Angel’ｓ Knight 第４章
Last Act「光射す未来へ〜白き天使達〜」
楓が力を受け継いでから一週間
学習棟談話室
「えっ？帰るの？」
八重の言葉に頷くルナ
「どうして？どうして？」
次いでハイネが口を開く
「ここも、良いんですけど。私には海山を守らなければいけませんから。」
笑顔でそう言うルナ
「心配しないで下さい。エルミナドを超えて直ぐですから会いたいと思えば会えます
よ。」
「うん、そうだね。それで、いつ出るの？」
「用事を終えたら、直ぐにでも。」
ルナの言葉に疑問に思う八重とハイネ
するとそこに楓が入って来る
「楓さん、少し良いですか？」
「…構わないわ。」
そう言うと談話室を出て行く二人
そのまま校庭に出て中央へと歩いて行く
「海山に帰る前に一回だけ手合わせしたかったんです。」
「光栄ね。けど、今の私は水月先生の力を継いでいるわ。」
楓の言葉を聞き口を開くルナ
「それは面白いですね。…全力で行きますよ。」
「こちらもよ。」
楓の言葉の後同時に口を開く２人
「エルスハート、起動！セイバーモード!!!」
「行くよ、ナイトオブムーン、起動!!!モードセイバー!!!」
―ＯＫ。Wake Up Saver Mode Set Up―
魔術法衣を纏い、剣となった自身の魔術具を持ち飛翔する二人
飛翔すると同時に口を開く２人
「エルスハート！」
「ナイトオブムーン!!!」
「「魔力装填!!!」
―ＯＫ Magic Load―
電子音声が告げると同時に２人の剣に魔力が籠る
「ハーティングスラッシュ!!!」
「クレセントムーン!!!」
叫ぶと同時に剣が交わる
それと同時に巨大な魔力の衝撃波が発生する
しばしして衝撃波が止むとそこには滞空する楓とルナの姿が有った
「流石ですね、楓さん。」
「…ルナもね。」
そう言うと２人して落下する
その二人をキャッチするランサーと紫亜
「あらま〜、後先考えずに魔力全部使っちゃって。ランサー、大丈夫？」
「しばらくは、大丈夫ですね。」
「そっ。んじゃ救護室に。」
救護室
「う、う〜ん。……ここ、何処？」
「おはよう、水代さん。」
目を覚ました楓に声を掛ける女性
「…え〜と？」
「フィーアよ。全く、正面から魔力全開でぶつかるなんて。…若いわね〜。」
そう言うと席を立つフィーア
「さっきからフェルミナが心配してるわよ。フェルミナ、起きたわよ！」
フィーアの言葉にドアが開く音がし、救護室に入って来るフェルミナ
「マスター、大丈夫ですか？」
「ランサー、うん、大丈夫。それより、魔力供給は？」
楓の言葉に笑顔で口を開くランサー
「はい、大丈夫です。ちゃんと供給されております。」
「そう、良かった。…ルナは？」
「まだ寝てるわよ。」
フィーアの言葉に窓側を見るとそこには寝てるルナの姿が有った
「フィーア先生、お邪魔しました。」
そう言うと立ち上がりランサーと共に救護室から出て行く楓
廊下に出るとそこには八重・ハイネ・紫亜の姿が有った
「八重、ハイネ、それに紫亜。」
楓の言葉に口を開く紫亜
「どうだった？彼女は。」
「中々やるわね。あれなら海山でもやっていけるわ。」
「喜ぶわね、彼女。」
紫亜の言葉に頷く楓
翌日
ＳＫＡ前
そこには仁科と仁科のエボ��
それと楓・八重・灰音・聖と雪の姿が有った
「氷那さん始め、皆さんにはお世話になりました。」
そう言うとお辞儀をするルナ
「何か有ったら連絡頂戴ね。直ぐに駆けつけるから。」
「次はこっちが行くからね。」
八重・灰音がそれぞれ口を開く
「貴女に月の祝福があらん事を。」
「八重・灰音、それに聖も。」
ルナがそう言うと口を開く楓
「ルナ、何か有ったら直ぐに連絡してね。直ぐに、駆けつけるから。」
