Angel’s Knight 第2章
ACT8「白き羽・黒き衣」

 

 

中庭

 

「一気に片をつけるわよ。」

「うん。」

シルヴィーの言葉に応えると詠唱を始めるセレナ

一方それを確認し、口を開く青葉

「ドデカイのが来る。アーチャー、セイバーの前に防御張れる?」

青葉の問いに頷くアーチャー

「なら防御はセイバーとアーチャーで。セイバーに関しては対魔Aのスキルと宝具を

併せてもらうわ。」

青葉の言葉を聞くとセイバーの剣から光と風が発せられる

「雪は私と衝突後の準備。術後硬直の隙を狙ってくるからそれを防御。

私はその間にあっちのガンナーを討つわ。」

「解った。」

雪の返答にシルヴィー達の方を見る青葉

 

詠唱を終え口を開くセレナ

「いつでも行けるよ。」

「なら行って。術後の事は安心して良いから。」

「うん。」

シルヴィーの言葉に答えるとエクスレンスに溜まる魔力量が更に増加する

「行っけぇぇぇ――――――!!!

セレナの叫びと共にエクスレンスから巨大な魔力量が射出される

―約束された勝利の剣―エクスカリバー

―織天覆う七つの円環―ロー・アイアイス

セイバーとアーチャーの宝具で巨大な魔力を防御するセイバーとアーチャー

二つの宝具を用いても若干押されるセイバーとアーチャー

「アーチャー!!!

たまらず叫ぶ青葉

その直後

「白凰衝牙!!!

男性の言葉と同時にエクスレンスから放たれた魔力に飛び込む人影

それを見て口を開く雪

「鳳さん!」

飛び込んで来たのは…

「白獣、鳳幻!!!

魔力の波にうっすら見える人影を見てその名を口にするシルヴィー

「セレナ!バックファイアが来るよ!!!

シルヴィーがそう言った直後均衡した魔力が拡散する

その衝撃破に押されるセレナ・セイバー・アーチャーに幻

その合間を縫って銀装を纏い突っ込んで来る青葉

「レイピア!!!

「シルヴィー!!!

互いの名を叫ぶと独特の金属音が響く

「シルヴィー!いつまでそっちに居る気なの!」

「全てが終わる迄よ!」

そう言うとレイピアを弾くシルヴィー

「それなら、その根性を叩きなおしてやる!」

そう言うとレイピアの剣から銀色の光が発せられる

「面白い。エスキス、カートリッジロード!」

シルヴィーの言葉に排莢するエスキス

Darknnes Slash―

電子音声と共に漆黒の気がエスキスに集まる

「行くよ、レイピア。」

「えぇ。」

そう言うと同時に駆け出すシルヴィーとレイピア

「「ハァァァァァァァァァァァ!!!」」

衝突しあう光と闇

一瞬の均衡の後、上空へと光と闇の柱が伸びる

「青葉!」

「シルヴィー!!!

