにいるカオス。

 せきこみながら、アヤとトモは破邪の剣にセットされた携帯電話の#と1、そして決定ボタンを押した。光の刃が通常を越えた出力で出現する。

 歯軋りしながら2人を睨みつけるカオス。アヤとトモは剣を構え、素早くカオスの懐に飛び込み剣を突き立てた。

 暴走しているカオスのエネルギーが散漫になっていたため、2つの刃は彼の体を貫いていた。返り血がアヤとトモに降りかかる。

「ぐはぁっ!こ、この程度で、この私が負けるはずなどない!ここで消えるわけにはいかないのだ!」

 激昂するカオスが突き刺さっている2つの刃を握りしめる。まるで固定されたように、ウラヌスとネプチューンは動かない。

「それは私たちも同じだ!」

「ここで立ち止まれない!あたしたちの楽園は、まだ先にあるんだから!」

 アヤとトモは#と6と決定ボタンを押した。2つの巨大な光の奔流が、密着状態にあるカオスに向けて放たれた。

「ぐおおぉぁぁぁーーーーー!!!」

 閃光は、絶叫を上げるカオスを貫き吹き飛ばした。エネルギーを完全に使い果たしたことで、ウラヌスとネプチューンのエネルギーが消失する。

 カオスは膨大な2つのエネルギーを受けて、倒れて動かなくなる。

 力を使い果たしたアヤとトモがその場に倒れ込む。

「アヤちゃん!トモ!」

 2人を心配して、サエが駆け込んできた。トモの体を優しく抱き起こす。

「トモ、しっかりして!」

「サエ・・大丈夫だよ・・ちょっと力を使いすぎただけだよ・・・」

 脱力したトモが作り笑顔を見せる。

「ありがとう、サエ。サエがあそこで加勢してくれなかったら、どうなっていたことか・・・」

 アヤがサエの手をとって、感謝の意を示す。

「私は、そんな・・・あれ?」

 照れ笑いを浮かべていたサエが、トモの異変に気づいた。

「どうした、サエ?」

 アヤが訊ねると、サエはトモの頭を指差して答えた。

「トモの頭に、猫耳が・・」

「えっ!?」

 トモとアヤが同時に驚きの声を上げた。トモが手探りすると、頭に猫の耳のようなものがついていた。

「あっ!ホントだ!」

 トモが慌てて猫耳を引っ張ってみるが、完全に体の一部になっているようだった。

「でもいいよ。アヤへの気持ちが、あたしをこんな風にしたんだと思うの。すっかり人間じゃなくなっちゃったけど、悪い気分がしないの。」

「トモ・・・」

 アヤは困惑していた。ブラッドと人間の共存を望み、そのかけ橋として信じていたトモがブラッドになってしまい、彼女自身の楽園が崩壊してしまったと思ったのだった。

 鎮痛な面持ちのアヤに、トモは笑顔を見せた。

「大丈夫だよ、アヤ。それでもあたしは人間のつもりだから。それに、時間を止められたみんなも、分かってくれると信じてるから・・」

「体はブラッドでも、アヤちゃんもトモも心は人間だよ。」

 サエの弁解も加わって、アヤにも笑みが戻る。

 3人は白い炎に包まれたブラックカオスの姿を見つめた。

 世界の不条理が引き起こしたカオスの支配。彼も打ちひしがれる思いで心を痛めていたとトモは思っていた。

 しかし彼女は、カオスの理想ではなく自分の楽園を優先した。大講堂の時間を再び動かして、またあの楽しい日々を過ごすことを望んだ。

 消えていくブラックカオスの姿を見つめて、トモは改めて、自分たちの楽園に帰ることを心に決めた。それを悟ったアヤとサエも、トモに笑みを見せて振り返る。

「何が正しいかなんて、誰にも分からない。だけど、私たちは私たちの進みたいと願った道を進む。私たちの、楽園へと続く道へ・・」

 アヤの言葉に、トモとサエは頷いた。

 ブラッド撲滅のために組織されたGLORYはもうない。彼女たちが帰るべき場所は、もうひとつしかない。

 そこを目指して、アヤたちは足を進めようとした。

 そんな彼女たちの前に立ちはだかるように、大勢の観客たちが集まってきた。

 ブラックカオスを滅ぼしたアヤたちを恨んでいるのか、同胞を迎えようとしているのか。その答えは彼ら自身、分かっていないのがほとんどだった。

 しかし、迷いを振り切ったアヤは、周囲の人々に鋭い視線を向けて口を開いた。

「どけ。私たちの歩く道だ。」

「その先に、あたしたちの楽園があるのよ。」

 トモも続いて人々に声をかけた。

 2人の思いを悟ったのか、人々は分かれて、彼女たちに道を開ける。開かれた道を、アヤ、トモ、サエは無言で進んでいき、ステージを出て行った。

 

 薄明かりに外の光が差し込んでくる廊下。アヤたちは外を目指してその廊下を歩いていた。

「ねぇ、アヤ?」

「んっ?」

 トモがアヤに問いかける。

「みんなの時間は、ちゃんと動いてるかな?ブラックカオスは倒れたけど、みんなが元に戻ったって保障は・・」

「そ、そんなことないよ、トモ!」

 トモの心配を慌てて弁解するサエ。

「もし戻ってたとしても、みんなはあたしやアヤを受け入れてくれるかな・・?」

 物悲しい笑みを見せるトモの頭に、アヤは優しく手をのせた。

「お前の仲間だろ、トモ。だったら、お前が1番に信じてやらないと。」

「・・うん・・そうだね。」

 アヤに励まされ、トモは心からの笑顔を見せる。

 アヤとトモ、サエは外の光に、自分たちの楽園に向かって歩き出した。

「あそこが私たちの楽園かどうか、どこに行き着くのか分からない。だけど、いけるところまで、行くさ・・・」

 

 

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