「楓。うん、解った。ありがとう。」
ルナが言い終わると口を開く雪
「月夜瑠那。貴女もＳＫの一員と言う事を忘れないでね。風濫なら、こう言う筈だか
ら。」
「氷那さん。はい、解りました。それでは、また。」
そう言うと仁科のエボ�困望茲蟾�むルナ
乗り込んだのを確認して車を出す仁科
「行っちゃったね。」
「直ぐに会えるよ。直ぐに。」
八重の言葉にそう言いきかす楓
車内
「…仁科さん、頼みが、有るんです。」
ふと呟くルナ
「…何だ？言ってみろ。」
「…エルミナドに、寄って貰えますか？」
「…解った。」
そう言うとハンドルを切る仁科
エルミナド
丘の公園から羽咲市を見渡すルナ
「(海山での事件。そして羽咲での出来事。それと、シルヴィーお姉様。
沢山の事が有ったけど、全て忘れません。そして羽咲も。
シルヴィーお姉様、私は、一人で頑張ります。)」
心の中でそう言うとナイトオブムーンを展開するルナ
「月夜？」
その光景を見て疑問に思う仁科
「ナイトオブムーン、フルドライブ！魔力装填!!!」
―ＯＫ Full Drive Magic Load―
「行っけぇぇぇ―――!!!」
―Lunatic Buster―
電子音声の直後魔力を放出するナイトオブムーン
そのまま３０秒程放出し、放出が終ると非展開モードになるナイトオブムーン
「ふぅ。それじゃ仁科さん、行きましょうか？」
「あぁ。」
そう言うと車に乗りこむ二人
翌年
３月
ＳＫＡ
講堂裏
ＳＫＡ第一期生の卒業式が終わり、講堂裏に楓・八重・灰音・聖・紫亜の姿が有った
そんな５人の前には風濫・雪・青葉と唯の姿が有った
「先ずは卒業おめでとう。」
唯の言葉に「ありがとうございます。」と返す５人
「さて、ここに呼び出したのは貴女達の進路についてよ。」
唯の言葉に驚く楓達
「一人ずつ行くから、呼ばれたら返事をして。準備は、良い？」
唯の言葉にそれぞれを見て頷く楓達
「よろしい。先ずは…白里八重！」
「はい！」
元気良く答えると一歩前に出る
「…ＳＫの良き作戦参謀として動いて貰うわ。良い？」
「はい、ありがとうございます！」
そう言うと敬礼し、一歩下がる八重
「次。桜月灰音！」
「はい！」
返事をすると一歩前に出る
「その膨大の魔術の知識量を活かす為第２戦線隊及びＳＫＡ教員として働いて貰う
わ。
良い？」
「喜んで、受理致します。」
「ありがとう。」
唯の言葉を聞くと一歩下がる灰音
「３人目。玖我聖！」
「はい。」
返事をすると一歩前に出る
「その膨大な知識量を活かしてＳＫ及びＳＫＡを援護してあげて。良い？」
「はい、喜んで。」
そう言うと一歩下がる聖
「次、水代楓！」
「はい！」
返事をし一歩前に出る
「羽咲市警特殊機動部隊羽咲隊第２小隊長に任命する！人員に関しては後で送るわ。
」
「はい、ありがとうございます！」
そう言うと敬礼をし、一歩下がる楓
「最後。如月紫亜！」
「はい！」
返事をすると一歩前へ出る
「紫亜。いえ、英霊フィーナ。貴女の進む道はありません。
けど、自ら見つける事は出来るわ。選びなさい、今ここで。貴女が行くべき道を！」
唯の言葉に目を閉じ考え、纏まると目を開け口を開く紫亜
「私はサーヴァントです。
ですからマスター青葉に仕えＳＫ及びＳＫＡの為に尽くします！」
紫亜の言葉に青葉を見る唯
それに対し口を開く青葉
「紫亜。ありがとう。嬉しいわ。」
「はい。私もです。」
そう言うと敬礼し、一歩下がる紫亜
「以上で終わるわ。敬礼！」
唯の言葉に敬礼する一同
「直れ！以上、解散！」
そう言うと講堂裏から移動する唯・風濫・雪・青葉
それを確認して口を開く楓
「…また、一緒だね。」
「うん。」
楓の言葉に頷く八重