同時に心配の声を出す雪とセレナ

その直後、その場に白い羽が舞い落ちる

「羽?」

疑問に思う雪

その場に居た一同が空を見上げる

見上げた空からは一人の天使の女性が舞い降りて来た

その両脇にはシルヴィーとレイピア

「青葉!」

「シルヴィー姉!」

青葉とシルヴィーに駆け寄る雪とセレナ

舞い降りた天使の女性を見て口を開くアーチャー

「…久し振りになるのかしら?天使長エルティス。」

アーチャーの言葉に気付き口を開くエルティスと呼ばれた女性

「…貴女は、誰?フィーナさんみたいだけど、何か違う。」

「フィーナで合ってるわよ、エルティス。だけど、羽咲と言う土地に縛られたアー

チャーのサーヴァント。

無数に有る内の一つの未来の可能性、それが私。英霊フィーナ。」

「そう、でしたか。」

アーチャーの言葉に納得するエルティス

「それで、何しにこっちに来たの?」

アーチャーの言葉に本題を思い出すエルティス

「そうでした。実は天界の方で良くない未来を感じまして、それを報告しに来たので

すが…。」

エルティスがそこまで言うと姿を現すセシリア

「詳しい話は彼女を倒してからにしましょうか。」

そう言うとセシリアに視線を向けるエルティスとアーチャー

「セシリア姉様。」

ふとか細い声を出すセレナ

「セレナ。…帰りなさい。」

そう言うとセレナを剣で一突きするセシリア

「姉、様?」

突然の事で呆然とするセレナ

同時に光の粒子となってその場から消えるセレナ

「所詮は高次元物質化能力を使って作ったボディか。」

セシリアのその言葉に構えるアーチャーとエルティス

「ちょっと待って下さい。」

そう言うと立ち上がる風濫

「彼女を、セシリアを討つのは、私の役目です。」

そう言うとルーティアの魔術法衣を纏う風濫

「あらあら死にぞこないが、私に勝てるのかしら?」

セシリアの言葉に黙り込む風濫

先ほどの衝突によって立つのすら辛い状況である

それは青葉にも言える

「そうだけどね。けど、負ける訳には行かないのよ。それが、今の羽咲のSKの長た

る私の役目!」

「風濫、私も手伝うよ。」

「雪。」

雪が風濫に声を掛ける

それと同時に風濫の後ろから声が聞こえる

「私も、雪と同じだよ。ゆっくり、寝ていられないよ。」

「青葉。」

満身創痍が2人とやや疲れ気味が1人

「そんなメンバーで勝てるのかしら?私は、強いわよ。」

セシリアの言葉に苦い声を出す風濫

「来い、干将・獏耶。」

その言葉と共に白と黒の双剣を持って風濫達の前に出るアーチャー

「あら、貴女が相手なの?」

「まさか。風濫・雪・青葉。SKの真の強さ、それが解れば、貴女達は勝てるわ。セ

イバー、行ける?」

「誰に物を言っているのですか?」

そう言うとアーチャーの隣に現れるセイバー

「風濫、シメは貴女よ。まぁ本音言うなら楓の方が良いかな〜なんてね。」

そう言うとセシリアを睨むアーチャー

それと同時に女性の声が聞こえる

「それなら、下準備してくれる?紫亜。」

声のした方を向く一同

そこに居たのは…

「楓。」

その名前を口にするアーチャー

「どうしますか?間宮先生。」

楓の言葉に口を開く風濫

「思いっきりぶちかまして来なさい。」

そう言うとハイタッチする風濫と楓

「紫亜・セイバー、なるべく時間を稼いで貰って良いかな?」

「勿論です。」

「もっち。セイバー、行くよ。」

アーチャーの言葉に同時に駆け出すセイバー

そのままセシリアに向かう

「やれやれ、邪魔よ!」

そう言うと魔力を放出する

その魔力に弾かれるアーチャーと、

対魔Aのスキルを用いて無効化するセイバー

そのままセシリアに斬りかかるセイバー

その斬撃を受け止めるセシリア

「成る程。魔術無効化ね。」

「セイバーのサーヴァントの固有スキルです。」

「へぇ。」

そう言うと剣毎セイバーを弾くセシリア

その直後干将・獏耶を持ちて、セシリアに突っ込むアーチャー

その斬撃を弾くセシリア

「まだまだね。」

「ハーティングフォレスト、魔力フル装填。」

―OK。Magic Full Chage

電子音声と共に剣に魔力が溜まる

「何をする気なのかしら?」

そう言うと楓の方を向くセシリア

それと同時に背後から斬りにかかるセイバー

「うざったい!」

そう言い、振り返ると同時にセイバーを薙ぎ払うセシリア

「ぐぁ!」

セイバーが飛ばされると同時にセシリアに突っ込む雪

その後ろで口を開く風濫

「エスキス、カートリッジロード!ルーティア、魔力装填!」

―OK Magic Load―

風濫の言葉に電子音声で応えるルーティア

それと同時に排莢するエスキス

「楓、準備は良い?」

「間宮先生。はい、いつでも行けます。」

楓の言葉を聞くと口を開く風濫

「それなら私の後ろに着いてきて。大丈夫だから。」

「風濫、私も付き合うよ。」

後ろから銀装を纏った青葉が口を挟む

「俺も忘れるなよ。」

「青葉、それに鳳さん。さぁ、決着を付けましょう。順番は青葉・鳳さん、そして私

と楓で。」

風濫の言葉に頷く青葉・幻・楓

銀槍を携えセシリアに突っ込む青葉

「ただの突っ込み。けど、その後ろに居るんでしょう!」

突っ込んで来た青葉を左手で弾くと剣を振るい衝撃破を放つセシリア

「全を防ぐ楯(イージス)!!!

その衝撃破を防ぐアーチャー

その隙を突き、突っ込む幻

「白天爪(はくてんそう)!!!

「なめるなぁ!!!

そう叫ぶと幻も弾き飛ばすセシリア

その直後正面から漆黒の衝撃破が二つ重なりセシリアに迫る

「ダークネススラッシュ!!!

一振りで二つ重なった衝撃破を相殺するセシリア

「戦略が甘いわよ、シルヴィー!!!

「そんな事は百も承知です。」

セシリアの背後から風濫の声がする

(後ろ!)

「青葉!セイバー!アーチャー!」

風濫の言葉にセシリアを四方向から切り抜ける風濫・青葉・セイバー・アーチャー

「連携技、四方蓮華。」

風濫がそう言った直後

セシリアの左肩から剣が刺さり、右の脇腹から剣先が少しだけ現れる

「なっ!」

突然の事に驚くセシリア

それを見て口を開く風濫

「ナイスタイミングよ、楓。…マスターセシリア、何か言い残す事は?」

風濫の言葉に空を見上げるセシリア

「何も無いわ。」

「楓!」

風濫の言葉にハーティングフォレストから魔力を解放する楓

(綺麗な、空ね。)

そう呟くとセシリアの耳に懐かしき声が聞こえる

―一緒に、逝きましょう。マスターセシリア―

(フィーリア?)