その中でふと口を開く紫亜
「ねぇ、円陣組まない？」
紫亜の言葉に疑問に思うが直ぐに円陣を組む楓達
円陣を組むと口を開く紫亜
「自らの力の使い方を誤らず、時に仲間を助け、時に仲間を信じる。その誓い、守れ
るか？」
紫亜の言葉に頷く楓・八重・灰音に聖
「私達の結束は。」
「何事にも変えがたい。」
「どんな時でも仲間を信じる事。」
「それ故に私達は聖騎士の称号をこの身に受ける。」
「全ては、弱き民の為。」
楓・八重・灰音・聖・紫亜の順で口を開く
それぞれが言い終わると皆楓を見る
その意図をくみ取り一呼吸置くと口を開く楓
「ＳＫ――――――!!!」
「「「「応!!!」」」」
掛声を掛けるとそれぞれ散って行く
季節は流れ、７月
ＳＫＡ
廊下を歩く楓
「…そう言えば、七夕か。」
そう呟くとランサーが呼びかける
「(マスター、魔力回路で呼び掛けられてます。)」
「…実体化して良いわよ。」
楓の言葉に実体化するランサー
「それで？」
「終わったらエルミナド教会のバス停に集合との事です。」
「解ったわ。」
楓の言葉に霊体化するランサー
「…何の用だろう？」
疑問に思いながら廊下を歩く楓
その日の午後６時３０分
エルミナド教会バス停
バスから降り立つと口を開く楓
「あれ？皆来てるの？もしかして、私が最後？」
楓の言葉に頷く風濫・雪・青葉・フィーナ・ルイに紫亜
「これで全員揃ったみたいだな。行こう、唯が待ってる。」
何処からか現れたカヤキスの言葉の後移動を開始する一同
エルミナド公園
高台
木にもたれかかるようにして座る唯の姿がそこには有った
そしてその側には仁科の姿が…
「仁科、すまなかったな。」
「構わん。唯に関する事だからな。」
そう言うと唯の側を離れる仁科
「唯、指定したメンバーは皆連れて来たぞ。」
「ありがとう、カヤキス。それと、ＳＫＡで忙しいに来てくれてありがとう。」
そう言うと座ったままお辞儀する唯
その行動にざわつく一同
「さて、今日集まって貰ったのには、理由が有るのよ。」
「期限(とき)が、来たんですね。」
風濫の言葉に頷く唯
「まさか、唯様。」
驚くルイ
「ルイ。今迄ありがとうね。次の主を見つけて、その人を支えてあげてね。お願い。
」
「…唯様。…解りました。」
ルイの返事を聞くと頷き楓を見る
「水月先生。」
「楓。貴女に託した力、大切に、大切に使ってね。約束よ。」
「はい。」
少し涙声で返事をする楓
それを見聞きし、口を開く唯
「青葉。セフィリアから始まり私・フィーナを通し貴女に授けた銀十字。
清く正しく綺麗な心で、弱き者を助ける為に使ってね。」
「はい、心得てます。」
青葉の返答に頷くと雪を見る唯
「雪。貴方達３人の中で、一番何もしてあげられなかったわね。ごめんなさい。」
「唯さん。そんな事、ないです。唯さんからは沢山の大切な事を教わりましたから。
」
雪の言葉に安心する唯
「ありがとう、雪。親友を、大切にね。」
「はい。」
「……風濫。」
「解っています。私が一番深く関わっていた事を。」
風濫の言葉を聞き口を開く唯
「それもそうだし、そもそも貴女や雪・青葉も巻き込んでしまったわ。」
「それに関しては、後悔してません。そのお陰で大切な仲間に会えたのですから。
そして、フィーリアさんとも。」
そう言うと目を閉じ、少し間を置き目を開ける風濫
「唯。いえ、聖ハルイの聖騎士オールとでも言うべきかしら？」
「どちらでも構わないわ、フィーリア。いえ、黒龍国の黒騎士カルナ。」
そう言いあうと口を開く唯
「それで、貴女はいつまで風濫の中に居る気なの？」
「まぁ、そのうち。私から言わせればまだまだ未熟だからね。」
「…そう。」
「まっ、私が消えるのもそう遠くはない筈だし。…それじゃあね、唯。」
「えぇ。フィーリア。」
唯の返事を聞くと風濫へと戻る
「仁科。」
唯の呼びかけに気付く仁科
「結構、迷惑かけちゃったね。」
「言うな。あれはあれで結構楽しかったんだぞ。」
笑って言い返す仁科
「そう言ってくれると、助かるわ。…フィーナ。」
そう言うとフィーナを見る唯
「貴女は最初から変わらなかったわね。貴女の目標は何だったのかしら？」
フィーナに問いかける唯
「…私の目標は、私の目の前に居ます。」
フィーナの言葉を聞き納得する唯
「ならこれからもその人を目標に、頑張ってね。…サーヴァント達は居るかしら？」
唯の言葉に実体化するアルトリア・セフィリア・メドゥーサ・紫亜・秋華・イシュタ
ル
「皆居るみたいね。…先ずは、ライダー、メドゥーサ。」
唯の言葉に一歩前に出るライダー
「貴女とはこれと言って直接面識が無いけど、一つだけ言うわ。」
「…どうぞ。」
「汝のマスター、間宮風濫を支えてあげてね。」
「…はい、解りました。」
そう言うと風濫の側迄下がる
「次、アーチャー紫亜。」
唯の言葉に一歩前に出る紫亜
「フィーナの未来の可能性の一つ。
もしこれから貴女が覚えてる事で何か起きる事が有るのなら直ぐに言ってね。」
「解っていますよ、唯姉。」
そう言うと青葉の側迄下がる
「次、ランサー、イシュタル。」
唯の言葉に一歩前に出るイシュタル
「姉さん。」
「貴女には一番辛い事をさせちゃったかしら？」
「いいえ。後悔は、してません。
それにこうしてサーヴァントとしてまたこの土地に来れたのが、一番嬉しいですか
ら。」
「そう。それよりも、これからどうするの？」
「いつか消えさる時迄娘の傍に居ます。」
イシュタルの言葉に笑顔を見せる唯
それを見てフィーナの側迄下がるイシュタル
「次、ランサー秋華。」
唯の言葉に一歩前に出る秋華
「…久しぶりね。始まりに秋華。笠海とかが居た時の秋華よね？」
「はい。当たっています、唯さん。」
「そう。…どう？マスターは？」
「私のクラスと、性格を知っていてか上手く使ってくれています。」
「そう、満足しているのね。消え去るその時迄、初代ＳＫの名を誇りに持ってね。」
「はい。」
そう答えると楓の側迄下がる秋華
「さて、セフィリア。不思議ね。第１次で消えた貴女とまた会うなんて。」
「今回は土地と銀十字を用いて呼ばれたからね。マスターは彼女、睦月青葉よ。」
セフィリアの言葉に感心する唯
「彼女。いえ、我がマスターは良い人ね。フィーナが銀十字を託したのも納得行く
し。」
そう言うと唯を見るセフィリア
「セフィリア。ありがとう。そして、お願いね。」
「…えぇ。」
そう言うと青葉の側迄戻る
「…さてと。」
「マスター。」
傍で口を開くセイバー、アルトリア
「セイバー。ゴメンね。マスターらしい事って魔力供給ぐらいしか出来なくて。」
「いえ、構いません。そのお陰で色んな事を知れましたから。特に、悔いも無いです
し。」
セイバーの言葉にピンと来る唯
「…そう、一緒に来てくれるんだ。」
「はい、そのつもりです。マスターで有る貴女が消えれば直に私も消えます。
それならばご一緒した方がマスターも寂しくないでしょう。」
セイバーの言葉に笑顔を見せると口を開く唯
「ありがとう、セイバー。…さてと、誰か録音出来る物とアコギ、持ってない？」
「唯、持ってきているぞ。」
そう言う仁科の手にはカセットデッキとアコギが一本有った
その横でエレキベースの準備を進めるカヤキス
ふとその中で口を開く風濫
「すみませんが、羽咲局に連絡しても、良いですか？」
風濫の提案にその場が一瞬静かになる
「いや、皆さんが嫌なら、別にいいんですけど…。」