そのまま内側からの魔力解放により、息絶えたセシリア

それを確認しハーティングフォレストを抜く楓

そのまま倒れ込むセシリアを抱える風濫

その姿は黒神装を纏っていた

「マスターを、弔って来る。青葉、後、お願いね。」

そう言うと飛び立っていく風濫

風濫を見送ると口を開く青葉

「さ〜て、勝ったんだから、今は勝利の余韻に浸りましょう。そして、風濫が帰って

来るのを、待ちましょう。」

そう言うと空を見上げる青葉

 

エルミナド教会から南へ行った所

 

羽咲ヶ丘公園

 

公園内の高台の上の木の下

 

そこには小さく地面が持ってあり、そこに一振りの剣が刺さっている

「マスターセシリア。安らかに、眠って下さい。そして、ありがとうございます。」

そう言うと再び飛び立つ風濫

 

SAK中庭

 

上空から黒神装を纏い降り立つ風濫

ふとその視界に雪と青葉の姿が入り、口を開く

「雪・青葉。私は闇に生きる者。けど、貴女達光と一緒に生きて、良いのかな?」

風濫の言葉に張り手を食らわす青葉

「青葉?」

「何言ってるのよ。私達は親友でしょ?シルヴィー・フェンリル・レイピア。この3

人で、羽咲SKを支えるのよ。

雪も、そう思ってるから。」

青葉の言葉に雪を見ると頷く雪

それを確認して手を差し出す青葉

「だから、お帰り。風濫。」

青葉の言葉に手を取り口を開く風濫

「ただいま。」

 

漆黒の姫君セシリアのSKA襲撃は失敗に終わった

 

 

 

10日後

 

 

 

SKAに一枚のDVDが届く

袋に「SKAへ。SKより。」と書かれていたのでSKAの全生徒と全教員を招集して

見る事にした

 

講堂

 

「それじゃ、行きますよ。」

そう言って再生スイッチを押す雪

しばらくすると何処か外国の建物が写る

様子からすると屋内

ふとそこに一人の女性が写ると、椅子に座り口を開いた

―え〜、SKAの可愛い生徒達及びSKA教員達。どうも、SK総合隊長水月唯で

す。

え〜、今私達はアフリカの紛争地帯に来ています。あと2〜3週間すれば鎮圧しま

す。

これが終われば休暇が取れるのでそちらに帰ります。詳しい日程は防衛庁に聞いて。

 

久し振りに会えるのを楽しみにしているわ。それじゃ。」

唯のその言葉で映像が途切れる

「唯さんが、帰って来るんだ。」

そう言うとはしゃぎだす風濫達

一方生徒達からはざわめきの声が立つ

「はいはい、騒がないの。そんなんじゃ、笑われるわよ。」

そう言って生徒達をなだめる風濫

 

アフリカ

 

砂漠地帯

 

そこに日本の自衛隊とSK本隊が駐留していた

 

司令部テント

 

そこには陸上自衛隊第9連隊の隊長久住と唯・ルイ・フィーナの姿が有った

 

「久住さん、ゲリラの規模はどれくらいですか?」

唯の質問に付近の村の地図を広げる久住

「この50人規模の村を制圧している。人数は偵察班によると7人。少数ですよ。」

「…やれなくは、ないわね。」

「そう来ましたか。」

久住の言葉にニヤツク唯

「それで、どう行くの?唯姉。」

「レナスとシルメリアを飛ばして、適度な所で魔力ラインによる逆召喚。」

唯の提案に呆れるフィーナ

「唯様、私は何を?」

「後方支援。」

 

砂漠地帯の村

 

中央広場

 

そこには村人全員が集められ、ゲリラが囲んでいた

ゲリラを見て怯える女子供達

[くっ、お前達の目的は何なんだ?]

[知れた事!国に対する挑戦状だ!]

村の若者の問いに答えるゲリラ

[国への要求なら、今聞くけど。]

笑顔でその場に立つ唯

[な、何だ貴様!]

「フィーナ!」

唯がそう言うと同時にゲリラの手に銃弾が当たる

手の甲を確実に狙い銃を持たせなくしている

それと同時に降り立つフィーナ

[さぁ、どうする?]

 

「久住〜、終わったよ〜。」

手を振りながら水を飲む唯

「相変わらず見事だな。死傷者は?」

「ゲリラ達が手の甲に銃弾受けたぐらい。」

「流石です。」

「いつもの事だし。」

唯がそう答えると村の長が声を掛ける

[ありがとうございます。]

それに気付き口を開く唯

[いえいえ、礼には及びません。それよりも良い村にして下さいね。]

そう言うと空を見上げる

「これで、帰れる。」

そう呟く唯

 

第3章へ続く

 

 

 

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