風濫の言葉の後口を開く唯
「仁科ちゃん。連絡お願い。局とＳＫＡに。
アインスとフィーアに色々持ってくるようにって。」
「唯さん。」
「…きっとこれが、最後だからね。」
唯の言葉の後その場から走り去る仁科
「音響関連はＳＫＡに有る！照明は…。」
「風濫、エルミナドに有るわ。」
「フィーナさん、頼めますか？」
「ＯＫ。セフィリアさんと紫亜、それにお母様。お願い出来ますか？」
フィーナの言葉に頷く３人
それと同時に走り去って行く４人
羽咲テレビ情報部
電話が室内に鳴り響く
「はい、もしもし。羽咲テレビ浜野です。」
―羽咲市警仁科です。今から一つ生で組めますか？場所はエルミナドの公園です。―
「ちょ、ちょっとお待ち下さい。」
そう言うと電話を保留にし口を開く浜野
「部長！羽咲市警仁科さんから電話です。今から生一つ組めないかって？」
「何番だ？」
「５番です！」
浜野から番号を聞き電話を取る部長
「もしもし。情報部長井崎です。」
―羽咲市警仁科です。用件は伝わってると思いますが、どうでしょうか？―
「え〜と、今６時４０分なので８時からでよろしいですかね？」
―解りました。リハ・調整もありますので現地には７時１０分迄にはお願いしま
す。―
「解りました、失礼します。」
そう言うと電話を切る井崎
「浜野！使える機材全部用意しろ！エルミナドだ！」
「了解！」
一気に慌ただしくなる情報部
６時５２分
ＳＫＡから機材到着
「手ぇ開いてる人は手伝って！解らなければ直ぐ聞く！」
元気よく号令をだす風濫
それを見守る唯とカヤキス
「間宮先生！照明の向きは何処ですか？」
「今行く！ライダー、そこ立ってて！合わせるから！」
そう言うと照明を持った生徒の所迄走っていく風濫
「…まぁ、良いか。」
そう言うと言われたポイントで立つライダー
６時５９分
「テレビ局来ました―！」
何処からか生徒の声が聞こえた
「良し！青葉の班はテレビ局の手伝い！向こうの指示に従って！こっちは最終調整
よ！」
またしても風濫の号令が飛ぶ
「久しぶりだね、水月君。」
「お久方振りです、井崎さん。相変わらず部長職ですか？」
唯の言葉に苦笑いをする井崎
「それよりも、協力するんだから、良い絵を見させてくれよ。」
「ＯＫです。」
唯の返答を聞くとその場から立ち去る井崎
７時１３分
「羽咲ラジオ来ました！」
「ＯＫ。こっち回して！」
生徒の声に口を開く風濫
７時２７分
「篠塚さん、枠はどのくらいあるんですか？」
ふと質問する風濫
「テレビより３０分早い始まりで終わりとテレビと一緒。」
「げっ、もう始まるじゃないですか！」
「大丈夫、水月さんには話してあるから、先ずは水月さんからだ。」
篠崎の言葉に渋るもＯＫを出す風濫
７時２９分
「は〜い、そろそろ本番で〜す。」
ラジオ局のディレクターが声を出す
その横ではテレビ局は全てを終わらせていた
「本番！３・２……。」
キューを出すディレクター
「…羽咲ラジオをお聞きの皆様。こんばんは。ＳＫ水月唯です。
突然の事で驚いていると思いますが、これから１時間半。お付き合い下さい。」
７時５８分
「さて、そろそろあちらも準備が出来ている頃ですね。
この後８時からはテレビでもご覧になれます。出始めは現役ＳＫの皆です。お楽しみ
を。」
８時
テレビカメラの前には風濫・雪・青葉・秋華にフィーナの姿が有った
風濫が回りを見て頷くと演奏が始まる
その後はトーク等を入れ、時間は過ぎて行く
８時５０分
木にもたれかかる唯の前にマイクが持ってこられ、その横にはベースを持ったカヤキ
ス
そしてその周囲に現役ＳＫがそろっていた
「…さて、これが最後です。そう、私が歌う最後の曲です。
皆様、心して聞いて下さい。フルムーン。アコースティックバージョン。」
唯がそう言い視線を送る
それを見てカウントを取りアコースティックギターを弾き始める風濫
水月唯、最後の歌が、始まった
放送終了後
テレビ・ラジオのスタッフが全員撤収したのを見計らい
風濫・雪・青葉・フィーナ・楓とそれぞれのサーヴァントが呼ばれた
「唯さん、全員集まりました。」
風濫が口を開く
「そう。ありがとう。」
「それで、皆を集めた要件は？」
風濫の言葉に少し間を明け口を開く唯
「…私ね、貴女達とお別れなの。」
唯の言葉に疑問に思う一同
「今日と言う日迄数千年生きてきた私が、やっと逝ける。…自分でも分かってたけど
ね。
不老不死だけど、いつかはこんな日が来るって。」
「唯さん。」
「…風濫・雪・青葉。それに楓とフィーナ。楽しかったわ。初代ＳＫ以来よ。」
そう言うと夜空を見上げる唯
「セイバー、イシュタル。」
唯の言葉に姿を表す二人
「一緒に、来てくれる？」
唯の問に頷くセイバー
「…フィーナ、ごめんなさい。」
「…良いのです。私は、大丈夫ですから。お母様は唯姉のお供をして下さい。」
笑顔でそう言うフィーナ
「…やっぱり貴女は、私似ね。そしてその強さはお父様似。」
そう言うとフィーナを抱きしめるイシュタル
「ありがとう、ございます。」
「強く、生きてね。」
「はい。」
フィーナの返事を聞くと唯の方へと歩くイシュタル
イシュタルが側に付くと口を開く唯
「カヤキス、ご免なさいね。それと、風濫共々、後をお願い。」
「あぁ、解ってる。」
カヤキスの返事の直後唯の身体が光を発する
それを見て唯の身体に触れるセイバーとイシュタル
「皆、ありがとう。そして、汝達に聖なる神と聖なる龍神の加護が有らん事を。
…それじゃあね。」
そう言うとその場から消失する唯・セイバー・イシュタル
消失したその場に光の玉が現れ中から小さな女の子が現れる
「女の子？」
風濫が疑問の言葉を開くと目を開け、周囲を見渡す女の子
ふとカヤキスを見て、口を開く
「ねぇお兄ちゃん。パパとママは？」
女の子の問に膝を曲げ座るカヤキス
「君のパパとママは、居ないんだ。その変わり俺達が君のパパとママの変わりにな
る。」
カヤキスの言葉に笑顔で、尚且つ素直に頷く女の子
それを見て口を開くカヤキス
「ありがとう。」
そう言うと女の子を抱き抱え涙を流すカヤキス
「お兄ちゃん？」
女の子の疑問にも涙を流し続けるカヤキス
それを見ながら口を開く風濫
「雪・青葉・フィーナさん・楓。来てます。」
風濫の言葉に頷くと町の方を見る
「中央公園に…２〜３体。雪と楓はここでカヤキスさんと彼女を。
青葉とフィーナさん、それと私で行きますよ。」
風濫の言葉に頷く一同
「(空から見守っていて下さい。唯さん。)」
そう心の中で言うと飛び出して行く
それからの話をしよう
間宮風濫
魔族名シルヴィー
彼女は羽咲に残りＳＫを纏め、ＳＫＡの教鞭を取る
能力者の事件には先陣を切る
その隣にはサーヴァントで有るライダーと、
親友氷那雪と睦月青葉の姿が有った
氷那雪
一度風濫の手助けで魔界で修業をする
その後はＳＫＡで教鞭を取る
後に結婚と共にＳＫＡ・ＳＫから退く
睦月青葉
ＳＫ及びＳＫＡで風濫のサポートをする
その反面魔を浄化する銀十字を振るう
その傍らには銀十字の製作者で現サーヴァントのセフィリアの姿が有った
フィーナ＝ラス＝レイピア
事が全て終わった後エルミナド教会の正式なマスターと成る
教会本部から何も無かった所を見ると素直に認めたと言う所か？
シスターをしつつ孤児院の面倒も見る
如月紫亜
アーチャーのサーヴァントで有り、英霊となったフィーナ
事が全て終わった後はフィーナのサポートする
マスターで有る青葉に許可は取った模様
仁科恵一
相も変わらず羽咲市警特殊機動隊に所属し、遠野と共に奔走している
最近雫との間に子供が出来た様子
神月雫
「風の雫」の異名を持つ彼女もそろそろ一児の母で有る
これを機に署長職から退く模様
後任は不明との事
ティアーズ＝カヤキス
エルミナド教会孤児院で孤児達の世話をする毎日
例の女の子も慣れてきている様子で一安心の模様
孤児達からは「頼れるお兄ちゃん」と言われている
水代楓
ＳＫＡ卒業後ＳＫＡで教鞭も取り、前線にも出てくる
非戦闘時は風濫の近くに居る事が多い
月夜瑠那
故郷海山市に帰ると同時に市警に直談判し「特殊機動隊」を設立
初代隊長となる。隊員は２〜４名程
水代楓
ＳＫＡ第一期生の中で突出した能力を開花させた
水月唯から力を受け継ぎその能力はＳＫの中でもトップクラスに入る
魔術法具エルスハートを用いる
夢野瑠衣
唯亡き後遺産を継承
その遺産を用いてＳＫＡの運営及び世界保護募金に協力
羽咲ではＳＫを影から支える頼れる人物
水月唯消失から１０年
羽咲市内とあるマンションの一室
「カヤキスさん。」
ふと声をかける女性
「おっ。今日か。」
「そうだよ。忘れてたの？」
「すまないな。けど、あれから１０年か。お前も大きくなったな。」
カヤキスの言葉にじ〜っと疑問の眼差しを向ける女性
「な、何だよ？」
「おじさん臭い。」
「…そうかもな。今日、何時からだっけ？」
「９時。必ず来てね。」
「あぁ。」
「それじゃ、行ってきます。」
そう言うと出かけて行く女性
その少し後カヤキスの携帯が鳴る
「はい、カヤキスです。」
―彼女は、出かけましたか？―
「あぁ。元気に出て行ったよ。お前は行くのか？彼女の入学式。」
―特に何も無いようなので行きますよ。緊急時はフェンリル小隊に任せてますし。―
「そうか。９時からだって言っていたから、遅れるなよ。」
―了解です。カヤキスさん。―
その言葉の後電話が切れる
「…さて、行くか。」
羽咲中央高校
校門で誰かを待つカヤキスの前に姿を表す風濫
「よっ。」
「早いですね。私も早く出たつもりなのですけど…。」
「かもな。ほら、行くぞ。」
そう言うと移動する風濫とカヤキス
体育館
保護者席より後ろの壁にもたれかかる風濫とカヤキス
―次は校長の挨拶です。―
司会の教師が口を開くと舞台へと上がる校長
それと同時に２階の窓ガラスが割れる
一斉に悲鳴が上がる
―み、皆さん落ち着いて！―
その直後後ろから飛び出る風濫とカヤキス
そのまま舞台に降り立つとマイクを持つ風濫
「落ち着いて！直ぐに終わらせるから！」
そう言うとマイクを手放すと口を開く風濫
「レヴィキス！マジックブリッドチャージ!!!」
そう言うと同時に剣から薬莢が排出される
「数は……２。カヤキスさん！」
「ＯＫ！」
そう言うと同時に飛び出す二人
そのまま窓ガラスから飛びこんで来て異形を斬り伏せる風濫とカヤキス
「お仕事完了。」
そう言うと剣を納める二人
その直後下から歓声が沸き起こる
「目立っちゃいましたね。」
「…そうだな。」
その後元通りに入学式は終わり、ＨＲが終ると新入生は下校の時間になった
校門
「…唯、大丈夫かな？」
「どうだろうな？…やっちまったな〜。」
そう溜息を付くと声が聞こえる
「カヤキスさん！間宮さん！」
「よっ、お帰り。どうだった？新しい学校は？」
「話題の中心に居ましたよ。楽しくやっていけそうです。」
唯の言葉に安心するカヤキスと風濫
「そんじゃ、帰るか？」
「はい！」
―ねぇ、カヤキスさん。―
―どうした？―
―私も、強くなれるかな〜？―
―…その気が有るならな。―
―それなら、頑張っちゃおう♪―
終わり